未来人たちよ。「リアル」に触れよ。
自分が高校生、大学生だった時代を振り返ると、
あぁ、ずいぶん未来までやってきちゃったなぁ、
と感じることがあります。
銀行の用事といえば、
通帳と印鑑を持って窓口に並ぶのが当たり前だった時代がありました。
欲しいレコードが届くまで、注文してから1週間、2週間と待たされたこともあります。
数日前に見かけた商品を買いに出かけたら売り切れていて、
デパートを何件もハシゴして探し回ったこともありました。
あるかないかもわからない情報を求めて、
本屋さんや図書館を巡り、
雑誌や本を立ち読みし、
知り合いや、そのまた知り合いを追いかけ回したり、
あちこち電話をかけたりもしたものです。
渋谷の楽器屋に出かけて、
手に入れるはずだった小物が売り切れだと言われる。
しょうがないなぁと山手線に乗って、新宿の別の店に向かうも、
「置いてない」「扱ってない」と言われてしまう。
ならばと、中央線に乗って出かけてみれば、
お茶の水のお店は定休日。
結局中央線と山手線を乗り継いで、銀座に向かう・・・。
そんな山手線ゲームみたいなことを、真面目にやっていました。
携帯電話もない時代。
公衆電話に入って、電話帳をひっくり返しでもしなければ、
お店の電話番号もわかりません。
ちょっとした物を手に入れるのに、
毎回ものすごいエネルギーを使っていたわけです。
PCの前に座ったままで、お金を右から左へと動かし、
ちょいっとポチるだけで欲しいものが即座に配達される。
知りたいことがあればキーボードを叩くだけで、
一瞬にして世界中から情報が集まってくる。。。
こどもの頃読みあさったSF小説の世界が、
目の前に広がっています。
ここは、「未来」の世界なんですね。
さて。
未来人である今の若者たちは、
さぞかし無駄のない、
効率的で生産性のある人生を送っているのではと思うと、
全然そんなことはありません。
原始人たちと同じように、
無駄だらけの、効率とは無縁の寄り道や、
無駄足をたくさんしている。
ただそのほとんどが、
PCや携帯、タブレット上のの世界に集約されている、
それだけのことです。
未来人に原始人の価値観を押しつけることは、
無意味で不毛です。
しかし、この原始人的な無駄のあり方が、
原始人たちを強く、たくましくしてきたことに、
時に、注目してみてもらいたい。
この原始的な方法では、
情報以外に、こんなにたくさんのものが手に入ります。
●一件目がダメなら二件目。三件目と、めげずに探すしつこさ、粘り強さ。
●カラダを動かすマメさとエネルギー
●見知らぬ人に尋ね歩く勇気
●道中触れるさまざまな情報(街、人、店、自然・・・)
●体力・・・etc.etc.
リアルな世界には、
実際に触れることなしには、
けして経験できない「もの」や「こと」があふれています。
mp3やYoutubeでしか音楽を聴かなければ、
あの全身総毛立つような会場の振動や、
ステージから降りてくるスモークの冷気、
鼓膜がびりびりするアンプの爆音や、
下っ腹から突き上げるような低音や、
眼球を突き刺すようなライトや。。。
そんなすべてを肌で感じることはできません。
「リアルに触れる」は習慣です。
一度、時間を見つけて、原始時代の無駄を体験してみると、
バーチャルの世界では知るよしもない情報量に、
きっと驚くはずですよ。
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