「わかることばで教えてください!」
音楽業界に長くいるほど、
どこまでが専門用語で、どこからが一般のことばか、
これは隠語で、こっちは誰でもわかる砕けたことばで…
みたいな線引きがものすごく曖昧になってしまいます。
声を分類して名前をつけてみたり、
楽典にしか出てこないようなことばを使っては、
「こんなことも知らないの?」と言ってしまったり。
ついつい、教える側に便利なことばや、
自分しか興味がないようなことを延々と語ってしまったり。
人って、難解なことばをつかうと、
なんだか格調高く感じたりするもの。
そんなことばを使う自分にちょっと酔ったりもします。
教える側でありながら、
その難しい単語を、
なんとなくの概念で理解しているだけで、
なぜ、なんのためのことばで、これをなぜ説明するのか、
これを知ることで受け手にどんなメリットがあるのか、というような、
本質的なことまで掘り下げられていないことも、
残念ながら、びっくりするくらいよくあって。
胸に手をあてれば、自分自身、
「あ〜、そういえば…」と思い当たることばかりです。
難しいことばを難しいまま、
「覚えなさい」「理解しなさい」と言うのは、
丸暗記した文章で会話するようなもの。
結局、なにひとつ教えられていないのと同じです。
本物の「教えるプロ」ならば、
5才のこどもからプロフェッショナルまでが、
腑に落ちる説明をできることばを持つのが理想。
受け手の理解や興味の具合に応じて、
もっと面白く、もっと分かりやすく、もっとシンプルに。
教える側であるならば、もっともっとくふうしなくちゃ。
もっともっとクリエイトして、挑戦しなくちゃ。
怠惰な「でもしか先生」ではいかんのです。
そんな努力を惜しまない、プロフェッショナルであり続けたい。
修行の旅は続きます。

◆公式LINE、はじめました。ご質問やお悩みにもお答えしていきます。ご登録はこちらから。
関連記事
-
-
ボイトレ七つ道具、公開(^^)
最近、講演やセミナーをするときだけでなく、通常のボイトレをするときにも、 声のし …
-
-
「あきらめていた夢」を、もう一度追いかけるということ
「音楽は、何才で始めなくちゃいけない」、なんていう制限はありません。 「好き!」 …
-
-
おとなになるって、素敵なことだぜ
おとなって、なんて純粋に音楽を追いかけるんだろう・・・ 最近そんな風に感じるシー …
-
-
“Discover Book Bar”にてお話させていただきました!
『「自分」が伝わる声ヂカラ』をディスカヴァー21さんから出版させていただいたのが …
-
-
「課題曲」って、どうよ?
大学4年になったばかりのこと。 清水の舞台から飛び降りる気持ちで通い始めた歌の学 …
-
-
歌のブートキャンプ、スタートします!/短期集中で歌はどこまでうまくなるか?
“歌を志す人のための新しい講座「MTL vocal BootCamp …
-
-
「失敗の記憶」をリセットする
心もカラダもリラックスした状態で物事に取り組み、 自らのポテンシャルを最大限に発 …
-
-
人生のワームホールに飛び込む
大好きな作家、ロバート・A・ハインラインの小説の中でも、 とびきりワクワク読んだ …
-
-
ことばに体温を宿す
「じゃ、とりあえずバランスチェック兼ねて、一度つるっととお願いします。 単独は1 …
-
-
「中毒」か?「夢中」か?
先日、アルコールやドラッグ、セックスなどの中毒患者のためのリハビリテーション施設 …
