大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

天才には、がんばらないでいただきたい。

   

どこからどう見ても天才という人が、
やっぱり世の中にはいるものです。

生まれながらの天才なのか、
環境に恵まれたのか、
運がよかったのか、

そういうすべてをひっくるめて、
「天才」であるわけで。

それでも、いわゆる天才にありがちなのが、
そういう天賦の才にあぐらをかいたり、
「なんだ俺って天才じゃん」と油断したり、
がんばらなくてもうまくいくよねと、と高をくくったり、
はたまた、特に欲しいと思わないのに手に入ったものばかりだから、
いともあっさり、簡単に捨ててみたり。。。

でまぁ、実は、
「才能はあったんだけどね」と言われる人のほとんどが、
このどれかに属すわけなのですが、

こういう人たちは、いわゆる、
「昔天才、今、ただの人」。

こんな話を聞くたびに、
「もったいないよね」などと言いながら、
どこか、ちょっぴり、
まぁ、天才って、そんなもんかもね、
などと、胸をなで下ろしたりする、小者な自分がいたりします。

しかし、です。
それは、「いわゆる天才」の場合。

「本物の天才」は、全然違う。

本物の天才は、天才なくせに、誰よりも、とんでもなく努力するんですね。
「努力できる」という才能まで持ち合わせている。

おまけに、才能の使い方をちゃんとわかってるから、
世の中が、その天才を見つけ損ねるなんてこともなく。
「運」とかいう天賦の才もちゃんと持っている。

そもそも、世の中に見出されない人は、
「本物の天才」認識されないわけですから、
あたり前なのかもしれないけれど。

で、そういう本物の天才が出てきちゃうと、
もうね、凡人は、どんっっっなにがんばっても太刀打ちできません。

石にかじりつこうが、
命かけようが、
不惜身命とかって言おうが、

いや。やっぱし、ダメなものはダメ。
っていうか、そこで比べている時点で、やっぱりだめ。

だって、本物の天才って、
「あたしだって、もしかしたら・・・」なんて、思ってないんですね。

ちゃんと、自分が天才だって知ってる。
そして、がんばると、もっとすごいとこへ行けるってのもわかっている。

馬鹿は死ななきゃ治らないというけれど、
天才には死んでもなれないかもしれない。

そんな風に思うほどに、憂鬱を感じる凡人であるあたしたちは、

天才たちの偉業を仰ぎ見つつ、
やっぱり、石にかじりついたり、命をかけたりする以外、
生きていく術はないんですな。

ちっくしょぉおお〜。

■無料メルマガ『声出していこうっ』。プライベートなお話からマニアックなお話まで、ポップな感じで綴っていきます!(ほぼ)毎週月曜発行!バックナンバーも読めますよ。

 - Life, 夢を叶える

  関連記事

「前提はなにか?」を見極める

どんなことにも、原因があります。 大事なのは、「前提はなにか?」を見極めることで …

「できない気がしない」自分を信じる。

「できない」「無理だ」と思えたら、人生はどんなに楽だろう。 高校時代から、現在に …

前進し続ける人に共通のキーワード

「もう」は「まだ」なり。「まだ」は「もう」なり。 私の文章によく登場するので、最 …

「生みの苦しみ」

作品をつくり出すことは、非常に苦しい作業です。     例え …

好きであることは自分への責任であり、義務である。

「好きなことをみつけて、それを一所懸命やれよ。 好きなことのない人生はつまんねー …

肉体は変化する

ずいぶん前のことになります。 クラプトンのコンサートのチケットがあるからと、 友 …

「歌うことをはじめる」はじめの一歩をどう踏み出すか。

「ずっと歌をやりたかった。」 そんな風に思っている人は、数え切れないほどいるよう …

自らの夢想の傍観者でいてはいけない。

「MISUMIちゃんの書くような曲なら、俺、100曲書けるぜ。」 ずいぶん昔のこ …

「苦手なことは、時間と共にますます苦手になる」悪循環を断つ3つの方法

人は、得意なこと、適性があることを、 好んでやる傾向があります。 また、自らは、 …

「夢に向かって邁進する」は美徳でもなんでもない。

学生時代、本の取り次ぎ店にバイトしていました。 バイトは朝の9時から夕方5時まで …