「練習が嫌いなんじゃない。「練習をはじめること」が嫌いなんだ。
以前、プロで活躍していたという元スポーツ選手と話していて、
「今でも、毎朝、ジョギングからはじまる一連のトレーニングは欠かしたことがないです」
と言うので、
「やっぱりスポーツ選手になる人っていうのは、
カラダを動かすのが好きなんだよね」と言ったら、
「いやいや。練習なんか、嫌いです。
トレーニング好きなやつなんか、いないっす」と言っていて、
あぁ、みんな一緒なんだな、と思わずホッとしました。
練習しなくちゃ、と思う時くらい気が重くなることはありません。
曲覚えなくちゃ、歌詞覚えなくちゃ、声出ししなくちゃ、
と言うときの、「やらなくちゃ感」がたまらんのです。
そもそも、よっしゃと、リビングを離れて、
音楽室にこもるということだけで、ものすごいエネルギーがいります。
いや、そこが、一番しんどい。
練習って、はじめるまでが、一番大変なんですね。
そういえば、シゴタノ/大橋悦夫さんも、
『毎朝ジョギングしてますけど・・・」と言いながら、
「毎朝、雨降ってればいいな、って思うんですよ。
でも、晴れてるんですよね。
朝起きて、ダイニングの椅子に座っちゃうと行くの嫌になっちゃうから、
自分の椅子の上にトレーニングウェア置いてあるんです。
それを着なくちゃ椅子に座れないから、仕方なく着る。
トレーニングウェア着て椅子に座るのも変だから、
とりあえず外に出る。
走り始めると、最後まで、走りたくなるんですよね。
なんでも、しくみです。」
と言っていたっけ。
そう。
はじめるとね、あっという間に時間が経ちます。
気づけば予定時間はとっくに過ぎて、
ああ、もう1時間くらい練習したい、とか、
仕事行かないで歌ってたい…となるのはいつだって同じ。
私たちが嫌いなのは、
練習そのものじゃなくって、
練習をはじめること、なんですよね。
「はじめる」という、
大きな関門を越えさえすれば、
最後までやりきれる。
好きなことって、そういうものなんですよね。
ちなみに私は、練習やトレーニングのように、
はじめるのに、ものすごくエネルギーの要ることは、
朝起き抜けにやることにしています。
起きるなり、ヨガ。
起きるなり、音楽室に入る。
ちょっと気合のいる仕事も、みんな起き抜けです。
雑念が起きる余地なく自動的にカラダが動くタイミングというのが肝です。
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