大槻水澄(MISUMI)ブログ 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

「長期記憶のゴールデンタイム」にあなたは何を記憶しますか?

   

「受験生といえば、まずは『でる単』」。

『でる単』、すなわち、『試験に出る英単語』は、
当時の受験英単語集の定番でした。

 

その本に出てくる単語をすべて覚えれば、
とりあえず大学受験用の英単語はすべてカバーされる、と言われていて、

今思えば笑えるくらい、猫も杓子もでる単、でる単、でした。

 

大学受験に向けての数ヶ月〜数年。
熱心な受験生たちはこの本を、それはもう舐めるように暗記したものです。

 

さて。

 

すごいのは、

正直私は、「熱心な受験生」とは言いがたい、
なんちゃって受験生ではありましたが、

それでも、なんでも、この時に、詰め込み式に頭に入れた英単語は、
今でも自分のメインの語彙として、
英語を話すときにすらすらと登場すること。

 

17〜18才の長期記憶力というのは、
実にものすごいのだなと、うん十年も経って思い知るのです。

 

『でる単』だけではありません。

 

洋楽が大好きだった私は、楽器の練習をしていないときは、
常に歌詞カードを片手に、レコードをかけ、一緒に歌っていました。

 

まだまだ、「レコード」1枚2500円の時代です。

手に入れたレコードは、それはもう、何度も何度も、
徹底的に聞き込みました。

 

貸しレコード屋や、図書館の貸しレコード・コーナーもよく利用して、
借りたレコードは「カセットテープ」に録音し、
歌詞カードをコピーして、それが手垢で真っ黒になるまで、
音に合わせて歌ったものです。

そんな風に、
聴覚、視覚、そして発声のための運動能力のすべてを総動員して、
ひとつのことを繰り返したわけですから、
もちろん、歌詞だって、『でる単』以上にくっきり暗記しました。

 

そうやって、10代〜20代にかけて記憶した歌詞に登場する英熟語や、
気の利いたフレーズ、イメージのモチーフは、
何十年経っても、鮮明に、蘇り、

会話するときはもちろん、
アドリブをするときも、
作詞の仕事をするときも、

順列組み合わせこそ違え、
自分のメインボキャブラリーとして、
変わらず、自身を支えてくれます。

 

もちろん、年齢を重ねても、
がんばれば、ある程度の記憶力を保つことは可能ですし、

新しい知識を学んだり、
暗記したりすることもできるでしょう。

 

しかし、20代半ばまでの、
「生涯使える記憶の長期格納庫」に格納された記憶ほど、
影響力やインパクトのある記憶にはなりません。

 

そのゴールデンタイムに、どこまで、
「生涯使える記憶の長期格納庫」を満杯にできるかどうかが、

自分自身の、一生のボキャブラリーを
左右すると言っても過言ではないでしょう。

 

 

あなたの「長期格納庫」には、何が入っていますか?

13974499_s

 

 

 - Life, 「イマイチ」脱却!練習法&学習法

Message

メールアドレスが公開されることはありません。

  関連記事

200個の骨。600の筋肉。

人間のカラダには、およそ200個の骨があると言われています。 その上に乗っている …

ねつ造できない感動が、人の心を動かす。

How じゃなく、Why。 このブログでも幾度となく取り上げてきているこの命題は …

その瞬間、ちゃんと声出してますか?

一昨年の夏。満員電車の車内でのこと。 入口付近に、憔悴したようすのお年寄りが立っ …

自意識の暴走を屈服させる

ボーカリストも、ミュージシャンも、役者も、ダンサーも、 おそらくはパフォーマーと …

一点突破

大変遅ればせながら、新年初回ブログです。 2019年も、『声出していこうっ!』を …

精度の高い”フォルティッシモ”を持て!

ダイナミクス、すなわち音量の強弱のコントロールが 音楽表現の大切な要素であるとい …

“Discover Book Bar”にてお話させていただきました!

『「自分」が伝わる声ヂカラ』をディスカヴァー21さんから出版させていただいたのが …

自己表現のための”自分アバター化作戦”

かつて、ハワイ出身の日系アメリカ人女性シンガーに、 英詞の提供をしたことがありま …

身にまとう”匂い”はごまかせない

「E先生はセレブだから、 飲み会とか誘っちゃいけない雰囲気あるんですよ。 その点 …

行動のパターンを変えると思考が変わる

6日ぶりの更新です。 丸2年前、思いを新たにブログに取り組もうと決心して以来、 …