大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

「最後に頼りになるのは自分の耳!」って、言いたい。

   

世の中には、耳のいい人というのはいるものです。

 

バンドがどんがらがらがっちゃ〜ん、みたいな音量で演奏しているのに、
「え〜と、30小節目のギターとキーボード、ぶつかっているんだけど」とか、
「ギターの3弦のチューニングが気持ち悪いから」とか、瞬時にわかっちゃう人。

 

私自身、本格的に楽器をはじめたのは中学になってから。
高校生になるまで、「聴音」ということばすら知らなかったくらいですから、
ある程度の相対音感が身につくまでは、相当苦労しました。

 

ですので、耳のいい人は、いまだにちょっと怖い。

絶対音感の人には、コンプレックスすら感じます。

 

絶対音感とは、コップをチーンってしただけで、
「あ、A♭だね。」な〜んて音の高さがわかってしまう人。

会話が音符で聞こえるという人もいます。

 

絶対音感に関しては、生まれつき説や、
2~3才頃の英才教育説など、あるようですが、

どちらにしても、ある程度の年齢を越えたら、
脳の性質上、どんなに努力をしても身につけるのは無理、といわれています。

 

この絶対音感があるかないかで、
有利不利の差が歴然と出る楽器もあると言われていますし、

楽器をつかわずにすらすら譜面が書けたり、
音を瞬時に聞き取れたりと、持っていると何かと便利なもの。

絶対音感の人たちは、音楽の世界ではエリートに属するといえます。

 

じゃあ、「耳の負け組」は、音楽家としても負け組になってしまうのか・・・?

というと、意外に、そうでもないようです。

 

学生時代のバンド仲間に、
「あの人は絶対音だから」と噂されていたヴォーカリストがいましたが、
ピッチも歌自体もものすごく残念なのに驚いたことがあります。

 

また、とあるソロヴォーカリストが大勢出演するイベントのリハーサルで、
バンドがキーを変えているのに気づかず、
自分1人「譜面通り」の音で歌っちゃったという、
超ツワモノ「絶対音」歌手にあったこともあります。

 

「ヴォーカリストに絶対音は邪魔なだけ」ときっぱりと言い切る、
絶対音感を持ったミュージシャンもいました。

 

実際、クラシックの世界のことなどはわかりませんが、
少なくとも、ポップス、ロックの世界では、
絶対音感の人は、やはり珍しい。

 

 

絶対音感があるということと、
よいシンガー、よいプレイヤーであるということは、
イコールではないようです。

 

もちろん、持って生まれた才能ですから、
絶対音感の方には、どんどんその才能を生かしていただきたいし、
恩恵にあずかってもらいたいと思いますが、

 

なによりも、大事なのは相対音感。
そして、自分自身のプレイの精度をジャッジする耳。

 

これらは、学習速度の差こそあれ、
訓練すればいくらでも鍛えられるはず。

 

めげず、くさらず、地道にがんばりましょうね。

こちらの記事も参考にどうぞ。
『音楽家なら必ず鍛えたい「耳」のお話』

29570272_s

 

 - 「イマイチ」脱却!練習法&学習法

Message

メールアドレスが公開されることはありません。

  関連記事

理屈は後付け。

先日の『イケてないロック・ヴォーカルは、なぜイケてないのか?』、 たくさんの方に …

「私のカラダはギターには向いていないんだ・・・」

高校時代、ギターリストを目差していた頃のお話。 クラプトンに憧れて、黒いストラト …

リズムの「点」に意識を向ける

リズムのある音楽には、必ず「点」がある。 これが、私の解釈です。   …

「正しく気づけない」から上達しないのだ

「神は細部に宿る」と言われます。 細部の大切さは誰もがわかっているはずなのに、 …

大きな声を出せないときに、やるべきこと。

各地で次々と緊急事態宣言が解除され、 コロナ自粛も出口が見えてきました。 とはい …

「あなたのアイドルは誰ですか?」

「あなたのアイドルは誰ですか?」   いえいえ。 今日は、「ルックスが …

英語の歌詞が聞き取れない!?

かつて、日本で発売される洋楽のレコードには、 ジャケットと同じ大きさの、大判の歌 …

「どうせ向いてない」を変える3つのプロセス

楽器の練習や歌の練習、パフォーマンスや創作活動がうまくいかないとき、 自分がどう …

クリスマスソング、何曲ちゃんと歌えますか?

Merry Christmas!   クリスマスのうきうき感は、 イル …

no image
「リズム感がない」なんてことばをつかわない!

レッスンの話をもっと書きたいと思っていても、 なんだか、生徒やクライアントさんの …