「歌に必要なすべて」って何だ?
2022/11/24
一般の人向けの歌の講座って可能なのだろうか?
2015年9月、休暇でニューヨークへ向かう国際線の中で、
ぼんやりと、そんなことを考えていました。
それまでのMTLのお仕事の主軸は、
アーティストに特化したプライベートレッスン。
不定期に講演やビジネスマン向けのトレーニングはやっていましたが、
一般向けの歌の講座は考えていませんでした。
ずっと、プロフェッショナルであることにこだわってきた私です。
歌に関してはオタク中のオタク。
学校の授業というわけでもない、
育成アーティストというのでもない一般の人が、
こんな私のしつっこい話についてこられるのか。
お稽古事のように、エンドレスに通い続けるレッスンではなく、
数ヶ月という短期間限定で、しかも10名、15名という数の受講生を
「これで卒業、後は自分でがんばって」と、笑顔で送り出せるような講座。
受講生みんなに、大きな変化と感動を持って帰ってもらえるようなメソッドを組み立てることって、
一体全体、可能なのか?
そんな風に思い巡らすうち、やがて、
世の中には、ただの1度も歌を習ったことがなくても、
誰よりも素晴らしい歌を歌える人がいて、
どんなにレッスンや学校に通っても、
何年経ってもなかなか上達しない人がいる。
その差は一体何なんだろう、と考えはじめました。
やがて、ふと、
「自分で自分に教える力」ということばが、浮かんだのです。
そうか。
「自分で自分に教える力」があれば、トレーナーなんかいらないんだ。
その力を身につけるメソッドなら、
歌に必要なすべてを網羅しても、
短期間集中で伝えることは可能かもしれない。
私自身、音大どころか、音楽の専門学校も出ていません。
1年半だけ通った歌の学校も、週に2回のグループレッスンだけ。
歌に必要なことは、全部、完コピとバンドを通して、
いっぱい悩んで、考えて、試して、体験的に学びました。
つまり独学。自分で自分に教えてきたんです。
その方法論を、体系化すればいいのだと気づきました。
慌ててノートを広げ、
学ぶべき項目を書き並べてみたら、ちょうど12個ありました。
ノートの見開きを大きく12個に仕切って、
それぞれにタイトルをつけ、
ヴォーカリストとして培った基礎やスキル、
トレーナーとして、書き手として積み上げたノウハウを、
心に浮かぶまま、思いつくまま、どんどん書きこんでいきました。
これなら、一生に1度、学ぶだけでいい。
この力さえ身につけば、
自分だけで、ぐんぐん上達できるようになる。
いつでも、何度でも、その方法論にアクセスすることができるような、
テキストをつくろう。
MTLのコアメソッドとなるMTL12はこうして生まれました。
帰国後すぐにカリキュラムをまとめ、ダイジェスト版をローンチしました。
お申込開始とともに即座に満席になり、
キャンセル待ちが出た時は本当に感動したものです。
以来、2019年の12月まで、全8期の修了生を輩出しました。
テキストも冊子にしました。
オンライン教材もつくりました。
2020年の春、コロナに翻弄されて、9期開催を見送って以降、
思うように開催できない年月が続きました。
東京でのレッスンに抵抗を感じるという人もまだまだいるようです。
しかしね。
Show must go on です。
2023年3月には、
もう一度、一から出直す気持ちで9期を開催します。
私自身、新刊の執筆&制作期間を経て、大きく進化しました。
メソッドも、これまでのコアメソッドはそのままに、
大きくパワーアップしていきます。
全力を越える勢いでいくぜっ。
今の思いは、もうこればっかりです。
まさにこの翼の上で生まれたMTL12。心はもうすでに来年に飛んでいます。

MTLヴォイス&ヴォーカルトレーニングの詳細はこちらです。
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