時間は前にしか進めない。
昨日、ロンドンへ向かうの飛行機の中でのこと。
周囲の人が何度も自撮りをしたり、
飛行機の内外の風景や機内食をスマホやデジカメに収めています。
機内にはなんと有料ながらWi-Fiのサービスまであって、
「”Stay Connected”=つながっていよう」文化は、
ついに、空の上でのSNSまでも、可能にしてしまったようです。
そんなことに時間をつかって、もったいない!
なんでそんなことに夢中になれるのかわかんないよ。
SNSが苦手という人たちは、そんな風に言います。
確かに、いいおとなが、パシャパシャ写真を撮っては、
SNSにアップするのは、冷静に見てみれば、
なにやってんの?なんのためにやるの?と思えなくもない。
インターネットなど存在しなかった時代は、
みんなもっと周囲を見ていたのにとか、自由だったのにとか、
そういうものの見方もあるでしょう。
しかしです。
ひとりぼっちで、不安な思いを抱きながら、
何度も海を渡った身にしてみれば、
あぁ、なんていい時代になったんだろう、と心から思えます。
孤独との戦いだった、言語や文化のまったく違う世界での暮らしが、
家族や友人といつでもつながれるようになったことで、
どれだけ気楽に、心救われるようになったことか。
海外で暮らしていた時代に、もしもSNSがあったら・・・
家族や彼氏や友達や、そんなたくさんの人たちのリアルな声が、
つらかったあんな時や、こんな時、
もっともっと私を支えてくれたのではないか。
あの時知り合った、世界各地から留学していたたくさんの友達と、
今でもつながっていられたのではないか。
不毛に思えた日々の生活を、客観的に伝えようとすることで、
自信を修復したり、勇気を奮いたたせたり、できたのではないか。
そんな風に思えるのです。
もちろん、SNSがなかったからこそ、
なにがなんでも英語でコミュニケーション取れるようにならなくちゃと、
必死に勉強に取り組めたのでしょうし、
祖国の人たちとつながれないからこそ、
世界各地の人たちと友達になろうと夢中になったのでしょう。
短期間でたくさんの曲を制作できたのも、
ひとりぼっちで不安だったからかもしれません。
時代が違ったからこそ、なし得たであろうことは、数えきれません。
しかし、SNSが発達したからと言って、
それらが選択肢から消えたわけではない。
勉強に集中できないことや、英語が上達しないこと、
心が強くなれないことなどなどを、SNSのせいにするのは間違いです。
どんな時代も、志高い人は、新しい世の中のいい面だけを利用して、
バランスを保ちながら、自分を高めていくものです。
時間は前へしか進めません。
移りゆく世の中から目をそらさない勇気を、
たとえ何才になっても、なくしてはいけない。
そうして、少しずつでも、時代になじみながら、
自分なりの心地よいバランスを見つけていくことこそが、
激動の時代を自分らしく生き抜く唯一の方法なのだと信じています。
Old meets New.
関連記事
-
-
「クリエイトすること」そのものに愛情を持てるか。
最近、わけあって、 Youtubeをあれこれサーフィンする機会が増えました。 今 …
-
-
「可能」を生きる
「一体いつから、できない理由を先に数えるようになったんだろう。 可能性に胸躍らせ …
-
-
「嫌い」なものは「嫌い」
人の好みはいろいろです。 納豆が大好きな人もいれば、あの匂いには我 …
-
-
ウサギとカメはどっちがすごい?
私の生涯の夢のひとつに、 「徒競走で旗の下に座りたい」というのがあります。 笑え …
-
-
夢中になれる音楽は「一生の宝」
少し前のこと、バンド仲間で、キーボーディストの友人に、 「若い頃、影響を受けた音 …
-
-
「努力」なんか好きじゃないっ!
「あなたみたいに、努力するのが好きな人のマネはできないわ。」 一緒にお仕事をやっ …
-
-
酒とタバコと断崖絶壁
学生時代からバンドをやって、 学祭やライブなどで歌ったり、演奏したりしていた、 …
-
-
若さのエネルギーなんて、誰だって持ってるし、誰だって失う。
あれは中学1年の頃。 美術の時間になると、 テストの成績の1位〜3位を、 常に争 …
-
-
「やった感」はいつだって、ちょっと痛い。
みなさん、明けましておめでとうございます! 2017年がはじまりました。 みなさ …
-
-
【自己評価を上げるためのチャレンジ】
「あなた、ホントにきれいよね〜」 「キミって、カッコいいね。」 そ …
- PREV
- 「本当に有名な人」は、意外なほど気づかれない。
- NEXT
- 何を切り取るか。どう切り取るか。