「学校なんかいくら通ったって、 人を感動させられる歌なんか歌えるようにならないだろ?」
音楽やりたい、バンドやりたい、と思った瞬間を覚えているでしょうか?
お兄ちゃんがギターを弾いていて、カッコいいなと思った。
あるアーティストの音楽雑誌の写真に、ドキドキした。
音楽番組を夢中で見るうちに、自分も無性にバンドをやってみたくなった。
・・・などなど。
人の数だけ、音楽をはじめたストーリーがあります。
しかし、どんなストーリーにも、その背景に、
必ず、ワクワク、ドキドキ、ドッカ〜ンという自分の感情の動きがある。
音楽は、人の心を動かすもの。
人の心を動かせなければ、
どんなにテクニック的に優れていようと、
どんなにサウンドが凝り倒していようと、
どんなに予算がかかっていようと、
やっぱりダメなんです。
反対に、
ピッチやリズムがボロボロだって、
発声がてんでなってなくたって、
オケも録音もしょぼしょぼだって、
人を感動させる音楽は、山ほどある。
上手くなる必要なんか、だったら、ないじゃん?
・・・じゃあ、なんで、私は練習するんだろう?
そんなジレンマを抱いていた大学生の頃、
たまたま食事で同席した初老の男性に、こんなことを言われました。
「歌は心だろ?
学校なんか通っていっくら勉強したって、
人を感動させられる歌なんか歌えるようにならないだろ?」
その時に、とっさに口をついて出た答えが、
今も私を引っ張っています。
「伝えたい思いがたくさんあって、
表現したいことがたくさんあって、
でも、ことばがなければ、
私はただ泣くしかない。
ただ笑うしかない。
音楽の表現方法を学ぶって言うことは、
自分の思いをきちんと届けるためのことばを手に入れること。
いつも、表現したいことが、
ちょっとだけ自分の表現できる能力を上回っていられるように、
だから、私は、技術と、
自分という人間の両方を、
磨いて行きたいと考えているんです。」
来る日も、来る日も、
少しでも多くの人に、
もっともっと短時間で学べる、
もっともっと効果的なヴォイストレーニングを提供するには、
どうしたらいいかと考えている日々です。
ときどき、なにやってるんだろうと、
自信を失いそうになることだってあるけど。
本当のゴールは、ヴォイトレの先にある。
そのゴールまでの道筋を、照らせる光になれたらいいな。。。
そして、自分自身も、
音楽と出会ったときの喜びや、
ヴォーカリストとしてのゴールを、
どんなときも忘れずにいたいな。
そんな風に思う、日曜日です。
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