大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

「数値」と向き合う。「ヒト」と向き合う。

   

◆歌の「うまさ」は数値化できる。

専門的な機械を使えば、いや、近年ではそこそこのソフトをつかうだけでも、
ピッチも、リズムも、ダイナミクスも、声の安定感も、
いや、音色やカツゼツでさえ、数値化し、目で見ることが可能。

歌を機械で計るなんて・・・という気持ちには激しく同意した上で、
それでも、しぶしぶ認めるなら、
私たちがスマホやPC、CDで聞いている歌だって、
全部デジタルに変換された、いわば電気信号。

ならば、数値化されたデータを
自分の歌の技術力向上に役立てない手はない。


歌がうまくなりたいなら、そろえるべきアプリ10選!


◆自分の歌を正確にジャッジできるようになれば、
問題の7割は解決したようなもの。

歌がうまくならない、歌の評価が上がらない最大の理由は、
自分で自分の歌の精度やレベルを正確にジャッジできないこと。

すなわち…
・どう歌いたいのか、どう歌うべきなのかが明確に描けていない。

・理想とする自分と現在の自分との距離を正確につかめていない。
・今の自分の歌のよいところ、悪いところを的確に判断できていない。


この3つをいかにして、明確、正確、的確に把握できるようになるか。
これが、スタートであり、大きな目標にもなる。


◆おタッキーかつストイックな「自主トレ」と、
勇猛果敢な「チャレンジ」のハイブリッド。

人を育てるのは人。
どれほどテクノロジーが進化しようと、
サルの時代からDNAに刻み込まれたこの事実は不変。

数値化されたデータと向き合うのと同じくらい、
自分自身と向き合う時間と同じくらい、
人と向き合う時間をつくる。

的確な数値をたたき出せるプロフェッショナルたちが、
さらに現場で成長していくのは、
無数の「人」とコミュニケーションを強いられる環境に身を置くことで、
真に技と心を磨かれるから。

数値にこだわった自主トレと大胆不敵なチャレンジ。
限られた音楽時間を最大限に活用するには、この2つが不可欠。

 
■6日間全12ユニットで、 ヴォーカリストに必要な基礎トレーニングをすべて学べるMTLヴォイス&ヴォーカルトレーニング12。いよいよ今週末。濃密なメンバーによる少人数開講になりそうで、今からワクワクです。

 - The プロフェッショナル, 「イマイチ」脱却!練習法&学習法

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