大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

あなたが結婚式で歌って欲しい洋楽曲、なんですか?

   

職業柄、
結婚式などの余興で歌を頼まれることがよくあります。

2人の若者にとって、
基本、人生にたった一度きりの大切な時間。

親御さんやご親戚にとっても、
これほど大事な、特別な時間はないでしょう。

そんな場で歌うのは、
ホール級の大きなステージに立つよりも、ある種、緊張します。

 

服装や、ご挨拶、言葉遣い・・・
どれひとつとっても気を抜けませんが、
いつも最後まで迷い、悩み、
歌ってからも、あれでよかったのかな?
と思ってしまうのは選曲です。

せっかくご指名いただいたのだから、
披露宴に花を添える意味でも、盛り上げなくちゃいけない。

場が場なので、
会場のみなさんに、感動を与えられたら、
これ以上嬉しい事はない。

そのためには、
きちんと自分のものになっている、
得意なレパートリーの曲を歌うのが、
やっぱり一番・・・であるはず。
・・・しかし、です。
この「得意分野」が、

ディズニーのラブソングや、
さわやか系J-popの人は、
難なく選曲できることでしょうが、

洋楽、しかもロック、ブルース、やさぐれ系ともなると、
曲選びは困難を極めます。
結婚式にふさわしい曲を選び出すのが、
実は至難の業。

 

そもそも、あんまりハッピーな曲がない。

曲調がハッピーだからと選んでみたら、
びっくりするほど歌詞が憂鬱だった、
なんてこともよくあります。

しっとりした曲だからと選んでみたら、
死んだ恋人に捧げる曲だったり、
幸せになるために別れる曲だったり。

自分から去って行く人に幸せになってね、なんて曲だったり、
有名な不倫の曲や、
一人で生きることこそ尊いみたいな曲もあったりします。。

 

英語の歌詞に無頓着な人は、
BGMなんかでも、
びっくりするような曲を選曲しているものですが、
歌う側としては、それではダメですね。

 

そして、これまた、毎回困るのは、
日頃、洋楽のカバーや、
英語のオリジナル曲を中心に歌っていると、
こうした場で、一般の人が知っている曲を選び出すのが
これまた難しい、ということ。

 

音楽関係者の結婚式なら、
迷いなく選べる曲が何曲もありますが、
相手が一般の方となると、
やっぱり、ジェフ・ベックやアレサ・フランクリンや、
エアロスミスじゃ、どうしたって収まりが悪い。

かといって、カーペンターズや
ディズニーソングはキャラじゃないし、
ビートルズは盛り上げるのが難しいし・・・
 

歌い終わって、参列者のお年寄りに、
「できれば日本語で歌って欲しかったね〜」
「もうちょっと知っている曲、やってくれたら、なおよかったね〜」
などと言われること、しばしばです。。。

 

くぅ〜。。(涙)

 

かといって、

『てんとう虫のサンバ』でもないし。。。
『乾杯』はあんまりだし・・・
 
これまで一般の方の結婚式で、
なんとなくうまく行ったのは、

“Amazing Grace”
“Ellie, My Love”
(『いとしのエリー』レイチャールズ・ヴァージョン)
くらいだったでしょうか。。。

 

ウェディングで専門に歌う、
「ウェディングシンガー」というお仕事がありますが、

今度、ぜひ、そんな方たちに、
よきレパートリーをご教授願いたいものです。

きっと、私にだって歌える、幸せな曲がある・・はず。

・・・はず。

あなたが結婚式で歌って欲しい洋楽曲、なんですか?

コアでマニアックなネタを中心に不定期にお届けしているヴォイトレ・マガジン『声出していこうっ!me.』
購読はこちらから。

 - Life

  関連記事

陰口を言うなっ!

世の中には陰口を言うのが好きな人というのが、 少なからず存在します。 こうした人 …

想像力は人の痛みを知るためにある。

2002年、 ふらっと訪れた旧友たちの住むニューヨーク。 以前住んでいたアパート …

忙しいときほど立ち止まる〜複数の仕事をきっちりこなすためのヒント〜

よほど恵まれた状況にいるミュージシャンでない限り、 いや、恵まれた状況にいるミュ …

人は「エネルギー」なのだ。

昨日、70日ぶりに、 レッスン室にクライアントさんをお招きしました。 10週間。 …

確信だけが、人の心を動かす。

「MISUMIさん、バッチっす!OKです!」 レコーディングのお仕事では、 歌っ …

撤退は失敗ではない!〜ポジティブに「リセットボタン」を押せ。〜

「継続か?撤退か?」   ビジネスで大切なのは「はじめる時期」よりも「 …

旅に出よう!〜自分自身を見つめ直すチャンス〜

海外に出かけると、日本人が日本人と目を合わせないようにしていることに気づいて、 …

キレたら負け

好戦的な人というのは、どこにいってもいるものです。 まず、仕掛けてくる。 自分の …

世の中には、「カッコいい人」と「それ以外」しかいない。

「MISUMIぃ、お前さぁ、化粧品減って仕方ないだろぉ〜。 ハ〜ッハッハッハッハ …

学習や休養のためのスケジュールを優先的にブロックする

仕事が忙しくなって自由な時間がなくなってくると、 自分が本来取り組みたかったはず …