大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

誰に話しても「ウソぉ〜」と言われるOnline映像制作秘話①

   

MTLオンライン12というオンライン講座を作り上げ、
やっとスタートにこぎつけたのが2年前の10月。

写真を整理していたら、
撮影風景のスナップが出てきて、
あぁ、大変だったわよねぇと、しみじみ。

教材はまぁまぁカッコよく仕上がっていますが、
いやはや、制作現場は実に泥臭い。
思い出すと笑える現場でございました。

ブログもA面B面統一しちゃったことだし、
たまにはぶっちゃけ話もいいかなと、
今さらですが、
オンライン教材撮影秘話をお届けします。

 

「なにかをはじめよう!」
と、思っている人の参考になるかもしれません。

 

さて。

勉強するのが嫌いじゃない私は、
これまでいろんな映像教材というものを買ってきました。

ところがね。がっかりするんですよ。
まず8割以上が、ほんとにがっかりする。

 

理由は・・・

・セミナーなどのライブ映像の使い回し。
・映像が美しくない。構図も構成もあまりにダサい。
・講師の先生のファッション、メイク、声、物腰があまりにもイケてない。

もちろん、勉強するのが目的ですから、
映像のできや、先生のルックスなんて、
どうでもいいのかもしれませんが、

 

いやー。あたしは無理なんです。

 

だってさ。
テキスト見て、勉強に集中したいのに、
暗〜い声でぼそぼそ、もごもご説明されたり、
キンキン、ケンケン
ハイテンションでまくし立てられたりしたら、
頭に入るものも入らなくなるし、

目を上げて映像を見たときに、
突っ込みどころ満載のファッション&ヘアメイクの
講師が目に入るたびに、
いやー、カメラの前に立つのに、
なんで、もうちょっとなんとかしないかねーと、
モチベーション下がりまくるし・・・

それって、私だけですか?

 

フィットネスもののDVDやビデオもさんざん買いましたが、
たとえスーパーモデルが登場するビデオでも、
ダサいもんはダサい。

なんで、そんな色味のウエア着るの?とか、
もっとマシなスタジオなかったの?とか、
どうでもいいことがやたら気になるのです。

 

オンライン講座の構想は、
ずっと前からありましたが、
そうやって自分で自分のハードルを上げすぎて、

考えれば考えるほどお金も時間もかかりそうで、
そもそも、自分がどんなものつくりたいのか、
つくってみなくちゃわからないのに、
誰に頼んだらいいかも皆目見当がつかず、
時間ばかりが過ぎました。

 

このままじゃいかん。

あれがない、これがない、
だから無理、というのは卑怯ものの考え方だ。

自分の手のひらの中にあるもので、
まず、はじめる。
後は走りながら考える。

そうすると、どんどん必要なものが見えてくる。
必要な人が集まってくる。

そういう風に、やってきた。
はじめてのライブも。
はじめてのバンドも。
はじめてのセミナーも。。

 

音楽でも、文章でも、イベントでも、
ゼロからものをつくり上げるとき、
頭の中でふわふわ考えているだけでは
いつまでたっても実現しないんですね。

現実に落とし込んでいくための
入口、とっかかりのようなものが必要で。

そのとっかかりは人それぞれでしょうが、
私の場合は、

曲ならサビのメロと歌詞。

文章ならタイトル。

そしてイベントなら、ベニュー。
つまり「ハコ」なんです。

ハコが決まると、
イベントの全体像が見える。

必要な機材やメンバーが見えて、
スケジュールも見える。

だからね。
めっちゃ探しました。
「ここっ!」って頭の中で鐘が鳴るようなスタジオ。

 

スタジオが決まれば、
後はえいっ!とブッキングしてしまうだけです。

この「えいっ!」の時に勝算はなんにもありません。

 

だってさ。わかるわけないんですよ。

ライブだって、セミナーだって。
告知するまで、お客さんが何人来るかなんてわからない。

お客さんが来るか来ないかわからないから、
ハコの大きさも決められない・・・
なんて言ってたら、
一生ライブなんかできないんですよね。

だから、えいっ!です。
自分で自分のお尻に火をつけちゃう感じです。

コケたら、そりゃショックですけど、
そん時は、あー失敗したわと凹むだけ凹んで、
次!と前に進めばいい。

えいっ!とやってみるから失敗できるわけで、
失敗できなきゃ修正も改良もできないじゃない?

 

なーんてことを自分に言い聞かせながら、
えいっ!とスタジオをブッキングして、
メイクさんも押さえて・・・。

そんな感じで、撮影の当日を迎えたのでした。

あまりにもすべてがはじめてすぎて、
何がなんだかわからない。
映像のプロを頼む段階ですらありません。
なにしろ、頭の中にしかシナリオはなかったんですから。

 

スタジオには、
家からありったけのものを持ち込みました。

ホームビデオ用のカメラ、三脚はもちろん、
椅子やら植物やら、照明器具やら姿見やら、衣装やらを、
MINIに詰め込んで、
とにもかくにもスタジオに向かったのでした。

写真で見ると、あらまぁ、素敵なスタジオ

これが実は・・・つづく・・・

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