大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

「一点集中力」vs.「俯瞰集中力」

   

ミュージシャン、アクターに限らず、
スポーツマン、タレントから、講演家まで、
人前でパフォーマンスをする人には、集中力が不可欠です。

以前も『ザ・集中力! 』というポストで書いたように、

 

ミュージシャンなら、指揮棒が上がった瞬間。
もしくは、カウントが始まった瞬間。

スポーツマンならホイッスルやピストルが鳴った瞬間。

舞台なら幕が上がる瞬間。

映画なら、カチンコが鳴った瞬間。

その”瞬間”にバキ〜ンと集中できるかどうか。

 

どんな状況になっても、会場で何が起きても、
いかに集中力を途切れさせずに、
最後まで自分のパフォーマンスができるかどうか。

それこそがパフォーマーの真価が問われるポイントのひとつでもあります。

 

さて。

実は私、この「集中力」にも種類があるのではないか、と、考えています。
ヴォーカリストの多くは、
「ワ〜〜ン、ツゥ〜」とカウントが始まった瞬間、
音楽の世界にバキ〜ンと入り込み、自分の表現に完全に集中する。

集中力が高いほど、カリスマ的な力を発揮できるとも言える。

 

そして、多くのヴォーカリストにとっては、
自分がどのくらい集中できたか、
いいパフォーマンスができたか、
そして、お客さんの反応はどうだったかが、すべて。

それさえうまくいけば、たいがいは、
「いやぁ〜〜、よかった。楽しかった。」とご機嫌でステージをおります。

 

 

ところが、同じステージに立っていたはずなのに、
プレイヤーたちは全く感想が違うこと、しばしばです。

 

特に、名プレイヤーといわれる人ほど、
そして、プロデューサー的視点を持っている人ほど、

 

ライブが終わった後、

「あそことあそこをミスした」

「そうそう、あそこのタイミング合わなかった」

「あの曲は、もう少しテンポが遅くてもよかったね・・・」

などなどと・・・ライブの詳細を覚えていたりします。

 

ライブ中もライブ後も、
高揚はするけど興奮はしない、適度な精神状態を保てているようです。

 

だからこそ、アンサンブルの精度が保てるし、
スリリングかつ、聞く人を興奮させる、
仕掛けをちりばめた優れた演奏をできるのかもしれません。

 

もちろん、「熱い系」の人たちには、
そんな冷静なことを言ったりしたら、

「なんでもっと熱くならないんだぁ〜!!??」
「もっと魂込めて演奏しろよ〜!!」

などと怒る人もいますが・・・

これはもう、どちらがどうということではなく、「違い」の領域。

 

だからといって、俯瞰している人たちが集中していないかと言えば、
絶対にそんなことはない。

ただ、集中力のあり方、発揮の仕方が違うだけです。

 

 

あなたは「集中力」、ありますか?

それは、「一点集中力」ですか?
それとも、「俯瞰集中力」ですか?

 

53815167 - girl taking selfies with view to uptown manhattan

 

 - The プロフェッショナル, バンド!

  関連記事

no image
戦略的に自分というブランドを作る

この数年、ビジネスというアウェイなフィールドでたくさんの方に出会ったり、 いろい …

本物に触れる。 本物を知る人の感性に触れる。

ずいぶん昔のことになります。 親戚の知り合いだったか、 知り合いの親戚だったか、 …

譜面台を立てる時のチェックポイント〜本編〜

さて、お約束どおり、 今日は、自分のための記録の意味も込めて、 「譜面台を立てる …

バンドのメンバーに歌をけなされたら、真っ先に確認すべきこと。

リハやライブでバンドのメンバーに歌をけなされた、 という悩みを相談されて真っ先に …

肩書きが人をつくるんじゃない。 人が、自分の肩書きをつくるんだ。

初めて自分の肩書きというのを意識したのは、 サポートコーラスとしてツアーのお仕事 …

プロフィールって、どうしてます?

先日、作家の中谷彰宏さんのプロフィールを見ていたら、 なぜかご著書のことがどこに …

群れない

まわりにいる人を見ると、その人のことが分かると言います。 同じような空気感の、 …

「時間を忘れて夢中になる人」だけが、プロフェッショナルとなる

「ボクね、コーヒー飲もうと思って口に入れるでしょ。 で、そのまま機材の調整はじめ …

「与えるチカラ」と「欲しがるチカラ」のパワーバランス

音楽は人に感動やエネルギーを与えるもの。   音楽家であれば、誰もが多 …

ねつ造不可能なキャリアを刻む

Webの世界をサーフィンしていると、 昨今は、みんな本当にセルフ・ブランディング …