「すごいミュージシャン」って何だ?
「すごいミュージシャン」というと、
どんな人が思い浮かぶでしょうか?
派手なスーパープレイを連発する人?
変拍子などの難曲を苦もなく弾いてしまう人?
譜面を見るなりスラスラと間違えることなく演奏できる人?
早弾きの名手や手数の多い人?
それともテレビや雑誌などでの露出が多い人でしょうか?
もちろん、「すごい」なんて評価に基準があるわけはありません。
ジャッジするのはあくまでも聞き手個人の主観です。
ですから、いつものように、独断と偏見で言ってしまうと、
すごいミュージシャンって、
理屈やテクニックを越えて、
無条件に、聴く人を夢中にさせる
「なにか」がある人のことなのではないか?
譜面なりお手本なりがあって、
ある程度準備に時間をかけられれば、
よほどひねくれた曲や難曲でない限り、
それなりのレベルで弾ける、歌えるのがプロというもの。
その、誰でもそれなりのレベルでできることを、
おぉ、カッコいい・・・。
すっげぇ・・。
と思わせてしまうのが、「すごいミュージシャン」。
お手本通りの、
練習すれば誰だって弾けるような、
お行儀のいいプレイとは違う。
かといって、奇をてらって、
突拍子もないことをしたり、
自分の凄いところを見せつけようと、
自己主張しまくるプレイとも違う。
スーパープレイが垣間見えることや、
早弾きが差し挟まれることがあったとしても、
それらはすべてオプションです。
曲を本質的に捕らえる力、
自分や曲の魅力を的確に表現し、伝える力。
グルーヴ。
そして出音。
試されるのは、そこなのではないか?
すごそうに見せることや、
派手に立ち回ることで、
違う形で感動を生む人はたくさんいます。
それはそれで、ひとつの「すごさ」かもしれません。
しかしね。
やっぱり音楽をやる以上、
当たり前のことを「すごい」の域に。
そんなミュージシャンと出会いたい。
そんなミュージシャンを目指したい。
そう考えるわけです。
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