大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

「想像力」と「思いやり」がコミュニケーションの鍵!

   

ここ2~3日、ものすご〜くいろいろな社会の、
いろんなタイプの人たちと、いろんな形で接しました。

 

アーティスト
ヴォイストレーナー
外国人
役者
カメラマン
タクシー運転手
ミュージシャン(たくさん)
レコーディングエンジニア
出版プロデューサー
IT関係ビジネスマン
イベント制作業者
PAエンジニア
音楽制作会社スタッフ
学生・・・・

業界が違うとルールも流儀も違う。

挨拶も、服装の「正しい」も、
お互いに対する接し方も違います。

 

そして、この「違い」のせいで、
誤解したり、誤解されたりしてしまうのです。

 

例えば音楽業界では、
挨拶と言えば、握手を交わすのはごく普通の挨拶。

しかし、一般のビジネスパーソンに、
いきなり手のひらを差し出すと、ちょっと驚かれます。

そうかと思うと、時に、
先方の会社を失礼して、しばらくしてから振り返ると、
まだガラスドアの向こうで深々と頭を下げていたりして、
こちらがびっくりすることもあります。

 

外国人にとって、
親しい間柄ではキスやハグを交わすのが通常の挨拶。

とはいえ、同じ外国人でも、キスのタイミングや方法はさまざま。

若かりし頃、友人にフランス人の男性を紹介されて、
「はじめまして」と挨拶したら、いきなり頬にキスをされて、
驚きのあまり、相手を突き放してしまったことがあります。

突き放された相手は、私以上に驚き、傷ついたようすでした。

そうかと思うと、別れ際にアメリカ人の男友達にハグをしようとして、
「なにすんだよ〜!?」とジョーク混じりに突き放された、日本人男性もいました。
(その人曰く、アメリカ人の男性同士は別れ際にハグはしないとか。)

ところが、温かいハグ、キスを交わして、
名残惜しそうに別れた外国人の友人たちは、みな、
一度「じゃあね」と別れると、
けして振り返ることなく、ずんずんと行ってしまいます。

 

なにを心地よいと感じるか、
何を非常識と感じるかは、本当にひとそれぞれ。

 

挨拶に限らず、ことば、呼び名は、
相手との関係性をつくるキーになります。

 

「ミスター」や「さん」付きの、堅苦しい名字で呼ばれるのが苦手な人、

初対面の人を、いきなりニックネームや下の名前で呼ぶ人、

誰彼かまわずため口をきく人、

敬語をつかわれると距離を感じて嫌だと言う人、

丁寧語や敬語がきちんと使えない人が苦手な人、

 

正解はありませんし、
自分の「正しい」を押しつけることもできません。

 

大切なのは、想像力と思いやり。

一緒にいる人が何を心地よいと思うか、
何を不快に思うかを想像すること、思いやることが、
難しいことだけれど、つくづく大切なことだと、思いを新たにした日々でした。

46626119 - two multi ethnic affectionate girl friends embracing as they sit in a coffee shop enjoying a cup of coffee together

 - Life

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


  関連記事

陰口を言うなっ!

世の中には陰口を言うのが好きな人というのが、 少なからず存在します。 こうした人 …

no image
「情報」は量より質!

私はボイトレや声、カラダに関する本など、 気になるものを定期的にどかっと大人買い …

臨界点を突破する

「どんなに練習しても、高い声が出ない」 「毎日ボイトレしているのに、声量が上がっ …

自分を好きになるということ。

こどもの頃から、 自分じゃない人間になりたいと思っていた年月があまりにも長くて、 …

なめたらあかんぜよ

ずいぶん昔。 広告代理店で、プロデューサーのアシスタントのアルバイトをしていたと …

エネルギー不足で「やってられるか、ばかやろー」となったときなにをするか?

ガッツ不足に陥るときは誰にでもあります。   絶対うまく行くと思ってい …

この歌、どうして知らないの?

MTL定番の、 (そして、私自身が「ドS」と認定されるきっかけのひとつとなった) …

「目」にパワーを宿す

「いい顔をしている」。 「目に力がある」。 「面構え(つらがまえ)がいい」。 & …

地球の裏側まで、掘って掘って掘りまくる。

「チャンスをつかむこと」や「物事が好転すること」をたとえて、 「扉が開く」と言う …

雑草には雑草の生き方があるんでござんす。

芸歴30周年、40周年なんてお祝いをしている人たちが周囲に増えてきて、 ふと自分 …