「あ!あれね」
人気コメディアン、マイク・マイヤーズ主演、
『ウェインズ・ワールド』という映画の中の、楽器店での一コマ。
ストラトキャスターの試奏をしようと、ウェインが
“Stairway to heaven”(天国への階段)のイントロを弾こうとした瞬間、
店員が慌てて制し、店の壁に掲げてあるサインを指さします。
“No Stairway To Heaven”!(『天国への階段』禁止)
ハードロック好きのギターリストなら、
必ずといっていいほど練習したこのイントロ。
ものすごく簡単に弾けるのに、
それでいて、キャッチーで、魅力的。
そして、「お。ZEPじゃん」と言ってもらえる、
ちょっと自慢できるアイテムなんですね。
はい。もちろん、私も、弾いてました。
実際にはこの映画の中でつかわれているリフは
『天国への階段』のイントロとは似ても似つかないものですが、
ウェインが押さえているギターのポジションで、
「あ!あれね」とみんながわかってしまう・・・。
ある特定のバンドのファンが、
そのバンドの曲を一瞬で言い当てるというはあるでしょうが、
全世界で200億円もの興行収入をたたき出した映画の視聴者の大部分が、
「あ!あれね」というのは、ものすごい神度です。
同じような爆発的なパワーのある曲、イントロは、例えばなんでしょう?
世代よってばらつきはあるでしょうが、
たとえば60〜70年代ロックなら・・・
ビートルズの『ハードデイズ・ナイト』。
おなじみ『スモーク・オン・ザ・ウォーター』。
ジミヘンの『パープル・ヘイズ』。
ジェフ・ベックの『ブルー・ウィンド』
(あ。マニアック?だってハイハットだけでわかるってすごい!)
ローリング・ストーンズ『サティスファクション』
ジョン・レノンの『イマジン』・・・etc.etc.
メロディ、コードだけでなく音色や、録音の雰囲気のすべてが、
その曲を象徴する”サウンド”として脳裏に刻まれています。
そんな音楽を創り出したアーティストたちもすごいけど、
そんな音楽が生まれた時代もすごい。
そして、そんな音楽に出会えた、ときめいた、
自分の幸運に感謝しています。
あなたにとって、
かかった瞬間に「あ!あれね」とわかる曲はなんですか?
関連記事
-
-
ねつ造できない感動が、人の心を動かす。
How じゃなく、Why。 このブログでも幾度となく取り上げてきているこの命題は …
-
-
なんだ、カラオケって、楽しいじゃんっ!
あたくし、今さら言うのもなんですが、 実は、カラオケが大の苦手でした。 これ、ミ …
-
-
80sを語ったっていいと思う
少し前、学生に「最近どんなの聞いてるの?」と質問したら、 「僕、結構古い音楽が好 …
-
-
「無能な奴はロックをやれ」
ず〜っと見たかった、『セッション』という映画を見ました! 音楽映画 …
-
-
譜面も歌詞カードも、電子化してファイリングが正解!
仕事柄か、習性か、紙の資料がびっくりするほど増殖します。 ライブやレコーディング …
-
-
「大きい音」を扱うのって、テクニックがいることなんですぞ。
「ラウドな音楽をやっている」と言うと、 デリカシーのない、 雑な演奏をしていると …
-
-
テクノロジーは「交通手段」のように 付き合う。
歌を志した21〜22才くらいから、 周囲のおとなミュージシャンたちのオススメに素 …
-
-
音楽をやる理由?
自分とおなじくらい「音楽に夢中」という友達に出会えないことが、 学生時代の悩みで …
-
-
「音楽の楽しみ方は自由」って言いますけど。
1970年代。 世界的アイドルとなったベイシティローラーズ。 日本公演が決まって …
-
-
すべては「可能」であり、「正しい」は自分が決めるのだ。
「クラシック」という音楽のイメージに、 ヨーロッパ的華やかさと優雅さを重ね、 妄 …
- PREV
- 「最後に頼りになるのは自分の耳!」って、言いたい。
- NEXT
- 「機材がない」を言い訳にしない。