答えなんかない。そもそも問題が存在しないのだから。
大好きなアーティスト、マルセル・デュシャンの名言に、
“There is no solution because there is no problem.”
というのがあります。
自分なりに訳すと、
「答えなんかない。そもそも問題が存在しないのだから。」
どこかの展覧会で、
はじめてこの言葉を知った時、
ドカンとハンマーで頭を殴られたような衝撃を受けました。
仕事のこと、私生活のこと、
いや、生きることそのものに、
どうしたらいいんだ?
なにが正解なんだ?と
来る日も来る日も鉛のような思いを抱えて、
もがき苦しんでいた頃です。
「答えなんかない。」
と言われたら、
なんて夢も希望もないことを言うの?
と絶望的な気持ちになります。
でも、そこに、
「だって、そもそも、問題なんかないんじゃない?」
という問いが続くと、
なんだかすべてを見透かされているような気がして、
心の底からドキッとしたのでした。
そっか。
人間関係なんて存在しない。
他者と自分の優劣というのだって、
幸せとか不幸とか、
運がいいとか、悪いとか、
すべては単なる概念。
つまりゴースト。
そんなゴーストにつきまとわれて、
右往左往するのは意味がない。
問題を探せば、人生は問題だらけ。
答えを探すのは、問題を探しているのと同じなんだ。
そんな思いに行き当たったのです。
起きることはただの事実。
感情が動く原因のすべては、ものの見方。とらえ方。
問題なんか、なにひとつ存在しない。
人間というのは自意識でできている生き物だから、
もちろん、そう簡単に、
すべてから解放されるわけではないけれど、
答えを探して行き詰まった時は、
「そもそも問題なんかないんじゃないか?」と自らに問い正すだけで、
ぐっとポジティブな方向に道が開けます。
答えなんかいらない。
そもそも、問題が存在しないんだから。
何度繰り返しても、ぐっとくることばです。
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