プロを目指す人のためのボイス&ボーカルトレーナーという仕事
2015/05/08
プロを目指す人のボイストレーナー、ボーカルトレーナーという仕事は、
山岳ガイドのような仕事です。
道行く人を呼び止めて、「ガイドしましょうか?」なんて持ちかけない。
ガイドを必要な人が、必要な時にやってくるのを、ただ黙って、じっと待つ。
そうやって耐えるのも仕事のうちです。
もちろん、「谷川岳登りたいんですけど・・・」という人に、
「いやいや、やっぱ富士山のが派手でいいじゃないんですか〜?」
なんて言わないし、まして、
「だったらロープウェイでちょろっと登れる山の方が楽でいいじゃないですか?
空き時間で温泉楽しめますし〜♪」
なんてことも言いません。
自分のゴールは自分で見つける。
旅のスタイルも自分が決める。
結局トレーナーという仕事の本質は、そうやって自分の意志で進もうとする人の、
道しるべになったり、背中を押したりすることなのです。
登山にはそれなりの覚悟や準備が必要で、
ゴールを見極めずに、闇雲に歩き回れば、どんな事故に巻き込まれるかわからない。
気楽に「ちょっと登ってかな〜い?」ってなわけにはいきません。
もちろん、悲観的なことも言いません。
どんなに準備に時間がかかっても、諦めなければ、一所懸命登り続ければ、
いつかゴールにたどり着ける。
そんな希望はボーカリストのみならず、人生に必要なことだと信じているからです。
別の言い方をすれば、
トレーナーが自分のゴールを決めてくれるとか、
車に乗せて、見たこともない素敵な場所へ連れて行ってくれる、
なんて幻想を抱いてはだめなんです。
旅行会社のツアコンを探しているような人は、プロは向かないってことですね。
「本気で登る気あるんですか?」
「今のあなたのままじゃ無理です!」
・・・なんてことを平気で言うのも山岳ガイドの仕事のうち。愛情のうちです。
新年度がスタートするので。
心を引き締めるべく書きました。
山岳ガイドなんで、自分にも確固たる自信と体力が必要だと自負するためにも。
So?
Are you ready,boys and girls?
関連記事
-
-
ボイトレ七つ道具、公開(^^)
最近、講演やセミナーをするときだけでなく、通常のボイトレをするときにも、 声のし …
-
-
「伝えたい」が伝わると、マジでうるうるします。
「どうしたら伝わるのか」。 物心ついた頃から、これこそが、私の人生のテーマです。 …
-
-
「厳しい先生」
「MISUMIさんは、なんで僕のことだけ叱らないんですか?」 そんな風に、言われ …
-
-
「教える者」であるということ
学生時代。 先生が生徒をジャッジするより、 生徒が先生をジャッジすることの方が圧 …
-
-
話を聞かない生徒 話をさせない先生
「これは、こんな風に歌うのよ」と、 お手本を聴かせるためにこちらが歌い出した瞬間 …
-
-
「一般の人は声に興味なんかないんですよ。」
もう何回言われてきたんでしょう。 「一般の人は声に興味なんかないん …
-
-
「課題曲」って、どうよ?
大学4年になったばかりのこと。 清水の舞台から飛び降りる気持ちで通い始めた歌の学 …
-
-
“トレーナー”というものの役割を思う。
音楽の世界ってゴールはないんだよな。 ワクチンの軽い副反応で、 なかばサボりなが …
-
-
「自分だったらどうか」という視点で考える
ボーカルやボイトレを教えているアーティスト、その卵たち、 そして、音大の学生たち …
-
-
「あきらめていた夢」を、もう一度追いかけるということ
「音楽は、何才で始めなくちゃいけない」、なんていう制限はありません。 「好き!」 …
- PREV
- ボイトレで笑顔も輝く!
- NEXT
- 「今日はノドの調子が悪くて・・・」

