歌は、習っても、習わなくてもいいのだ。
歌だって、楽器だって、誰かに習う必要なんか、もちろんありません。
立派な学校に通ったからって、すごいプレイヤーになれるわけでも、
高名な先生に習ったから、自分も著名な音楽家になれるわけでもない。
学校になんか通わなくたって、
誰にも習わなくたって、
なんなら、自分の楽器さえ持っていなくたって、
すごくなるヤツはすごくなる。
うまくなるヤツはうまくなる。
歌なんか習うもんじゃない、っていう、あの人の気持ちも、
真面目にお勉強する人ほど、つまらない歌を歌うようになる、
っていう、この人の言い分も、もちろんわかります。
でもね、
習い事をしたい、その時間を楽しみたいという人のことは、
ちょっと置いておくとして、
歌いたい!って思う人は、
別に、習いたいから習いにいくわけじゃないんですよね。
思うように歌えない。
思いばかりが先行して、何からはじめたらいいかわからない。
無理かも知れない、無駄かも知れない、
才能だってないかもしれない、
それでも、どうしても歌いたくて、
文字通り、藁にもすがる思いで
必死で家族を説得して、友だちに言い訳して、
時間とお金と、たくさんのたくさんのエネルギーをつかっても、
習いにいこうと決心する。
学校に行こうと覚悟する。
それこそが情熱じゃなくってなんだって言うのと、
鈍才代表を自負する身としては、いつも心動かされるのです。
目指すゴールは同じでも、人にはそれぞれの道筋、
それぞれの歩行速度があります。
正解は人の数だけあるのだから。
誰かの「〜しなくちゃいけない」
「〜しちゃいけない」
「〜するもんだ」に惑わされずに、
自分心の声に耳を澄ませて、全力で進むのみです。

-
◆歌う心とカラダに活を入れる2日間。MTLサマースクール2022。リアルとリモート同時開催。
◆公式LINE、はじめました。ご質問やお悩みにもお答えしていきます。ご登録はこちらから。
関連記事
-
-
ギターの「早弾き」 vs. ボーカルの「高い音」
ボイトレというと、高い音ばかり練習している人がいます。 実際に、スクールなどでも …
-
-
「まったくおなじ音」は2度と出せない?~SInger’s Tips #19~
長年歌をやっていて、 もっとも難しいと感じることにひとつに、 「おなじ音をおなじ …
-
-
「私のカラダはギターには向いていないんだ・・・」
高校時代、ギターリストを目差していた頃のお話。 クラプトンに憧れて、黒いストラト …
-
-
ヴォーカリストがリハーサルの前に最低限準備すべき3つのこと
昭和音大では『アンサンブル』という授業を受け持っています。 アンサンブルというと …
-
-
「逃した魚」は、きっと毒入り!?
「チャンスの神様には前髪しかない」(Seize the fortune by t …
-
-
「私の歌って、どうですか?」
「自分の歌ってどうなんだろう?」 歌う人誰もが一番知りたいのってそこなんだなと、 …
-
-
鏡を見ない!?
何年か前、女優の黒木瞳さんが、 その美しさの秘訣を聞かれて、 家では鏡を見ない、 …
-
-
わかってないのは、そいつの方じゃないのか?
「自分のこと、めっちゃ美人だと勘違いしてる、ぶっさいくな女っているよね? &nb …
-
-
「妄想」は所詮「妄想」です。
小学校1年の終わりに急性腎炎で、2ヶ月ほど入院し、 (今となっては理由は定かでは …
-
-
「わ。ピッチ悪い」をどうするか。
初めて「ピッチが悪い」と言われたのは、 歌の学校に通いはじめて、しばらくしてから …
- PREV
- 「なんでも歌える」と言わない勇気
- NEXT
- 感情に翻弄されない クールに傾きすぎない
