情報処理のスピードを上げる。
遠〜い昔。
小学校時代の親友に、とってもよくお勉強ができる、
某有名私立中学に一発合格した子たちがおりました。
ある日その子たちと一緒に、なにかのノートを書き写していて、
不思議なことに気づきました。
同じ文章を書き写しているのに、
その子たちが、お手本のノートを見る回数は、
私の3分の1くらいなのです。
1文を書き写すのに、何度もその文を確認しながら書いている私に対し、
その子たちは、ぱっと文を見ると、すらすらっと写してしまう。
消しゴムも使わないし、間違いはほとんどありません。
子供心に、さすが秀才といわれる子たちは情報処理スピードが違うと、
感じたものです。
情報処理のスピードはインプットされている情報量に比例します。
それらの情報がいかに整理されてた状態で、格納されているかも重要です。
音楽も同じでしょう。
BGMのように、ただ流して聞いているだけでは、
どんなに大量に聞いていたとしても、
情報としてきちんとインプットできているかどうかは疑問です。
生活音レベルの音はなかなかカラダの内部に定着しないものです。
興味を持って聞く。
楽しんで聞く。
それではじめて、インプットされる情報の質と量は向上します。
音楽にのめり込めばのめり込むほど、
それぞれの情報は濃く、しっかりとインプットされることになります。
やがてインプットされた山のような情報が、
自分の中で少しずつ整理され、系統立てられていくとともに、
情報処理のスピードは圧倒的に上がっていく。
さらっと聞いただけでも、
さまざまな情報を拾えるようになるのです。
そうなると、上昇のスパイラルです。
同じ曲を聴いても、
「元気な曲だね」「ロックだね」「いい歌詞だね」
という何気ない情報しか拾えない人と、
リズムパターンからコード進行の妙、
楽器それぞれの音色や奏法、
作者やアレンジャーの意図、
音色のこだわりやミックスにおける仕掛けなどなど、
どどどと情報が流れ込んで来る人とでは、
自身のアウトプットできる表現や技術に大きな開きが出てきます。
パフォーマンスや作品の精度が高い人は、
情報処理能力が高いのです。
もちろん、学習には弊害もあります。
音楽からあらゆる情報が受け取れるようになると、
純粋に音楽を楽しめなくなる時期もあるでしょう。
しかしプロフェッショナルを目差して学ぶなら、
それは通らなくてはならない道。
やがて、自由自在に、
情報処理スイッチのON、OFFが出来るようになり、
純粋に楽しみたいときには思いきり楽しめるようになりますよ。
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