人間がカラダをつかってやることの基礎って、すべて同じなんだ。
うん十年ぶりにスキーというものに出かけてきました。
ぶっちゃけ、学生時代に友だちに引きずられるようにして、
2回、もしくは3回くらい出かけたものの、
全く好きになることのないまま、うん十年。
正直、もう一生スキー場に行くことさえないであろうと、予言していたほどでした。
ところがです。
今回は全く違っていました。
スキーが楽しいのです。
そして、滑れちゃうのです。
(あ。なにを滑れると言うかは、私の基準ですよ。あくまでも。)
もちろん、春スキーとは格段に違う雪質の良さはあったとして、
そして、一緒に行った友人の的確なインストラクションはあったとして、
それでも、なんでも、
うん十年前はまったくわからなかった
重心やら、体幹やら、バランスやら、
そんなことが、カラダレベルで納得できちゃう自分がいて、びっくりしました。
運動なんだから、若い頃の方がずっとずっと習得は速いはずなのに。
そしてもちろん学生時代だって、
そこそこインストラクションしてくれた人はいたはずなのに。
どうやら、学生時代の私と今の私とでは、
カラダのバランスが全然変わったようなのです。
そういえば・・・
こどもの頃から、
内股の、O脚の、と言われていた私。
20代前半までは、
カラダがリズムに乗っかれていなくて、動きが変。
と言われたことも、
「みーちゃんは猫背だから、踊りがかっこ悪い」
と言われたこともあります。
やがて、整体治療に通い、
ジャズダンスをはじめ、
エアロビクス、筋トレ、ジョギング、水泳、ヨガ・・・などなど、
さまざまなトレーニングを受け、
歌う時のフォームの修正を重ね・・・
カラダのバランスが整って、
人に、「姿勢がいいね」と言われるようになった頃から、
歌う事が格段に楽になり、
顔やカラダの力も抜けるようになりました。
踊ることも、走ることも、(そしてスキーも!)
楽しく、楽に、できるようになりました。
姿勢とインナーマッスル、そして、カラダのバランス。
人間がカラダをつかってやることって、
歌う事も含め、すべての運動の基礎って、同じなのね。
カラダの基礎があるから、
目の前の人の動きをなぞることができる。
ことばで聞いただけで「コツ」を理解できる。
動かしたいと思うように、カラダが動いてくれる。
コツがわからない、
テクニックが身につかない、と悩む前に、
まずは、カラダの基礎力を上げること。
基礎トレーニングの本当の意味って、
そこにあるんですね。
ヴォイトレ・マガジン明日発行します。
明日のトピックは【歌う筋肉を鍛えるスポーツ】
購読はこちらから。
関連記事
-
-
「迷い」に耳を貸さない覚悟
「これだ!」と閃いて、 ワクワクはじめたはずなのに、 なぜかうまくいかない、 こ …
-
-
鏡を見ない!?
何年か前、女優の黒木瞳さんが、 その美しさの秘訣を聞かれて、 家では鏡を見ない、 …
-
-
学習は、頑固で怠惰な自分の脳との戦いだ!
本来外来語であることばを、 そのまま日本語の音に置き換えただけの「カタカナ語」。 …
-
-
「自分の声の地図」を描く
「あなたの音域はどこから、どこまで?」 「え?」 「高い方はどこまで出るの?下は …
-
-
何がやりたいかわかんない人に教えるのが一番ムツカシイ。
たいがいの無理難題は受けて立つタイプですが、 レッスンを担当することになって、な …
-
-
英語の歌詞って、どうやって覚えるの?
「歌詞を覚える」というのは、ある種の習慣です。 何を当たり前と思うか、という気構 …
-
-
基本中の基本!「コーラス3原則」
コーラスということばに抱いている印象は、 その人の音楽経験によって違うでしょう。 …
-
-
「違和感」を放置しない。
私たちの脳は毎秒1000万ビット以上の情報を処理できると、 神田昌典さんが書いて …
-
-
音楽家なら必ず鍛えたい「耳」のお話
耳を鍛えることは、 曲を理解する上でも、楽器や歌の技術や表現力を磨くためにも、 …
-
-
自意識の暴走を屈服させる
ボーカリストも、ミュージシャンも、役者も、ダンサーも、 おそらくはパフォーマーと …
- PREV
- どんなに「ふり」をしても、オーディエンスは一瞬で見破るのです。
- NEXT
- 「自然体」を演出する。