「落としどころ」か?「限界突破」か?
2016/08/28
完璧主義というほどではないですが、私はなにかと採点が辛いようで、
生徒やクライアントさんたちに恐れられています。
正直、ダメ出しをしたり、もっとよくなるのではとアドバイスをしたり、
まだまだやれるはずとしごいてみたりするのは面倒くさい。
適当に「うん、いいんじゃない。」とか「やりたいようにやりなさい」と、
言ってしまえば、生徒もご機嫌でしょうし、
こちらも余計なエネルギーをつかわなくていいわけです。
生徒たちが一所懸命歌っているのを聴くとき、心の中にはさまざまな思いがあります。
ときに、どきっとするくらいいい歌を歌う子がいて、泣きそうになることもあります。
この子の素晴らしさを誰かに伝えたいと思うこともありますし、どうしたら次のステージに行けるか、誰と会わせたらいいかまで真剣に考えてしまうこともあります。
自分が感動した理由をなんとか言語化しなくちゃとか、この感動をより確かなものにするにはどうしたらいいか、もっともっといい歌にするにはどうすべきかと、とにかく必死に考えたりもします。
そんなレベルまでは行かなくても、
「あ、すごく一所懸命練習してきたなー。」と誉めてあげたくなる子や、
「先週よりはずいぶんよくなっているわよね」ととりあえずOKをあげる子もいます。
一方で、「あーあ。なにやってたのかしらね〜・・・」とがっかりしたり、
びっくりするくらいひどくて、苛立ったり、
「前回のレッスン、伝わらなかったなぁ」と反省するときもあります。
彼らの歌を聞く間に頭の中を走馬燈のように巡ることば。。。
この歌でお客さんからお金を取れるか?
業界の人を納得させられるか?
それよりなにより、誰かに興味を持ってもらうことはできるのか?
この実力でレコーディングに耐えうるか?
ライブで、ちゃんとお客さんをつかめるか?
彼の、彼女の魅力がちゃんとでているか?
CDを買いたいと思うほど、魅力的か?
モノマネになっていないか?
アイデンティティはあるか?
この子の歌を誰かに紹介したいか?
そんなプロレベルな思考が展開するときもあります。
そうかと思えば、生徒のレベルによっては、
ずいぶんがんばってるけど、いやぁ〜、まだまだ厳しいなぁ。
あんまりひどいダメ出しすると、やる気がなくなっちゃうかな。
誉めてあげられるのはどこだろう?
この子はどこへ向かっているのか?
何て言ってあげるのがベストだろう・・・?
などなどと、悩み多きときもあります。いや、その方が圧倒的に多いです。
とはいえ、1曲をこちらの納得いくレベルまでやらせ続けるわけにもいきません。
がんばっても、なかなか上達しない子もいれば、
私生活がガタガタでろくに練習できない子もいる。
プライドばかり高くて、素直に人の話を聞けない、残念な子もいます。
言うべきことは言うという姿勢を崩さないまでも、
しかし、どこかで「落としどころ」を見つけなければ、
意地の張り合いのようになって前に進めません。
音楽が楽しくなくなってしまう子もいるでしょう。
いつも迷うのが、この「落としどころ」なのです。
落としどころを模索しながら、また自分に問います。
面倒くさくなってなったのじゃないか?
本当にこんなレベルでOKしていいのか?
生徒をいい気分にさせるために誉めていないか?
この歌を誰かに聴かせたとき、責任は自分にあるとハッキリ言えるか?
ここでOKするのは彼らのためになるか?
人にものを教えるということは、葛藤の連続です。
だからこそ、奥が深くて、やりがいもあるのです。
今日のあなたの「落としどころ」は、適正でしたか?
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