音楽をどうやって聴くか?
言いたかないけど、レコードの時代に音楽に目覚めた私。
その後、さまざまな音楽メディアと付き合ってきましたが、
やっぱり原体験である、レコードとの付き合いが、
自分自身の音楽人生に一番の影響を与えました。
なにしろレコードは大きい。
そして高い。
しかも、物によっては、なかなか手に入らない。
だから手に入れた時の重みが違いました。
「元を取ろう」という気持ちが働くのもあって、
とにもかくにも何回も聴く。
歌詞カードをためつすがめつ、
ボロボロになるまで読みまくる。
洋盤を買ってしまって、
歌詞カードがついていなくて、愕然として、
レコードを貸している図書館をかけずり回って、
歌詞カードを探した・・・なんてこともあります。
しかもレコードは、
ちょちょいのちょいで聴けるようなものではありません。
私にオーディオのノウハウの手ほどきをしてくれた、
オーディオマニアの叔父の教えもあり、
とにかく丁寧に、大切に扱う癖がついていました。
(叔父は手書きの、
レコードの取扱マニュアルまでつくってくれました)
ステレオのヴォリュームはゼロにした状態で、
アンプのスイッチを入れる。
盤面を触らないように、レコードをそっと袋から取り出す。
プレイヤーに乗せて、盤面をクリーナーで掃除する。
人差し指でそっと針を持ち上げて、
レコードに、さらにそっと下ろす。
聞き終わったら、その都度、レコード針も掃除する。
もう、儀式です。
こんなたいそうな儀式を経てステレオから流れ出す、
貴重なレコードに録音された音楽。
叔父の教えにのっとって、
スピーカーとスピーカーの真ん中に座り、
時に一点を凝視して、
時に歌詞カードを見つめながら、
じーっと、身じろぎもせずに聴く、というのが、
私の音楽を聴くときのスタイルでした。
それでも先輩方からは、
曲に関する情報を知らな過ぎるとお叱りを受けることが多々あります。
自分なりにラジオを聴いたり、
雑誌を立ち読みしたりもしましたが、
だって、ライナーノーツくらいしか情報なかったし・・・
女子高で、まわりに音楽が分かる友達がいなかったし・・・
などと、ぶつくさ言うと、
君たちの時代は、まだいいんだ。
俺らの時代は・・・
君なんか東京生まれのくせに・・・
と、不便だった自慢がはじまり、
面倒なことになるので、
最近では、不勉強ですみません、と、
さっさと謝ります。
さて。
これはもう、時代の差なので、
どうしようもありませんが・・・
昨今の若者は、
ネットサーフィンやYoutubeサーフィンなどで曲を知る。
いいな、と思う。
何回か聴く。
以上。
曲の背景どころか、
タイトルも、アーティストも知らずに、
なんとなく曲を聴いている。
日頃、すごく音楽を聴いている風の若者に、
「最近、どんなの聴いてるの?」と言うと、
「まぁ、いろいろです。」という答えが返ってくる。
「いろいろって、例えば?」
「えーと・・・なんでしょう?なんだったかなぁ・・?
曲名とか、わかんないです。
いろいろ、流れるままに聴いている感じです。」
当然、フリーサイトで聴いています。
1円もお金を払わずに、
指先1本で、
時には触ることさえしなくても、
次から次へと音楽が流れ込んで来る時代。
創り手のこだわりも、思い入れも、
かつてと違う方向に向いていくのは無理もありません。
サージェントペパーズのようなアルバムは、
もう、生まれてこないのかな?
誰かがサージェントペパーズみたいなアルバムをつくったら、
みんなはどうやって聴くのかな?
時代が変われば音楽も変わる。
今の時代の若者の音楽とのつきあい方を、
受け入れ、理解しつつ、
どうやったら違う興味を抱いてくれるのか、
どうやったら一歩前に進んで聴く気持ちになるのかを考え、
伝えて行くのは、おとなたちの仕事です。
新学期がはじまります。
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