何を言われても、自分がぶれなきゃよくないですか?
少し前まで海外には、
「日本人はいまだにちょんまげ結って、着物着ている」
と思っている人がまだまだたくさんいるらしい、
と言われていました。
うっそぉ〜と言いたいところですが、
日本人だって、つい最近まで、
インド人はみんなターバン巻いて、カレー食べてる、
エジプト人はラクダ乗ってて、
アフリカの人はみんな槍もって動物追っかけてる・・・
な〜んて、思ってた人、結構いるはず。
人は限られた情報から自分なりのイメージを取り出し、
やがて、そのイメージを通して何かを見たり、
判断したりするようになります。
一度植え付けられたイメージは、
なにかしらきっかけがなければ書き換えられるものではありません。
たとえば、
ニューヨーク時代、
2人のトルコ人のクラスメートがいました。
男性女性1人ずつでしたが、
どちらもとても気むずかしく、
にこりとも微笑まない、ちょっと変わった人たち。
彼らは、英語が苦手だったせいもあるのか、
一緒に過ごしていても、ずっと眉間に皺を寄せて、
何かに文句をつけているというイメージでした。
やがて、
私にとってのトルコ人は、
「にこりとも笑わない、いつも不機嫌で、不平不満の多い変わり者たち」
となっていました。
ところがです。
ある日、別のクラスで、
やはりクラスメイトにトルコ人男性がひとりいる、という友人が、
いきなり、
「いやぁ、トルコの人は愉快だよね」
というのです。
「音楽も詳しいし、気さくで、素敵な国民だよね」
・・・
彼はたった1人の、そして、私はたった2人のトルコ人を知っているだけで、
「トルコ人」を語っているわけです。
人のイメージとは、げにいい加減で、自分本位なものです。
第一印象を大切にすることは、もちろん大事。
初対面でなにか失敗をしでかしたと感じたら、
早いうちに修復するなり、
なにかしら自分自身の新しい情報を提供して、
イメージをアップデイトすることも、たぶん大事。
反対に、
相手の自分に対するいいイメージを壊さないように、
心を配ることも、きっと大事。
でも、でも、でも。
なにより大事なのは、ぶれないこと。
自分が自分であり続けること。
人が自分に対して抱くイメージなんて、
そんなファジーな、いい加減なものばかり気にして、
ちまちま、こせこせ、
悩んだり、凹んだり、悔やんだりするなんて時間の無駄。
「おまえ何様?」で結構。
「口ほどにもないね。」上等。
「なんだ、結局目立ちたいんじゃない。」あっぱれ。
何があってもぶれない自分でいられるなら、
自分に興味を持ってくれる人だけが、
ちゃんと自分を知ろうと努力をしてくれて、
やがてきちんと自分を理解してくれたり、
リスペクトしてくれたりする。
自分と向き合おうともしない人が、
自分にどんなイメージを持ってたって、よくないですか?
フジヤマ、チャンバラ、ちょんまげ、芸者、
って思ってる人は、
だぶん、一生日本と関わりあうことのない人たち。
それって、火星人と地球人の関係となんら変わりのない、
平行線を生きてる人たちですから。
あ、私は、もうちょっとトルコ人を知りたいなって思ってますよ。
念のため。
 
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