大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

オリジナリティ

   

「オリジナリティにこだわってるんで。」

と、オリジナル曲をやっているバンドや、
アーティストはたくさんいますが、
本当の意味でのオリジナリティを感じられる演奏や、
アーティストには、滅多に出会いません。

「オリジナル曲をやること」イコール、
「オリジナリティがある」ということでは、
どうやらないようです。

 

いわゆる「オリジナル曲」の多くが、
オリジナリティがあると言われている、
○○というバンドの劣化コピーだったり、
△△というアーティストのミスコピー。

一方で、カバー曲をやっていても、
そこにオリジナリティあふれるアレンジを施していたり、
パフォーマンスそのものにオリジナリティがあふれている、
バンドやアーティストもたくさんいます。

オリジナリティの原義は独創性。
「他人をまねることなく,独自の考えで物事をつくり出す性質能力。」

しかし、「人と違う事」ばかりを意識してなにかをやれば、
色物扱いされるのが関の山です。

そもそも、誰かを意識している段階では、
オリジナリティある作品は、
なかなか生まれてこないものかもしれません。

シンガーにもオリジナリティあふれる歌唱スタイルを持つ、
といわれるシンガーがいます。

しかし、それはけして、
「他の人とは違う歌い方をしたい」
という欲求から生まれるスタイルではなく、
たた、自分の心、感性に忠実に歌っていたら、
オリジナリティある歌い方になった、ということ。

 

作品づくりもおなじなのではないか。

自分の感性を極める。
自分の表現を極める。
自分自身を極める。

そこに、工夫が生まれ、
研究や鍛錬がなされ、
オリジナリティが生み出される。

自分自身であるということ。
それこそが最もオリジナルなことなのだけど、
それを極めるのは、なかなかに修行のいることなようです。

オリジナリティにこだわるなら、
本気でこだわらなくちゃ、ってことなんですな。

 

【MTL Online Lesson12 12月生の募集スタート!】
時間や場所の制約なく、繰り返しレッスンできる【MTL Online Lesson12】 。12月生の募集は25日まで。
次回の募集は3月以降になりますので、ご興味のある方はこの機会に是非。
詳しくはこちらです。

【”ヴォイトレ365″ 毎日配信中】
365日間、声とヴォイトレを語り倒します。
メルマガ読者様向け、スペシャルオファーもあります。
バックナンバーも読めますので、ご登録がまだの方はぜひ、こちらから。

 - 「イマイチ」脱却!練習法&学習法, 音楽

  関連記事

いい歌は左脳を麻痺させる。

ものすごくうまいのに、ものすごく退屈な歌、というのを、 たくさんたくさん聞いてき …

リモートはコミュニケーションのハードルを上げた。

最近、連日のように受ける側として、 オンラインセミナーに参加しています。 学ぶと …

ネックの曲がったギター vs. 姿勢の悪いヴォーカリスト

姿勢やフォームが悪いヴォーカリストは、 ネックの曲がったギターに例えるのがもっと …

音楽環境が人をつくるのか。 人が音楽環境を選ぶのか。

今はもうすっかりおとなの甥っ子が、幼稚園生だった頃の話です。 アニメ関係の仕事を …

習慣化するための3つのコツとくふう

自主ロックダウンスタート以来、 新しい習慣がいくつかできました。 毎朝のヨガ(3 …

うまくなる人の5つの条件

「うまくなりたかったら、やっぱヴォイトレしなくちゃダメですかね?」 「学校みたい …

人は、他人のにおいに「敏感」かつ「不寛容」なもの。

「角の○○さんのご主人、若い頃はカッコよかったのよ。 ハワイアンバンドにいたらし …

「ハモらない」時の覚え書き

人とコーラスをやっていると、 「あ、気持ちいい!」と思えるときと、 「う〜〜、ハ …

ペダル、踏んじゃだめよ。

小学校4年の時に、友だちの弾くピアノの調べに胸を射貫かれ、親に頼み倒すこと3年あ …

「私のカラダはギターには向いていないんだ・・・」

高校時代、ギターリストを目差していた頃のお話。 クラプトンに憧れて、黒いストラト …