無限大に見える作業量を前に、ひるんだら負けだ!
洋楽のカバーを歌う、英語の苦手な学生たちに、
英語の発音指導をすることがあります。
「ちょっと歌詞だけ読んでみて。」
「え〜と・・・ふぇんん〜〜あいぃ ふあいんどぉ まいせるふ?
いん たいむずぅ〜おぶ・・・え〜と、とらぶるぅ〜〜・・?」
「あ゛〜〜・・ちょっと待って!
ちゃんと歌詞だけ読んでみたりとかしてる?」
そう聞くと、学生は、もれなく、顔を赤らめ、小さい声で、
「いいえ」。
歌はメロディのついたことばです。
話せないことばは歌えない。
音楽になる、ならない、以前の問題です。
もちろん、邦楽指向で、一切英語に興味がないという子なら別ですが、
洋楽のカバーを好んでやっていて、
将来的に、英語の歌も歌って行きたいという子たちにとって、
英語ができないのは、ゆゆしき問題です。
さて、「若いうちに英語勉強しとけよ」的なお話は、
またゆっくりじっくりさせていただくとして・・・
まずは、しゃべれなくても、なんでも、
とりあえず、英語に聞こえないと話になりません。
帰国子女さんたちのことは、この際おいておいて。
同じように小学校、中学校から英語の勉強をはじめた子たちでも、
発音のうまさは、本当に個人差があります。
理由はさまざまで、
耳のよさだったり、
こどもの頃から英語に触れているかどうかだったり、
口の器用さだったり・・・
実は、英語力と発音のよさはイコールではありません。
何年外国に住んでいようが、
どれだけ語学が堪能だろうが、
発音がイマイチな人は、たくさんいます。
それでは、歌の精度はあがらないのです。
さあ。
ここが、一念発起のしどころです。
一生、「発音がイマイチな歌手」で終わるか。
歌も発音もカッコよくて、
「頭ひとつ、抜け出た歌手」になるか。
「そんなこと言うけど、MISUMIせんせい〜・・・」
帰国子女じゃないし・・・
こどもの頃、親が英語を習わせてくれなかったし・・・
英語の歌に目覚めたのが遅かったし・・・
留学したくても、そんなお金はないし・・・
英会話学校に通う時間的余裕はないし・・・
外人の友達なんか、どうやってつくったらいいかわからないしぃ〜〜〜〜。。。
わかります。わかります。
そんな八方ふさがりな状況、
インターネット以前に青春していた人はみんな同じです。
では、どうするか?
ここでも自分に問いただして欲しいことはひとつです。
「お前はベストを尽くしたか?」
発音記号を全部調べたか?
単語ひとつひとつ、アプリやネットで調べて、音声を聞いてみたか?
なんなら、子音ひとつひとつ、
完璧に発音できるまで、何時間も、何時間も練習したか?
歌詞を読んで、録音してみたか?
聞こえるままに、耳コピしてみたか?
稚拙に聞こえる理由を徹底的に分析してみたか?
・・・やれることは無限大にあるはずです。
「うまく発音できている人はみな、環境に恵まれていたのだ」
と思うのはやめましょう。
カセットテープもない時代、
ラジオから流れる音声をしつこくマネするうちに、
ぺらぺらになったというDJがいました。
単語のひとつもわからない状態で外国に移り住んで、
よく知った日本の戯曲の英語版翻訳をみつけて、
単語をひとつひとつ覚えていったという、昭和の女優さんがいました。
無限大に見える作業量を前に、ひるんだら負けです。
かかる時間を恐れてひるめば、ひるんでいる時間だけ無駄になります。
人は、どんなことでも、夢中に取り組むうちに、時間を忘れるもの。
気がつけば、びっくりするほど上達している。
そういえば、何年も経っていた・・・そんな感じです。
かかるであろう時間を恐れるな。
はじめない自分が無駄にするであろう時間を恐れろ。
今日の結論はそういうことです。
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