大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

“Be present.” (今、この瞬間を味わって)

   

昨夜、往年のセクスィー男優リチャード・ギア主演の、
『嘘はフィクサーのはじまり』という映画を見ました。
(原題:Norman: The Moderate Rise and Tragic Fall of a New York Fixer/邦題のセンスのなさに失神しそう・・・)

実によくできた面白い映画だったので、
機会があったらぜひ見て欲しいのですが、

今日のポイントはリチャード・ギアの演技。

二枚目のイメージが強ければ強いほど、
どうやって年を重ねていくか、
どんな役どころを狙っていくかは、
俳優生命を左右する大きな問題になるでしょう。

いくつになっても二枚目を演じ続けられる、
ホンモノのスターもいれば、

そろそろモテる役とか、無理でしょ?
と突っ込みたくなる俳優もいる。

ルックスの衰えを逆手にとって、
性格俳優を通り越して、
怪優みたいになっちゃう人もいるし、

いつの間にか、コメディ専門の、
面白い俳優になっちゃっている人、

長いこと名前を見ないなぁと思っていたら、
いきなり中高年の役者としてカムバックする人・・・

本当にいろいろで、
カラダ資本の仕事、
人前に立つ仕事を続けることの難しさ、
諸行無常を感じずにはいられません。

しかしね。

昨夜の映画のリチャード・ギアは違いました。

「今」を受け入れ、
最大限に楽しんでいるんです。

「俺、リチャード・ギアだけど」っていう匂いをさせない。
がんばって新しいことをしようとしている感もない。
あーあ、劣化しちゃって・・・という悲壮感もない。

リチャード・ギアレベルの俳優さんで、
これができるって、すごいことだよなぁと、
感じ入りました。

誰にだって、
自分の人生に対するプライドはあります。

振り返れば、過去はどんな瞬間も輝いて見えるし、
絶え間なく変化して行く自分や、
日に日に、終わりに近づいていくキャリアに、
不安や恐れを感じない人はいないでしょう。

しかし、

今、この瞬間の自分以外の自分は、
どこにも存在していない、ただのゴーストです。

この瞬間を徹底的に味わう。
今の自分を最高に楽しむ。

そうやって、「今」の最高を生きるなら、
人生ってのは、どの時点でも、
「絶頂期」なんじゃないか。

毎朝やっている、
ヨガのYoutube”Yoga with Adrien”中で、
インストラクターのAdrienが繰り返し言います。

“Be present.”
(今、この瞬間を味わって)

今を受け入れる。
今を味わう。
今を楽しむ。

人として、
アーティストとして、
パフォーマーとして、
どんなときも大切にしたいことばです。

 

◆【ヴォイトレマガジン『声出していこうっ!me.』】
ほぼ週1回、ブログ記事から、1歩進んだディープな話題をお届けしているメルマガです。無料登録はこちらから。バックナンバーも読めます。

 

 - Books, Movies, Art, Music...etc., B面Blog, Life

  関連記事

音楽を「職業」にしないという選択

若い頃から音楽を志して、寝る間も惜しんで練習や創作、 ライブ活動に打ち込んで来た …

「もっと心をこめて歌ってよ」!?

「歌は心」的な話は苦手です。 心をこめて歌おう、 情感たっぷりに歌おうとがんばる …

空白の美学

「アマチュアはね〜、ソロ弾いてっていうと、 全部音で埋めちゃうんですよ。 弾かな …

声の変化と向き合う vol.2〜変化を受け入れ、味わい、楽しんだものが勝ち

「声の老化」についての第2回です。   第1回は、年齢を免罪符にせず、 …

【自己評価を上げるためのチャレンジ】

「あなた、ホントにきれいよね〜」 「キミって、カッコいいね。」   そ …

憎っくき「容姿端麗組」に負けない方法

認めたくはないですが、 こんなこと書くのもちょっぴり悔しいですが、 ハッキリ言っ …

もらったもの

小学校の高学年になったばかりのこと。 教室で男の子たちが真剣な面持ちで将棋を指し …

「東京って、やっぱりすごいんですか?」

週1回ほど京都の音楽学校で教えていた頃。 よく顔を見るギター科の学生と エレベー …

ヴォイストレーナーという仕事

自分にできないことは教えられない。 いろいろな考え方があるでしょうが、 私は、歌 …

うっそくっさいブランディングは、いい加減やめよう。

かつて業界では、 ミュージシャンでも、タレントでも、 デビューさせるにあたり、 …