100万人と繋がる小さな部屋で。
デビュー前からヴォイトレを担当している、
アーティストのライブに行ってきました。
大箱のオールスタンディング型ライブハウスは超満員。
彼女の歌に乗って、会場全体が波打つように揺れていました。
トレーニングを担当するアーティストたちの、
そんなコンサートを
2階席、3階席から見下ろすとき、
心が打ち震え、自然と涙があふれます。
私の、この小さな部屋で、
彼らは、彼女たちは、
悩み、苦しみながら、
自分のカラダと、
時に向き合い、
時に反抗し、
時に抵抗しながら、
少しずつ折り合いをつけていきます。
やがて、その、カラダという、
あまりにも表現力豊かで、
謎めいた楽器と一つになって、
素晴らしい音楽を世の中に送り出していくのです。
この小さな部屋は、
彼らの歌をこれから耳にするであろう、
100万人の人たちと繋がっています。
100万人の人たちの心に届く声を持つ、
彼女ら、彼らが通り抜ける小さな部屋で、
私にできることは、
一ミリでも彼らの苦痛が和らぐように、
一瞬でも、彼らが心地よく歌える瞬間が続くように、
一グラムでも、彼らの心に自信と誇りを与えられるように、
自らの絶望的な無能さに腹を立てたり、
無力さに打ちひしがれたりしながら、
そして、時々、
彼らの胸のすくような声や、
輝くような笑顔に、
天にも昇る気持ちになりながら、
ただただ、祈るように、
全身全霊でトレーニングをするだけです。
まだまだできることはある。
まだまだやらなくちゃいけないことはある。
小さなことにくよくよしたり、
むしゃくしゃしたりしている、暇はない。
ともすれば、へこたれそうになる自分自身のお尻を蹴飛ばしながら、
今日も、真っ直ぐ前を向いて、進むのみです。
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