「音楽の楽しみ方は自由」って言いますけど。
1970年代。
世界的アイドルとなったベイシティローラーズ。
日本公演が決まって、同級生はみな、大騒ぎでした。
私は当時、すでにビートルズに目覚めていて、
「音楽はビートルズとそれ以外」と考えていたくらい、
極端なビートルズLOVER♡
キャーキャー騒ぐ同級生たちの気持ちは、
ほとんどわかりませんでした。
とはいえ、毎日ラジオから流れくる彼らの曲には、
自然と口ずさんでしまうようなキャッチーでいい曲がたくさんあり、いつの間にか私も、ローラーズの曲を聞くようになっていました。
中でも、ジョン・ポール・ヤングのカバー『イエスタデイズヒーロー』というハードな曲が大好きになって、その曲を生で聴いてみたい、どんな風にギターを弾いているのか見たい、という一心で、友達と一緒に、生まれて初めて、武道館に出かけたのです。
しかし、です。
ベイシティーローラーズがステージに登場した瞬間から、
会場は、それはもう耳をつんざくような金切り声の嵐。
ギターの音どころか、ヴォーカルの歌さえまともに聞こえません。
“S・A・TUR DAY Night!”
と聞こえなくちゃいけないのに、
“Sきゃあああああああああ
れすりぃ〜〜〜〜〜っっっっAY Niぎゃああああああああ!”
です。
これには、ひっくり返りそうになりました。
な〜んにも音楽が聞こえなかったのに、
翌日の朝まで耳がみ〜〜んと言っていました。
おまけに、翌朝学校では、同級生たちに、
「MISUMIったら、じーっと席に座ったまんま、オペラグラスで食い入るようにステージ見ちゃってさぁ・・・」
(実際にはほとんど、女の子たちの頭しか見えていませんでしたが)と、軽く変人呼ばわりされたりしました。
音楽の楽しみ方って言うのは、
もう、本当にいろいろだなぁと、感心したものです。
何年も前にひとりで出かけた、
イギリスの某ロックバンドのコンサートでは、
早めにライブハウスに着いて、
ステージ真っ正面のど真ん中の柵の前に陣取りました。
ところが、演奏が始まるやいなや、
後ろから雪崩のように人が押し寄せて、
柵にお腹を押しつけられ、呼吸さえ困難になりました。
おまけに上からどさどさ人が降ってきて、
あまりの恐ろしさに、命の危険を感じ、
結構なお値段を払ったコンサートでしたが、
早々に帰ってきてしまいました。
こうなると、音楽を楽しみに来ているのか、
欲求不満をフィジカルに解消したいのか、
よくわかりません。
音楽の楽しみ方はいろいろ。
それもいいでしょう。
でもね。人の迷惑、考えなくちゃ。
いい大人なんだから。。。
さて。
一昨日、『山下達郎 ライブで大声で歌う客に苦言』というYahooニュースを見ました。
あ。。。。
記事を読むうち、強烈な胸の痛みに襲われました。。。
心当たりあることが多すぎて、いちいち書けません。
正直、聞こえてるとか、迷惑になっているとか、
そういう意識はなく。。。むにゃむにゃむにゃ。。。
PAからものすごい大きい音出てるから、
他の人には私の声とか聞こえるなんて、
想像もしてなくて。。。むにゃむにゃ。。。
なにを言っても、言い訳にしかなりません。。。
あぁ、反省。
音楽の楽しみ方はいろいろ。
みんな、楽しみたくてコンサートに行くのだから。
守るべきマナーはちゃんと守らなくっちゃ。。。
肝に銘じます。

◆ 6日間12ユニットでヴォイス&ヴォーカルトレーニングのすべてを伝える、【第4期 MTLヴォイス & ヴォーカル レッスン12】お申し込み受付中。
◆通えないという理由でレッスンをあきらめていた方のために【MTL Online Lesson12 10月生受付中!】
◆コアでマニアックなネタを中心に不定期にお届けしているヴォイトレ・マガジン『声出していこうっ!me.』。限定公開のレッスン映像もごらんいただけます。購読はこちらから。
関連記事
-
-
「へたくそな自分」を楽しむ
一昔前までは、 『NHKのど自慢』に登場するような、 歌好きのひとたちって、 も …
-
-
”飽きない”。”慣れない”。”手を抜かない”。
何年やっている曲でも、 自分自身がその曲と向かい合うたびに、 新しい発見があった …
-
-
表現力ってなんだよっ!
「いやー、ベッドミドラーは、ほんっとに表現力が素晴らしいよね」 修業時代、 当時 …
-
-
「無能な奴はロックをやれ」
ず〜っと見たかった、『セッション』という映画を見ました! 音楽映画 …
-
-
いい音を聞くのだ!
「最初に手にする楽器がいい楽器だと、上達は圧倒的に早い。 だから、こどもにはでき …
-
-
感情も情熱も当てにならない。システムなんかじゃ、いい音楽は生まれない。
感情には波がある。 情熱もやがて冷める。 だから、何事も継続するに …
-
-
「売れてるもの」が嫌いな人は「売れない人」?
あまのじゃくなのか、変人なのか、 こどもの頃から、 「みんなが好き」というものに …
-
-
人はみんな、違うのだ。だから、おもしろいのだ。
音楽というのはある種のトリガーで、 サウンドやフレーズや声が 感情とか記憶とか、 …
-
-
今は昔、「スタジオ」というマジック。
私がスタジオのお仕事をはじめた80年代。 レコード会社や制作会社からお仕事を引き …
-
-
だから、「でかい声」を出したいわけじゃないのよ。
お年寄りが大きな声で話すようになったら、耳が遠くなってきたことを疑えといいます。 …