大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

91センチの挫折

   

自己啓発書の普及の名作といわれる『思考は現実化する』には、

金が採れるといわれる土地で、
お金をつぎ込んで採掘設備をそろえ、何年もがんばった末、
挫折して、設備を売り払い、故郷に帰ってしまった男の話が出てきます。

ところが、男が設備を売り払った相手がその土地を再調査したところ、
彼があきらめたところから、わずか91センチ下に、
金脈が眠っていることを発見したというのです。

 

 

さて、この話を読んで、どう思うでしょう?

今、置かれている状況に応じて、人それぞれ、感じ方も違うのは当然です。

 

○ばっかだなぁ。なんで、そんなタイミングであきらめるのかな?
だったら、もっと早くあきらめた方がいいだろ?

○あぁ〜、わかるなぁ。。。ついてないやつって、こういうもんだよね。
結局、運命なんじゃないの?

○「91センチ」って、わかってたら、誰だってやめないでしょ?
なんで、あきらめる前に、もっとちゃんと調べなかったんだろ?

○あとちょっとががまんできないのが人間だ。
そもそも、たまたま91センチだっただけで・・・
91メートル進んでも見つからないようなものを、
探しあてようと粘るなんて、時間の無駄だ。。。

 

この話には後日談があります。

設備を売った相手が金鉱で大もうけをしたと知った男は、
その後、どんな試練にあってもけしてあきらめないと決心し、
やがて、金鉱脈を掘り当てたのと匹敵する財を築いたそうなのです。

 

 

 

男にとって、金鉱は、次なる成功へのステップ。
失敗や挫折は必要な修行だったのかもしれません。
それとも、失敗に懲りた男は、次の成功に向けて、
「あきらめてはいけない」ということを学習したのでしょうか?
もしくは、たとえ、男があきらめずに金鉱を採掘し続けても、
結局、男には見つけられなかった。
すなわち、それが男の運命というものだったのか。

 

それとも、それとも、
男には思い込みが足りなかった、
だから、金鉱では成功を「引き寄せ」られなかったのでしょうか?

 

 

ずいぶん昔に読んだ本ですが、

今でも、私はことあるごとに、この幻の91センチを思い、

私にとっての91センチはなんだろう?と考えます。

 

あなたの91センチはなんですか?

9272915_s

 

 - Life, 夢を叶える

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


  関連記事

人間の記憶は消えない?

「人間の記憶は消えない」という話を 何かの本で読んだことがあります。 実は、脳は …

「向いてない」んじゃない、「イケてない」んだ。

「お前、無理してそんな歌、歌うなよ。 お前には似合わないぞ。」 「MISUMIち …

行動のパターンを変えると思考が変わる

6日ぶりの更新です。 丸2年前、思いを新たにブログに取り組もうと決心して以来、 …

「欠落」はことばではなく、行動で埋める

歌うこと、話すこと、書くことを通じて、日々、ことばと向き合っていると、 ことばの …

社会人 x 音楽人 /自分バランスを最適化する

2015年にアップした『音楽を「職業」にしないという選択』という記事。 すでに、 …

「できる人」が集まる環境に身を置く

音楽のセンスや、ことばのセンスを磨いたり、 きらりと光る知性を身につけたり、 楽 …

自分の人生の価値を過小評価しない!

人にものを教える仕事がしたいと思ったら、 真っ先にすべきは、自分のプロフィールを …

直感にしたがえば、思いがけない未来と出会える!

「なんだか気になる人は、実は、自分が今、求めている情報を持っている人。」 『聖な …

「歌なんて習うもんじゃない」? うまくなる人は、何が違うのか

「歌なんか習うもんじゃないだろ?」 歌の学校に通いはじめたころ、昭和のおじさまた …

手っとり早く「オーラ」を身にまとう方法

「なんか、あの人、オーラがある。」 「あの人がいると、そこだけが輝いて見える。」 …