大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

「暗闇が怖いなら、目を閉じてがむしゃらに進め!」

   

 

やったぁ〜〜〜\(^O^)/(雄叫び)

Onlineレッスンの最後の映像の編集が、
昨夜、や〜〜っと終わりました。

 

構想2年。
7時間X4回にわたって撮影した映像を、
107本=480分、約8時間分の映像に編集。。。

 


 

自分がオタクなのは薄々知ってましたが、
ここまでド変態だとは・・
手の甲には、編集ダコがテカリ✨と光っています。
 

今日はたいへん”私的”な、
「私がんばったよ」的な、
全然ためにならないブログを書いちゃいます。。

 

アーティストたちの声と歌を輝かせてきた✨MTLのメソッドを、
ひとりでも多くの人に届けたい!
強い思いでMTL12を立ち上げたのは2015年の秋。

受講生のみなさんが、めきめき実力をつけるようすを見るうち、
やがて、
「このメソッドを東京に通うことのできない人たちにも届けたい!」
という想いが沸き上がってきました。

 

世界中の“Online Lesson”や”Webinar”を
ググることからはじまった作業。

調べるほどに、
ヴォーカリストに必要な知識が網羅された、
MTL12のようなメソッドはどこにもなく、
半端のないミッション感に支配されていく一方で、

具体的に、何からはじめて、どうしたらいいか、という段階になると、
まさに途方に暮れました。

 

実際にMTL12でやっていることをOnline化できなければ意味がない。

かといって、レッスンをそのままパッケージにしたような教材は、
これまでもいろいろ購入して、試してみましたが、
どうも手抜き感がぬぐえない。

講師と参加者たちがコミュニケーションを取っている場面を見るほどに、
かえって、自分がそこにいないことで、
距離感を感じて、やる気が落ちてしまう。

しかも、扱うのは人のカラダ。声。
実際にコンタクトできなくても、部屋の共鳴を感じられなくても、
自分に語りかけてくれるような、
そんな教材でなければ、ダメなんだ。。。

 

実は、私、かつてはホームエクササイズ・オタクでありました。

スポーツジムに通っていた時期も多々あるのですが、
仕事が忙しくなると、自分自身に言い訳をしてサボりがちになる。

そこで、朝起きた瞬間にビデオやDVDをつけて、
とりあえずその場でエクササイズする、というのが、
基本オタクな自分に一番向いていることを発見してからは、

話題になったエクササイズビデオ&DVDを
ことごとく取り寄せ、毎日のようにエクササイズに励みました。

海外のエクササイズビデオは、実によくできています。

撮影も、編集も、音楽も素晴らしくって、
何より、見ているだけでも、美しくて、気分が上がる。
見ているだけで、なんだか痩せちゃうかも!と思わせる。

 

「こういうの、つくりたいな・・・」

 

根っからのクリエイター気質。
作品をつくりたいという想いがわき上がると、
もう歯止めがききません。

 

現実的に考えれば、問題は山積みでした。

 

企画をどこかに持ち込んで制作をしてもらうことも考えましたが、
90分12ユニットに詰め混んだメソッドのすべてを、
丸々映像化するなんて、オタッキーな企画が
そのまま通るわけもありません。

時間も予算もかかりすぎる上に、
内容がマニアック過ぎて、一般市場には向きませんから、

私のキャラクターや、
わかりやすい、一般の人も興味を持ちそうな部分にフォーカスした、
シンプルな教材をつくろうと、なることは目に見えています。

 

かといって、一体どんな長さになるのか、
検討もつかない教材を、
立派なスタジオをレンタルして、
映像スタッフを雇って、制作できるような、
予算があるわけもありません。

そもそも、
Online教材って、自分でできるのか?

つくったはいいけど、現実的に、
自分の会社で配信するなんてことが、可能なのだろうか?

 

真っ暗闇の中にいるのに、
頭の中のビジョンと想いだけは、きらっきら✨

 

普通なら、怖くて身動きできなくなるのでしょうが、
そこは、天性の頭の悪さ。

 

「暗闇が怖いなら、目を閉じてがむしゃらに進め!」

 

ケガしたって知れています。
今自分が持っている以上のものを失うことはないワケで・・・

徹底的な企画書を書いて、
しくみ作りの専門家のコンサルを受けました。
テクニカル面をサポートしてくれるスタッフとも出会いました。
(この辺はまた詳しく書きます)

 

システム面ではなんとかなりそうだとわかって、

撮影にふさわしいスタジオを探し当て、
ヘアメイクさんを押さえました。

カメラはジェフ夫さん。

上等なカメラのレンタルや、
照明機器のレンタルまですべて検討しましたが、
そこはシロウト撮影。

最近は普通のビデオカメラでも、そこそこの映像が撮れるよ、
というジェフ夫さんのことばを信じ、

 

家の照明から観葉植物から、
あらゆるものを持ち込んで、
ありったけの衣装も用意して、
弟子たちに協力してもらって、
最初の撮影に挑みました。

 

当初、映像編集は、
Final Cutをつかったことがあるという、
ジェフ夫さんにやってもらうつもりでした。

ところが、よく考えたら、
OKテイクがわかるのは私だけ。

編集を頼むにしても、しゃべりのここはいらないとか、
歌はこっちのテイクをつかってとか、
細かい指示を出さなくちゃいけません。

しかも、台本どおりにしゃべっているわけではなく、
アドリブあり、失敗あり、
説明の前後が入れ替わっててわかりにくいところあり・・・
つきっきりで、指示して編集してもらうくらいなら、
自分が映像編集を覚えてやった方がきっと早いな。。

 

そう思って、Final Cutのマニュアルを読みながら、
「あぁ、またはじまった。。」と自分にウンザリ。。。

 

最初にオリジナル曲の8曲入りデモをつくろうと思ったときは、
シーケンサーの使い方を学ぶところからはじめました。

やったこともない英詞の仕事を引き受けちゃったときは、
ライミングの辞書を買いに走ったし、

会社を作る!と起業塾に通い始めてから、
いきなり、簿記3級の通信講座を受けました。

 

 

カメです。

 

そして、馬鹿です。。。

 

 

きっと、それが私の強みなのでしょう。。。

 

4ヶ月くらいかかっちゃうかしら・・・と、
ソフトを学びながらはじめた映像編集作業は、
結局まるまる8ヶ月かかりました。

 

 

だんだん、編集技術がついてきて、
テロップだけでなく、画像を挿入できるようになったり、
アフレコしたり・・・

突き動かされるように、
仕事やライブの合間の時間のすべてを注いで、
取り組んだ作品です。

 

 

ただがむしゃらに、目を閉じて進んできて、
目を開いたら、すっかり明るい世界に返ってきていた。

そんな気分です。

 

長い長い撮影に付き合ってくれたジェフ夫さん、
すべての映像をチェックしてくれた弟子たちに、
心から感謝です。

 

 

本スタートは10月。
すでにβ版で試していただいている方たちのフィードバックを生かし、
いい形で送り出せるよう、完全版に整えて行くつもりです。

 

まずは・・・

 

夏休み・・・・・

 

ください。。。。。

 

 

 

 - My History, ヴォイストレーナーという仕事

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