大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

「無能な奴はロックをやれ」

   

ず〜っと見たかった、『セッション』という映画を見ました!

 

音楽映画であるにも関わらず、やたら刺激的な映画で・・・

と、はじめると、A面みたいになっちゃうので、
ここではあえて、映画のことについては触れません。
興味のある方には是非ごらんいただくとして。
「無能な奴はロックをやれ」という、今日のタイトルは、
超絶技巧と言われたジャズドラマー、バディ・リッチの写真と共に、
映画の中に登場するポスターに書かれていることばです。

バディリッチのことばのようですが、定かではありません。)

IMG_4757

 

長年、人間をやっているとしみじみ思うのは、
人は、自分が心酔し、一所懸命やっていることを、
重要なことであると感じるものだということ。

 

多かれ少なかれ、
自分は有能で、他の人にはわからないことがわかっていて、
だから、自分は重要人物であると、認められたいもの。

 

そして、その傾向は年齢を重ねるごとに、
地位が高くなるほどに、強くなっていくということ。

 

人は自分の価値基準で物事を見るもの。

他人の目で世の中を見ることは不可能なのだから、
それは仕方ないことですね。

 

超絶技巧のジャズプレイヤーの中には、
ロックは誰でもできる簡単な音楽と考える人もいるでしょう。

 

ジャズをやる技量がないから、
ロックをやってるんだと考える人もいるかも知れません。

 

それって、実は、

毎日「カネ、カネ」と騒いでいる人は、
お金を持っていない人は、能力がないからお金を持てなくて、
だから不幸だ考える。

一流大学に入ることがすべてと考える人は、
東大に入らないのは、東大に入る能力がないからだと考える。

 

みたいなのと似ている気がします。

 

理論やテクニックを死に物狂いで練習しなくても、
誰でもそこそこ演奏できるのがロックのいいところ。

シンプルな音楽に、
自分の情熱や感情をストレートにぶつけられる潔さ。

そして、胸のすくような圧倒的な、「ロック的」なカッコよさは、
ロックならではのもの。

 

 

「無能な奴はロックをやれ」

と言われたら、

はい。無能なんでロックやってますけど、なにか?

(Yes,I am playing in a rock band because I don’t have ability of ….what?)

 

な〜んて、やさぐれるのが、またロックでカッコいいんですけどね。

 

 - 音楽

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


  関連記事

「へたくそな自分」を楽しむ

一昔前までは、 『NHKのど自慢』に登場するような、 歌好きのひとたちって、 も …

「すごい人」と、自分との距離。

どんな分野にも、すごい人というのはいるものです。 すごい人に出会う度に、自分の凡 …

なにこれ?こんなんでいいの?

20代前半まで、 アートなんて自分とは無縁のものだと思っていた私が、 ツアーのす …

ロック?メタル?ハードロック? (2)

昨年末から、「大人メタル合唱団」のお手伝いをしています。 BS日テレの『Hot …

「あ!あれね」

人気コメディアン、マイク・マイヤーズ主演、 『ウェインズ・ワールド』という映画の …

バンド世代 vs. カラオケ世代

こどもの頃から楽器を練習している人でも、 自分の楽器以外のことはわからないという …

ギターの6弦のチューニングは”E”と決まってる?

ギターの弦チューニングは6弦から、EADGBEと、決まってます。 ・・・ん? 決 …

「音楽の楽しみ方は自由」って言いますけど。

1970年代。 世界的アイドルとなったベイシティローラーズ。 日本公演が決まって …

感動を引き起こすのは、人の心に眠る「ストーリー」

学生時代、父と2人、よく軽登山に出かけたものです。 汗だくで、4〜5時間かけて、 …

いい音の楽器と歌うから、いい声になる

子供の頃から生ピアノの音が大好きで、 ピアノ可物件にこだわって引っ越ししてきまし …