大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

歌は、習っても、習わなくてもいいのだ。

   

歌だって、楽器だって、誰かに習う必要なんか、もちろんありません。

立派な学校に通ったからって、すごいプレイヤーになれるわけでも、
高名な先生に習ったから、自分も著名な音楽家になれるわけでもない。

学校になんか通わなくたって、
誰にも習わなくたって、
なんなら、自分の楽器さえ持っていなくたって、

すごくなるヤツはすごくなる。
うまくなるヤツはうまくなる。

歌なんか習うもんじゃない、っていう、あの人の気持ちも、
真面目にお勉強する人ほど、つまらない歌を歌うようになる、
っていう、この人の言い分も、もちろんわかります。

でもね、

習い事をしたい、その時間を楽しみたいという人のことは、
ちょっと置いておくとして、

歌いたい!って思う人は、
別に、習いたいから習いにいくわけじゃないんですよね。

思うように歌えない。
思いばかりが先行して、何からはじめたらいいかわからない。
無理かも知れない、無駄かも知れない、
才能だってないかもしれない、

それでも、どうしても歌いたくて、
文字通り、藁にもすがる思いで
必死で家族を説得して、友だちに言い訳して、
時間とお金と、たくさんのたくさんのエネルギーをつかっても、
習いにいこうと決心する。
学校に行こうと覚悟する。

それこそが情熱じゃなくってなんだって言うのと、
鈍才代表を自負する身としては、いつも心動かされるのです。

目指すゴールは同じでも、人にはそれぞれの道筋、
それぞれの歩行速度があります。

正解は人の数だけあるのだから。

誰かの「〜しなくちゃいけない」
「〜しちゃいけない」
「〜するもんだ」に惑わされずに、

自分心の声に耳を澄ませて、全力で進むのみです。

◆歌う心とカラダに活を入れる2日間。MTLサマースクール2022。リアルとリモート同時開催。
◆公式LINE、はじめました。ご質問やお悩みにもお答えしていきます。ご登録はこちらから。

 - 「イマイチ」脱却!練習法&学習法, 夢を叶える

  関連記事

ゆっくりやってもできないことは、速くやってもダメ

そんなの当たり前でしょ?と言われそうなタイトルですが、 実は、この当たり前を知ら …

やっぱ、英語なんだよなぁ。

日本語の歌を歌っているとめちゃくちゃカッコいいのに、 英語の歌になったとたんに、 …

「逃した魚」は、きっと毒入り!?

「チャンスの神様には前髪しかない」(Seize the fortune by t …

「できたらいいな」と思うことと「本当に好きなこと」の決定的な違い

書くことが好きです。 ほっといても書く。 学生時代など、授業中に全く授業聞かずに …

ヴォーカリストのための「練習の3つのコツ」

プライベートレッスンでも、MTL12でも、そして音大でも、 クライアントやアーテ …

がんばれないのは「ご褒美設定」がうまく行っていないから。

誰だって、がんばってもがんばっても、なんのご褒美のない、 不毛な努力はできないも …

絶望的に長い年月、積み重ねる「少しずつ」

こどもの頃好きだった忍者漫画で、 忍者の家に生まれたこどもは、ごく小さな頃から、 …

「できないことをできるように」から「できることをもっと素晴らしく」

先日、ディスカヴァーさんが、メルマガで拙著の紹介をしてくれていました。 「自分も …

「やりたい」と「やる気がある」は月とスッポンほど違うんだ。

先日、著名なアーティストの方と、 その方のお子さんが、 「音楽に興味があると言っ …

パッションから目をそらさない!

「え?MISUMIさん、そこまでやるんですか?」 何度言われてきたかわからないこ …