楽器はプレイヤーの「心」なんだっ!
昨今、SNSで楽器が盗難に遭ったというニュースが次々に流れてきます。
昨年末も、学生のギターが盗難に遭い、怒り心頭だったばかり。
一体全体どこのどいつが、
人の大切な楽器をお金と引き替えに売りさばいているのか。
楽器=お金と感じる根性。
本気でたたき直してやりたい。
高校時代、ギターが大好きで、
ハードケースに入れた重たいストラトを、
毎日毎日、持って登校していたことがあります。
そんなにいい楽器ではなかったけれど、私にとっては宝物。
そのギターを持っているだけで夢が叶いそうな気がしました。
ギターを弾いている時間だけが、
あこがれのミュージシャンたちと私をつなげてくれる、
特別な時間でした。
まぁ、それでも、あんまり上達しなくって。
なぜかヴォーカルでスカウトされた男子校のバンドで、
リードギターを弾いていたヤマワキくん。
それはそれはギターが上手で、格好いい男の子でした。
彼の仲間が言いました。
「ヤマワキはさぁ、楽器抱いて寝ているらしいよ」
なんか、「負けた」と思いました。
ギターへの思いで、なんか負けちゃった。
いや、別にギター抱いて寝なくちゃダメってことじゃありません。
ただ、私は「思いの強さ」しかなかったのに、
そこで負けたら、
やっぱりギターの腕だって勝負にならないよな、って、
何故か妙に納得したわけです。
楽器はプレイヤーの心です。
ヴォーカリストを志すようになって、
ヴォーカリストとしてプロになって、
毎日毎日、明けても暮れても、
声のことばかり考えて来ました。
朝起きるとベッドの上で、
声の調子をチェックすることからはじまり、
食事、エクササイズ、練習、
休日の過ごし方まで、
声のことを考えない時間はありませんでした。
プレイヤーにとっての楽器は、声と同じです。
友達や家族という存在よりも、
もっと近くて、愛おしくて、
何物にも代えがたいものと感じている人も、
たくさん、たくさんいるでしょう。
その楽器でなければ出せない音が、確実にあります。
プレイヤーにしか、その感覚はわかりません。
その楽器と一緒に過ごしてきた特別な時間や、
育んできた大切な仲間、
そして残してきた音の記憶。
そんなすべてを、自分の都合で奪って、
お金に換えてしまうなんて、
音楽家として、もう、絶対の絶対の絶対に許せません。
楽器を奪われたすべての人の手元に、
どうか、楽器が戻りますように。
メルマガご登録はこちらから。
◆ 3月10日(土)【第6回ダイジェスト版 MTL voice & vocal レッスン12】キャンセル待ち受付中。
関連記事
-
-
自分にない価値観を学ぶのが学習ってもんだ
大学で2年生のアンサンブルという授業を担当しています。 用意された課題曲を、 楽 …
-
-
無責任なコメントに心乱されない
まだ学生の頃だったか。 たまたま通りがかった野外ステージで、公開オーディションの …
-
-
「好きなことを仕事にする」
起業を志して一念発起、 いわゆる起業セミナーというところに通い始めて、 最も衝撃 …
-
-
「オケ」じゃなくて、プレイヤーの顔のついた「音」を聞くんですよ。音楽って。
年寄り自慢をするつもりは毛頭ありませんが、 (あたりまえ) 一昔前は歌を歌いたか …
-
-
人は、人の「覚悟」に感動するのだ。
テクノロジーは、人間の技術力を低下させる。 こんな印象を持っているのは、私だけで …
-
-
「続けること」のチカラ
今、どうしても叶えたいことがあったとして、 それがこの先10年間、 コツコツ何か …
-
-
「いい仲間」いますか?
近年の私しか知らない人には全く信じてもらえないようですが、 かつての私の自信のな …
-
-
自分の「本気」が試されるとき
このブログを通して、ポジティブシンカーで、 挫折知らずのような印象を与えているか …
-
-
「そんなことやってても売れないよ」
「そんなことやってても売れないよ」 「もっと売れてるもん聞かなくちゃダメだね〜。 …
-
-
「東京って、やっぱりすごいんですか?」
週1回ほど京都の音楽学校で教えていた頃。 よく顔を見るギター科の学生と エレベー …
- PREV
- 「バンドとやる」の本当の意味
- NEXT
- 「ときめかない」ものは、「ときめかない」。以上。

