大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

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「奥さんのとこ、まだテレビ、白黒なんですか?」

      2020/06/19

先日、生徒さんと話していたら、
「え?先生、Youtube、まだパソコンで見てるんですか?」
と言われて、どっひゃ〜っとなりました。

いや。知ってますよ。
それが可能なことは知っています。

ただ、まさか、「え?まだ?」と言われるほど、
それが当たり前のこととは・・・

だって・・・(いつも言いますけど)
テレビ、壊れないんですもの。。。

昨日、ジェフ夫さんに、
「あ!テレビのチャンネル回して!」
と言ってしまったら、
「今どき、なに回すんだよ」
と言われて、悔しい思いをしました。

あぁ、昭和病。

テレビが一般家庭に普及する、
大きなきっかけとなったと言われているのは、
1959年の皇太子明仁親王の御成婚、
そして、1964年の東京オリンピック。

テレビが家になくて、
大事な放送があるときは、
近所の人がテレビのある家に集まった、
なんていう、平和な時代もありました。

テレビは高級品でしたし、
テレビ局だって、NHKの他には、
全国放送は4局と地方局。

だから、
みんなおんなじ人気テレビ番組を見て、
翌日はそのテレビの話題で持ちきりでした。

アニメも歌番組もスポーツ番組も洋画番組も
月曜はこれ、火曜日はこれ、
というように決まっていました。

テレビには「チャンネル」と言う名の、
丸いダイヤルがついていて、
ガチャガチャと音を立てながら回すのが基本。

庶民の家では、
テレビは1家に1台が基本でしたから、
兄弟でチャンネル争いで大げんかになったり、
ケンカの果てに、
テレビのチャンネルを引っこ抜いて隠しちゃって、
またそれが元でケンカが激化して、
結局お目当ての番組は怒号飛び交う中で見た・・・
なんて経験も1度や2度ではありません。

家庭にビデオデッキが普及したのは80年代です。
見たい番組があったら、
その時間に、チャンネル権を握って、
テレビの前にいなくてはならなかったのです。

テレビはお茶の間の中心にあって、
こどもたちの、
そしておそらくはおかあさんたちの、
価値観のコアであって、
日本の文化を牽引する存在でありました。

やがて、
ビデオデッキが普及し、
みんなの「チャンネル権」に対する執着は
急速に薄れていきました。

衛星放送やケーブルテレビが普及し、
レンタルビデオショップができ、
インターネット文化になり・・・

ついに、
見るもの、見ないものも、
好きなものも、嫌いなものも、
自分の感性で決められる、
そんな自由な時代が来たとも言えます。

しかしね。

人は「100%の自由」というのは、怖いのですね。

どこかで「私大丈夫かしら?」がある。
「みんな、どんなことに興味があるのかしら?」と思ってしまう。

さらには、
他人が信じるもの、好きなものを、
自分の物差しでジャッジして、
モノ申したいようなところもある。

だからこそ、
どれほど個人主義の社会になっても、
プロパガンダは有効だし、

ゴシップや暴露記事や三面記事も、
情報操作もサブリミナルも・・・

方法論こそ違うけど、
結局何にも変わってないんだなと、
あきれたり、がっかりしたり、
妙に納得したり。

人間の本質が変わらない以上、
社会は、劇的には変化しないものなのですね。

そして、

「奥さんのとこ、まだテレビ、白黒なんですか?」
「えーー??まだ電子レンジないの?」
と言われて、
慌てて電気屋さんに走った
昭和の奥様方よろしく、

思わず「新型テレビ」をググってしまっている、
俗物なあたし。

テクノロジーの進化も、
コミュニケーション技術の進歩も、
人間の本性というものの本質的な進化がない限り、
歴史における役割は、
単なるマイナーチェンジでしかないのよね・・・と、
考えてしまう今日この頃です。

 

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