「無能な奴はロックをやれ」
ず〜っと見たかった、『セッション』という映画を見ました!
音楽映画であるにも関わらず、やたら刺激的な映画で・・・
と、はじめると、A面みたいになっちゃうので、
ここではあえて、映画のことについては触れません。
興味のある方には是非ごらんいただくとして。
「無能な奴はロックをやれ」という、今日のタイトルは、
超絶技巧と言われたジャズドラマー、バディ・リッチの写真と共に、
映画の中に登場するポスターに書かれていることばです。
(バディリッチのことばのようですが、定かではありません。)
長年、人間をやっているとしみじみ思うのは、
人は、自分が心酔し、一所懸命やっていることを、
重要なことであると感じるものだということ。
多かれ少なかれ、
自分は有能で、他の人にはわからないことがわかっていて、
だから、自分は重要人物であると、認められたいもの。
そして、その傾向は年齢を重ねるごとに、
地位が高くなるほどに、強くなっていくということ。
人は自分の価値基準で物事を見るもの。
他人の目で世の中を見ることは不可能なのだから、
それは仕方ないことですね。
超絶技巧のジャズプレイヤーの中には、
ロックは誰でもできる簡単な音楽と考える人もいるでしょう。
ジャズをやる技量がないから、
ロックをやってるんだと考える人もいるかも知れません。
それって、実は、
毎日「カネ、カネ」と騒いでいる人は、
お金を持っていない人は、能力がないからお金を持てなくて、
だから不幸だ考える。
一流大学に入ることがすべてと考える人は、
東大に入らないのは、東大に入る能力がないからだと考える。
みたいなのと似ている気がします。
理論やテクニックを死に物狂いで練習しなくても、
誰でもそこそこ演奏できるのがロックのいいところ。
シンプルな音楽に、
自分の情熱や感情をストレートにぶつけられる潔さ。
そして、胸のすくような圧倒的な、「ロック的」なカッコよさは、
ロックならではのもの。
「無能な奴はロックをやれ」
と言われたら、
はい。無能なんでロックやってますけど、なにか?
(Yes,I am playing in a rock band because I don’t have ability of ….what?)
な〜んて、やさぐれるのが、またロックでカッコいいんですけどね。
関連記事
-
-
いい音の楽器と歌うから、いい声になる
子供の頃から生ピアノの音が大好きで、 ピアノ可物件にこだわって引っ越ししてきまし …
-
-
「いつはじめるか」じゃない、 「いつまで続けるか」が重要なのだ。
「やっぱりピアノは幼稚園くらいからはじめないと、モノにならないわよ。」 &nbs …
-
-
「人前で歌うとき」の理想的な状態
人前で歌うとき、パフォーマンスするときに、 重要だと考えていることは3つあります …
-
-
オリジナリティ
「オリジナリティにこだわってるんで。」 と、オリジナル曲をやっているバンドや、 …
-
-
カッコよければなんだっていいじゃん。
歌を指導する立場にいながら、 口が酸っぱくなるほど言い続けていること。 「カッコ …
-
-
「へたくそな自分」を楽しむ
一昔前までは、 『NHKのど自慢』に登場するような、 歌好きのひとたちって、 も …
-
-
音楽の価値って?
「いやぁ〜、サードに針落とすとさぁ、 『移民の歌』のイントロの前に、うっすら聞こ …
-
-
「すごいミュージシャン」って何だ?
「すごいミュージシャン」というと、 どんな人が思い浮かぶでしょうか? 派手なスー …
-
-
「私の歌って、どうですか?」
「自分の歌ってどうなんだろう?」 歌う人誰もが一番知りたいのってそこなんだなと、 …
-
-
人はみんな、違うのだ。だから、おもしろいのだ。
音楽というのはある種のトリガーで、 サウンドやフレーズや声が 感情とか記憶とか、 …
- PREV
- 自分が自分であることの奇跡
- NEXT
- この子、「化ける」かもしれません。