大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

「わかることばで教えてください!」

   

音楽業界に長くいるほど、
どこまでが専門用語で、どこからが一般のことばか、
これは隠語で、こっちは誰でもわかる砕けたことばで…
みたいな線引きがものすごく曖昧になってしまいます。

声を分類して名前をつけてみたり、
楽典にしか出てこないようなことばを使っては、
「こんなことも知らないの?」と言ってしまったり。
ついつい、教える側に便利なことばや、
自分しか興味がないようなことを延々と語ってしまったり。

人って、難解なことばをつかうと、
なんだか格調高く感じたりするもの。
そんなことばを使う自分にちょっと酔ったりもします。

教える側でありながら、
その難しい単語を、
なんとなくの概念で理解しているだけで、
なぜ、なんのためのことばで、これをなぜ説明するのか、
これを知ることで受け手にどんなメリットがあるのか、というような、
本質的なことまで掘り下げられていないことも、
残念ながら、びっくりするくらいよくあって。

胸に手をあてれば、自分自身、
「あ〜、そういえば…」と思い当たることばかりです。

難しいことばを難しいまま、
「覚えなさい」「理解しなさい」と言うのは、
丸暗記した文章で会話するようなもの。
結局、なにひとつ教えられていないのと同じです。

本物の「教えるプロ」ならば、
5才のこどもからプロフェッショナルまでが、
腑に落ちる説明をできることばを持つのが理想。

受け手の理解や興味の具合に応じて、
もっと面白く、もっと分かりやすく、もっとシンプルに。

教える側であるならば、もっともっとくふうしなくちゃ。
もっともっとクリエイトして、挑戦しなくちゃ。

怠惰な「でもしか先生」ではいかんのです。
そんな努力を惜しまない、プロフェッショナルであり続けたい。

修行の旅は続きます。

◆公式LINE、はじめました。ご質問やお悩みにもお答えしていきます。ご登録はこちらから。

 - Life, ヴォイストレーナーという仕事

  関連記事

「空気読め」とか、違くないか?

生まれて初めてアルバイト情報雑誌を買って、 バイトを探した時は、 一体みんな、何 …

プロを目指す人のためのボイス&ボーカルトレーナーという仕事

プロを目指す人のボイストレーナー、ボーカルトレーナーという仕事は、 山岳ガイドの …

「雰囲気」とは身にまとうもの

「わかってないなぁ。 ああいうスキャンダラスな雰囲気、お前、出せるわけ?」 &n …

「そうか、映像にもグルーヴがあるんだ。」

広告代理店の映像&音楽プロデューサーの下で、 音楽選曲のお仕事をさせてもらってい …

ロックもデートも飲み会も、ぜんぶ投資なんだ!

起業の勉強をはじめたばかりで、 あまりのアウェイさに、 毎日、本気で吐きそうなく …

よどみなく、 迷いなく、 明確に。

「先生」と呼ばれる立場になって、 しみじみ、「先生」というもののあり方を考えるよ …

自分の意見を口に出すことを恐れない

最近、若者たちがお互いに対して優しすぎる、と感じています。 バンドのリハーサルを …

「ありのまま」ということばを免罪符にしない。

作品でも、パフォーマンスでも、 作り込むより、パッションが大事とか、 ありのまま …

ちゃんと元取れっ!

けして質素なタイプというわけではありませんが、ことコスパに関しては誰より厳しいと …

世の中には、「カッコいい人」と「それ以外」しかいない。

「MISUMIぃ、お前さぁ、化粧品減って仕方ないだろぉ〜。 ハ〜ッハッハッハッハ …