大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

無限大に見える作業量を前に、ひるんだら負けだ!

   

洋楽のカバーを歌う、英語の苦手な学生たちに、
英語の発音指導をすることがあります。

「ちょっと歌詞だけ読んでみて。」

「え〜と・・・ふぇんん〜〜あいぃ ふあいんどぉ まいせるふ?
いん たいむずぅ〜おぶ・・・え〜と、とらぶるぅ〜〜・・?」

「あ゛〜〜・・ちょっと待って!
ちゃんと歌詞だけ読んでみたりとかしてる?」

 

そう聞くと、学生は、もれなく、顔を赤らめ、小さい声で、

「いいえ」。
 

歌はメロディのついたことばです。
 
話せないことばは歌えない。
音楽になる、ならない、以前の問題です。
 

もちろん、邦楽指向で、一切英語に興味がないという子なら別ですが、
洋楽のカバーを好んでやっていて、
将来的に、英語の歌も歌って行きたいという子たちにとって、
英語ができないのは、ゆゆしき問題です。
 

さて、「若いうちに英語勉強しとけよ」的なお話は、
またゆっくりじっくりさせていただくとして・・・

まずは、しゃべれなくても、なんでも、
とりあえず、英語に聞こえないと話になりません。
 
帰国子女さんたちのことは、この際おいておいて。
 

同じように小学校、中学校から英語の勉強をはじめた子たちでも、
発音のうまさは、本当に個人差があります。
 
理由はさまざまで、
耳のよさだったり、
こどもの頃から英語に触れているかどうかだったり、
口の器用さだったり・・・
 

実は、英語力と発音のよさはイコールではありません。
 
何年外国に住んでいようが、
どれだけ語学が堪能だろうが、
発音がイマイチな人は、たくさんいます。
 

それでは、歌の精度はあがらないのです。

 

さあ。
ここが、一念発起のしどころです。
 

一生、「発音がイマイチな歌手」で終わるか。
 

歌も発音もカッコよくて、
「頭ひとつ、抜け出た歌手」になるか。

 

「そんなこと言うけど、MISUMIせんせい〜・・・」

帰国子女じゃないし・・・
こどもの頃、親が英語を習わせてくれなかったし・・・
英語の歌に目覚めたのが遅かったし・・・
留学したくても、そんなお金はないし・・・
英会話学校に通う時間的余裕はないし・・・
外人の友達なんか、どうやってつくったらいいかわからないしぃ〜〜〜〜。。。
 

わかります。わかります。
 

そんな八方ふさがりな状況、
インターネット以前に青春していた人はみんな同じです。
 

では、どうするか?
 

ここでも自分に問いただして欲しいことはひとつです。

 

「お前はベストを尽くしたか?」
 

発音記号を全部調べたか?
 

単語ひとつひとつ、アプリやネットで調べて、音声を聞いてみたか?
 

なんなら、子音ひとつひとつ、
完璧に発音できるまで、何時間も、何時間も練習したか?
 

歌詞を読んで、録音してみたか?
 

聞こえるままに、耳コピしてみたか?
 

稚拙に聞こえる理由を徹底的に分析してみたか?
 

・・・やれることは無限大にあるはずです。

 

「うまく発音できている人はみな、環境に恵まれていたのだ」
と思うのはやめましょう。
 

カセットテープもない時代、
ラジオから流れる音声をしつこくマネするうちに、
ぺらぺらになったというDJがいました。
 

単語のひとつもわからない状態で外国に移り住んで、
よく知った日本の戯曲の英語版翻訳をみつけて、
単語をひとつひとつ覚えていったという、昭和の女優さんがいました。
 

無限大に見える作業量を前に、ひるんだら負けです。

かかる時間を恐れてひるめば、ひるんでいる時間だけ無駄になります。
 

人は、どんなことでも、夢中に取り組むうちに、時間を忘れるもの。
気がつけば、びっくりするほど上達している。
そういえば、何年も経っていた・・・そんな感じです。
 

かかるであろう時間を恐れるな。
 

はじめない自分が無駄にするであろう時間を恐れろ。
 

今日の結論はそういうことです。

 

26519495 - funny crazy girl student with glasses reading books in the library

 - Life, 「イマイチ」脱却!練習法&学習法

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