大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

60デシベルの勇気

   

先日、読んでいた本で、
「どんな物質も、意識のないところには存在しない。」
という量子力学の考え方が書かれていて、

時代が進むほどに、
科学とスピリチュアルはかけ離れるどころか、
その境界線がなくなってきているのだなと、
いたく感心しました。

 

ざっくり解釈するに、

私たちは「意識したものを引き寄せている」というよりは、
「意識したものを生み出している」。

だから、存在して欲しいもののことだけ考える。
大切なものだけ意識する。

そうしたら、自分を取り巻く世界は、
素敵なこと、好きなものだけで満たされる。

少なくとも、理論的にはそういうことのようです。

 

あぁ、それなのに。

私たちは、存在して欲しくないもののことばかり考える。

ああはなりたくない。
こんな風になったら困る。
あんな人とは関わりあいたくない。。。

そうやって、
嫌いなもの、望まない状況、会いたくもない人を、
次から次へとこの世の中に生み出して、
酷い目や、辛い目や、悲しい目にあっては、
運命を嘆いたり、誰かを恨んだり。

 

それは、人間というものの性なのか。

それとも、そんな意識を与えられたのも、
人間として成長するために、
神様がお与えになった試練というものなのか。

 

好ましい状況や、
幸福のあり方は人の数だけあります。

数字で計れる幸せを追い求める人もいれば、
目に見えない世界と繋がることを幸福と感じる人もいる。
心のおもむくままに生きることを至福とする人もいれば、
修行を重ねる人生こそ、生きがいと感じる人もいます。

家族や友人と寄り添い合って生きることを幸せと感じる人もいれば、
ひとりきりで生きることに自由と喜びを見出す人もいるでしょう。

自分にとっての幸福のあり方は、
さまざまな経験を積んでこそ、見いだせるもの。

「こうはありたくない」という状況があってこその、
「こうありたい」なのですね。

 

だから、私たちは、
存在してほしくないものを次々と生み出しては、
「こうありたい」という人生を見いだし、
選びとっていくのかもしれません。

 

意識しないものが存在しないのと同じように、
声に出さないことは実現しません。

望まないことは意識の中から消し去って、
望むことだけにフォーカスするためにも、

叶えたいこと、望むことを、
キッパリと声に出して宣言する。

声の波動が自分を動かし、人の心を動かし、世界を動かすのです。

 

60デシベルの勇気。

 

いい加減、望まないものがなんであるか、
見極められているはずのお年頃。

存在してほしくないものは、片っ端から消し去って、
望むことだけに手を伸ばし、
声出して行きましょう。

何時間話しても、大声で歌っても、”枯れない声”!?
7月18日(木) 2時間で声の悩みを解決するマジカルワークショップ。
詳細はこちら

 

 - Life, 声のはなし

  関連記事

雑草には雑草の生き方があるんでござんす。

芸歴30周年、40周年なんてお祝いをしている人たちが周囲に増えてきて、 ふと自分 …

「やりたい」と「できる」と「やる」

「音大目指すなんて、今からじゃ無理よ」 中学2年の時に、 とある音楽教室の先生に …

自分らしく歌う。 自分であるために歌う。 ありのままの自分で歌う。

「ちゃんと勉強した人が綺麗な声できちんと歌う」っていう、 従来の音楽的価値観をぶ …

ダメな時はダメ。それでいいのだ。

一昨日から、 書いても書いても仕上がらない記事がありまして。 どうやってもアップ …

ウソをつくなら、自分を騙せ!

ウソはダメだとわかっているのに、人は時々ウソをつく。 いや、時々じゃなく、意外に …

「それは、MISUMIさんが無理だって思っているからです」

後に圧倒的な成功を手にすることになる、 ある若き女性と、 食事をしていた時のこと …

「雰囲気」とは身にまとうもの

「わかってないなぁ。 ああいうスキャンダラスな雰囲気、お前、出せるわけ?」 &n …

「やるっ!」と決めた時から、旅ははじまっている。

「がまん」という言葉が嫌いです。 やりたいことこそ、やるべきことで、 やりたくな …

「情報」を正しく伝えるだけじゃ、 人は感動しないんだ。

「声って重要じゃないですか! プレゼンでも、講演でも、やっぱ、声だもんなぁ。」 …

「明日っからがんばろう」の「明日」は一生来ない。

「明日っからダイエットしよう」 「明日っから練習がんばろう」 「明日っから早起き …