大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

ライブ前夜にすべき3つのこと

      2015/12/20

ライブの前夜にチェックすべきことは、3つです。

 

1.  曲や歌詞、MCの準備は万全か?

ちゃんと言うべきこと、歌うべきことはカラダに入っているでしょうか?

歌詞を見ながら歌うなんて、プロならあり得ない。シロウトならもっと御法度。
歌詞を覚えられるくらいの準備ができていないなら、
人前で歌う準備は整っていないと思った方がいいと思います。

もちろん、暗譜、暗記でステージに立つのは、
どんなプロフェッショナルでも怖いもの。

しかし、譜面や歌詞カードに頼っていては、一生「表現者」にはなれません。

準備と勇気が必須なのです。

 

2.衣装は完璧か?

パフォーマンスの際に、もっとも大切なのは、思い込みと勘違い。

いかに自信を持って人前に立てるかです。

練習がどんなに万全でも、ステージプレゼンスに自信が持てなければ、
気分よく人前に立つことはできません。

自分の気分が上がらないということは、お客さんも盛り上がらないということ。

この服に身を包めば、いい女になれる。思いきりいい気分になれる。
そんな服、ヘア、お化粧を準備しましょう。

あくまでも、自分目線でいいのです。
思い込みと勘違い。

ヘアメイクや衣装で足りない分は、自己暗示で乗り越えます。

 

3. 睡眠と休養はバッチリ取れているか?

声は、睡眠で決まるといっても過言ではありません。

練習や準備が大変で、寝る暇がなかった、では本末転倒です。

リハーサルをがんばりすぎて、声が枯れてしまったも言語道断。

本番で最高のコンディションになれるように、
休養や睡眠は充分取りましょう。

計画や準備を逆算して立てるのも大事なことです。

 

 

ライブの前日は、自分の頭にひとつも「?」(はてな)がない状態を目差す。

そして、その瞬間、今の最高の自分を引き出せる状態を創る。

これこそが、すべてを忘れて、パフォーマンスに没頭する、
100%、自分を表現するための鉄則なのです。

18068329_s

 - The プロフェッショナル

  関連記事

「心」じゃなくって、「耳」で聞くのだよ。

こんなことを書くと、また誤解されそうですが・・・ 音楽ファンや愛好家はともかく、 …

「そんなこと、基本の「き」だろう!!?」

某ビール会社のCM制作のお仕事で、 ある著名なボーカリストが歌うイメージソングに …

「キー決め」の3つのポイント~Singer’s Tips #25~

キーを決める時、 「高いところが出ないから下げる」、 「低いところが歌えないから …

ああ、テクノロジぃい

音楽家ってのは、(いや、ヴォイストレーナーってのもそうか。)ゴールデンウィークと …

上澄みをすくい取って「わかった気」にならない。~Singer’s Tips#21~

ちょっと昨日のブログの続編的なお話です。 ひとつの曲が生まれて、 受け手の手元に …

人生はリハーサルのない、1度限りのパフォーマンス

ひとりのミュージシャンの生涯には、 どのくらいの苦悩や葛藤、挫折があるのでしょう …

たったひとつの正解を探す~Singer’s Tips #34~

キーは、 どんな表現をしたいか、 どんな効果を狙うか、 自分のどんな表情を切り取 …

「ダメ出し」こそが、プロの技を試される仕事なのだ

他人にダメ出しをする人には、 自分のためにダメ出しをする人と、 相手のためにダメ …

「髪の毛一本」にこだわる。

「ヴォーカル(の音量)、”髪の毛一本”上げてください。」 …

ねつ造不可能なキャリアを刻む

Webの世界をサーフィンしていると、 昨今は、みんな本当にセルフ・ブランディング …