大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

胸の痛みを抱きしめて進め

   

やっとの思いでミュージシャンの端くれになって、
少しでも一流といわれる人たちに近づこうと、
死にものぐるいで修行を重ねている頃、

 

おとなたちに、頻繁にかけられたことばは、
「いいわねぇ。好きなことして食べて行かれて」でした。

 

今なら、「ありがたいことです」と素直に喜ぶお言葉ですが、
当時の私は違っていました。

 

10代そこそこで、いきなり音楽に心を鷲づかみにされて以来、
寝ても覚めても音楽のことばかりを考えて、

人よりもできない自分が悔しくて、
認められないことが悲しくて、
ただただ、がむしゃらに練習して。
多少のお仕事をもらえるようになったとはいえ、
毎日が、鉛を引きずりながら歩いているように苦しくてたまらないというのに。

なぜ自分は音楽をやめられないんだろう、
なぜもっと、軽やかに、しなやかに、生きられないんだろうと、
真剣に悩んでいるというのに。。。

 

 

その頃の心境を例えるなら、

裏切られても、外泊されても、
愛情すら示してもらえなくても、

好きで好きで、別れられない男との生活を、
「うらやましいわね〜」と言われたような感覚とでも言いましょうか。。。

(いや。そういう生活をよくわかっているわけじゃないですよ。
イメージね。イメージ。)

 

「みんな、わかってないな。」

そんな風に思えてならなかったものです。

 

 

あれから、長い長い年月が経ちました。
今、確信となって私の胸にあること。

心を鷲づかみにされるほど、夢中になれるもの。

苦しくても、逃れられないほどの熱情。

カラダの中心からわき上がるような、がむしゃらなエネルギー。

「できない気がしない」という、大いなる勘違い。

ただただ追いかけたいという衝動。

 

そのすべてが、

「それをやるのだ。」

「お前が、やるのだ。」

「お前にはできるのだ。」

そんな、どこかからやってくるメッセージ。

 

苦しいのは、もっとやれるはずと、何かが自分に教えているから。

悔しいのは、まだまだあきらめ時ではないと、どこかで知っているから。

認められたいのは、今の自分に満足してはいけないのだと、感じるから。

 

一体いくつになったら、
「もういいんじゃない?」って自分で自分に言えるのか。

 

こんな自分にあきれながら、
今日もがむしゃらにがんばっています。

Miles to go before I sleep….

 

若者たちよ。

自分を信じてみよう。

もしも、自分が信じられないなら、自分の夢を。

それも難しいなら、どうしようもない、胸の痛みを。

抱きしめて進もう。

 

痛みの先に、答えがあるのだ。

46102703 - sad teenager sit by the wall on the street

 - Life, 夢を叶える

Message

メールアドレスが公開されることはありません。

  関連記事

自信がある人のように振る舞う

世の中には、同じような実力があって、同じような地位にいるのに、 なぜか「自信満々 …

「完璧」の基準が「自分」がつくる。

何年か前まで、夏休みの宿題として、 「大好きな曲を1曲だけ選んで、徹底的に練習し …

直感に突き動かされて、崖から飛び降りる

行動のきっかけは、いつだって、 ちょっとした思いつき、衝動、閃き、出来心。 即断 …

「悔しい」「うらやましい」「憎たらしい」がパワーの源

自分が叶えたくて仕方のない夢を、 身近にいた人があっという間に実現してしまったと …

「今さらそんなことして、どうするつもりなの?」

思わず口をついてでることばには、 その人が日頃、何を信じているかが反映されます。 …

意味ある「1」を積み重ねる

「小さいことを積み重ねるのが、 とんでもないところへ行くただひとつの道だと思って …

「私はドジでのろまなカメです」

「私はドジでのろまなカメです」   これは、『スチュワーデス物語』とい …

居心地のいい場所では一生学べないことをアウェイは一瞬で教えてくれる

「一般の人向けの本を出版したいんなら、 一般向けセミナーくらいやらなくちゃダメで …

「ときめかない」ものは、「ときめかない」。以上。

こどもの頃から、アイドル歌手というものに、 ホントに興味が持てませんでした。 友 …

「夢に向かって邁進する」は美徳でもなんでもない。

学生時代、本の取り次ぎ店にバイトしていました。 バイトは朝の9時から夕方5時まで …