大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

音楽は進化を続けている

   

「最近どんなの聞いてるの?」

若いアーティストたちのカウンセリングで、
彼らの好きなバンドやアーティストの名前をあげてもらうと、
あまりに知らない名前ばかりが次々あがって、
思わず「しまった」と冷や汗をかくことしばしばです。

そもそも、J-POPは完全に門外漢ですし、
アーティストの名前を知っているのは、
直接お仕事で関わったことのある人たちか、
誰かがレッスンに持って来たカバー曲のオリジナルアーティストとして。

かつてのような「誰もが知っている大ヒット」が極端に少なくなったことに加え、
アーティストの名前が、どんどん複雑化、謎化していることもあり、
毎回毎回、「え?なんていった?」「へー。勉強しとくわ。」の連続です。

いざ、曲を聴いてみると、
これがまた、とんでもなく難しい。

え?そこに行きますか?みたいな、
いわゆる「血にない」感じのメロディや、
引っかけ問題のような歌詞のハマリ、
超絶ハイトーンの連続に、
絶叫シャウト系やら、
オール息漏れみたいな不思議ちゃん系声や・・・

いやいやいやいや。
ちょっと待て。
こんなことを書いている時点で、最早年寄りの証拠。

かつては、ニューミュージックと呼ばれた音楽だって、
今やれっきとした懐メロ。
昭和歌謡に慣れ親しんだ耳には、
難解で、覚えにくくって、どうやってノったらいいかわからない、
「若者の音楽」だったわけで・・・。

そんな風に自分に言いきかせて、
日々「新しい音楽たち」をちょっとずつ聴いています。

脳ってのは怠惰なもので、
新しい情報を入れてあげないと、すぐにサボり出す。
新しいことを覚えるというのは脳にとっては負荷が高いから、
「やめとけ」「無理無理」とブレーキがかかる。

だから、慣れるのだ。
とにかく、数を聞きこなすのだ。
歌ってみるのだ・・・。

米津玄師
Official髭男dism(ヒゲダン)

YOASOBI
ずっと真夜中でいいのに
Ado
UNIZON SQUARE GARDEN
SEKAI NO OWARI(セカオワ)
King Gnu
Mrs. Green Apple
緑黄色社会・・・etc.etc.

さて、若者のあなたはもちろん大丈夫でしょうが、
ブログ読者のおとなのあなた。
これって、全部バンドやユニット名なんだけど、
ちゃ〜んとわかりますか?
歌、1曲でも知ってますか?
え?もしかして、歌えたりしますか?

こういうの聞いていると、
世界は紛れもなく進化しているなと感じます。
確実に前に進んでいる。

置いていかれないようにしがみついても、
まぁ、所詮振り落とされるわけだし、
そもそも、勉強しようって聞いてる時点であかんわけだし。

音楽の進化と共に、自らの感性も進化し続けるなら、
それはそれですごいことだけど、
まぁ、時代は巡っているわけで。

進化していく文化を遠くから見守るのと同じくらい、
守るべきものはきちんと守っていくのも、
オトナたちの役目。

だからね。
自分の「好き」は、しっかり守っていかなくちゃいかん。
そして、時折、
新しくって、ついていけないな、と思うものにほど、
目を見抱いて、耳をかっぽじって挑戦しなくちゃいかん。

・・・なんだか年寄り臭い文章になっちゃったから、
今日は、Yesでも聞いて、さっさと寝ます。

■無料メルマガ『声出していこうっ』。プライベートなお話からマニアックなお話まで、ポップな感じで綴っていきます!(ほぼ)毎週月曜発行!バックナンバーも読めますよ。

 - Life, 音楽

  関連記事

変化は必然。

業界のお仕事が長いせいか、 はたまた海外生活を経験したせいなのか、 変化に対する …

「妄想」は所詮「妄想」です。

小学校1年の終わりに急性腎炎で、2ヶ月ほど入院し、 (今となっては理由は定かでは …

ギターの6弦のチューニングは”E”と決まってる?

ギターの弦チューニングは6弦から、EADGBEと、決まってます。 ・・・ん? 決 …

バンド世代 vs. カラオケ世代

こどもの頃から楽器を練習している人でも、 自分の楽器以外のことはわからないという …

「すごい人」と、自分との距離。

どんな分野にも、すごい人というのはいるものです。 すごい人に出会う度に、自分の凡 …

若い頃の努力は金✨

「若い頃の努力は金✨」。 若い頃そんな風に言われると、 なんだか強制されている感 …

飽きず、 腐らず、 あきらめず。

自らが選んだ道の上で、 人に選ばれ、 人に望まれ、 人に期待されること。 &nb …

コツコツ積み重ねる微差が、逆転勝ちを演出する

自分の生まれは選べません。 生まれたときから、才能やルックスや音楽環境に恵まれて …

「夢に向かって邁進する」は美徳でもなんでもない。

学生時代、本の取り次ぎ店にバイトしていました。 バイトは朝の9時から夕方5時まで …

「完コピって、どんな曲したんすか?」

先日、語りはじめたら止まらなくなった、完コピのお話の2回目。 最近、昔、完コピし …