「すごいミュージシャン」って何だ?
「すごいミュージシャン」というと、
どんな人が思い浮かぶでしょうか?
派手なスーパープレイを連発する人?
変拍子などの難曲を苦もなく弾いてしまう人?
譜面を見るなりスラスラと間違えることなく演奏できる人?
早弾きの名手や手数の多い人?
それともテレビや雑誌などでの露出が多い人でしょうか?
もちろん、「すごい」なんて評価に基準があるわけはありません。
ジャッジするのはあくまでも聞き手個人の主観です。
ですから、いつものように、独断と偏見で言ってしまうと、
すごいミュージシャンって、
理屈やテクニックを越えて、
無条件に、聴く人を夢中にさせる
「なにか」がある人のことなのではないか?
譜面なりお手本なりがあって、
ある程度準備に時間をかけられれば、
よほどひねくれた曲や難曲でない限り、
それなりのレベルで弾ける、歌えるのがプロというもの。
その、誰でもそれなりのレベルでできることを、
おぉ、カッコいい・・・。
すっげぇ・・。
と思わせてしまうのが、「すごいミュージシャン」。
お手本通りの、
練習すれば誰だって弾けるような、
お行儀のいいプレイとは違う。
かといって、奇をてらって、
突拍子もないことをしたり、
自分の凄いところを見せつけようと、
自己主張しまくるプレイとも違う。
スーパープレイが垣間見えることや、
早弾きが差し挟まれることがあったとしても、
それらはすべてオプションです。
曲を本質的に捕らえる力、
自分や曲の魅力を的確に表現し、伝える力。
グルーヴ。
そして出音。
試されるのは、そこなのではないか?
すごそうに見せることや、
派手に立ち回ることで、
違う形で感動を生む人はたくさんいます。
それはそれで、ひとつの「すごさ」かもしれません。
しかしね。
やっぱり音楽をやる以上、
当たり前のことを「すごい」の域に。
そんなミュージシャンと出会いたい。
そんなミュージシャンを目指したい。
そう考えるわけです。
◆毎朝お届けしている書き下ろしメルマガ【メルマガ365】。
連載もいよいよ後1ヶ月を切りました。ご登録は無料で、バックナンバーも読み放題です。ご登録はこちらから。
◆自宅で繰り返し、何度でも。ヴォイス&ヴォーカルのすべてが学べる【MTL Online Lesson12】。
関連記事
-
-
「これ、誰がOK出したの?」
仕事柄、たくさんのアーティストや、その卵たちから、 自主制作音源や、インディーズ …
-
-
「目立ってなんぼ」はさっさと卒業する
テレビは基本洋画一辺倒で、時折ニュースをつけるくらいです。 ワイドショーもドラマ …
-
-
「生みの苦しみ」
作品をつくり出すことは、非常に苦しい作業です。 例え …
-
-
ライブだ。リアルだ。フィジカルだ。
ざっくり数えても、生まれて初めて人前で演奏した高校2年の文化祭から、1000回は …
-
-
「ダメ出し」こそが、プロの技を試される仕事なのだ
他人にダメ出しをする人には、 自分のためにダメ出しをする人と、 相手のためにダメ …
-
-
極度の緊張に負けない自分になる|本番で力を発揮するコツ
「極度の緊張」のため、肝心な舞台でしくじる。 舞台度胸がないとか、練習が足りない …
-
-
「あ!あれね」
人気コメディアン、マイク・マイヤーズ主演、 『ウェインズ・ワールド』という映画の …
-
-
リズムが悪いと言われたら真っ先にすること。~Singer’s Tips#10~
「リズムが悪い」と言われた時、 真っ先に点検すべきは、 点=ビートを捕らえられて …
-
-
1度きり、しかも1曲だけしかチャンスをもらえないとしたら?
「ちょっと歌ってみて」 長年自分の歌を認めて欲しいと思っていた人に …
-
-
「こんなもんでいいか」の三流マインドを捨てる!
ニューヨークのドラムフェアで、世界的に有名なドラマー、テリー・ボジオのクリニック …

