大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

”飽きない”。”慣れない”。”手を抜かない”。

   

何年やっている曲でも、
自分自身がその曲と向かい合うたびに、
新しい発見があったり、
新たな感動を取り出せる曲というのがあります。

オリジナル曲でも、カバー曲でも、
そういう曲こそが、自分にとって生涯の友となる曲。

何度歌っても色あせることのないパッションをもって
人に届けることができる。

そんな曲と何曲出会えるか、
そんな曲を何曲書けるかが、
音楽家として、ヴォーカリストとして、
鮮度を失わずに人前に立ち続けられるかどうかを、
大きく左右するものです。

 

同時に、自分が演奏する、歌う曲に対する態度というのも、
常に試されています。

 

ひとつのことを10年も20年も続けていれば、
誰だって、勘や手癖で、
ある程度のことはできるようになります。

「あぁ、いつものあの曲ね。」
「よくやってる、あの曲みたいに歌えばいいのね。」

どんなに優れたシンガーでも、
プレイヤーでも、
そんな甘えやおごりがあっては、
新鮮なプレイ、感動的なプレイを届けることはできません。

 

何十年もの間、
毎日、店の看板メニューを自ら食し続けたという、
名店の店主の話を聞いたことがあります。

何年も、何十年も、毎日食べても美味しいと感じられるか。
そんな自分の店のメニューに対するこだわりと愛情。

どんな油断も排除して、
常に厳しく看板メニューに向かい合おうというストイックさ。
 
自分の気持ちの鮮度を保つために、
あれこれアレンジしたり、アドリブしまくったり、
ということではない。

次から次へと新メニューを開発すれば、
結局看板メニューも定番メニューも生まれません。

 

「いつものあれ」を求めて来るお客さんに、
常に、新しい感動や興奮を与え続けられるかどうか。

 

本物のプロフェッショナルは”飽きない”。

本物のプロフェッショナルは”慣れない”。

本物のプロフェッショナルは”手を抜かない”。
何度でも自ら言い聞かせたいことばです。

◆10月29日(日) 鹿児島にて【MTLワークショップ in 鹿児島】を開催します。
◆コアでマニアックなネタを中心に不定期にお届けしているヴォイトレ・マガジン『声出していこうっ!me.』。限定公開のレッスン映像もごらんいただけます。購読はこちらから。
◆自宅で繰り返し、何度でも。ヴォイス&ヴォーカルのすべてが学べる【MTL Online Lesson12】。
次期受付開始は今しばらくお待ちください。

 - The プロフェッショナル, 音楽

  関連記事

「うまい」ってのは、ほめ言葉じゃない。

「うまいね」って言われたら、まだまだだと思え。 常日頃、人に、自分に言いきかせて …

レッスンでは、トレーナーの「アーティスト性」は無用どころか、邪魔なんだ。

レッスンの折には、多かれ少なかれ、 生徒たちに、歌を歌って聞かせるシーンというの …

「圧倒的な安心感」をくれるプレイヤーの条件

魅力的なプレイヤーたちとのパフォーマンスはドキドキ感の連続です。 心地よい音色と …

人に認めてもらえない3つの理由

趣味で、仕事で、コミュニティで、 認められたいのに、認められない。 自分は認めら …

「もっと心をこめて歌ってよ」!?

「歌は心」的な話は苦手です。 心をこめて歌おう、 情感たっぷりに歌おうとがんばる …

自分との約束

プロフェッショナルやスペシャリストを志すとき、大切なことはシンプルなことばかり。 …

「仕事ができない」と言われる人にはワケがある

どんな人が「仕事ができる人」と呼ばれるかは、 業界によって、少しずつ違います。 …

no image
オトナなんて怖くない。〜アーティストたちの「大物」エピソード〜

これまで、たくさんのアーティストやその卵たちの指導をしてきました。 関係者の方た …

『ライブ前に自分に問うべき10のことば』

ライブ直前、自分のブログを読み返していると、 なんだか胃が痛いような気持ちになり …

発信こそ、最大の防御。「知的財産」を守るということ。

「知的財産権」ということについて、このところ、いろいろな人と話をしています。 日 …