大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

やっと話せる、熱い想いを聞いてください①

      2017/09/18

来月、本スタートのオンラインコース。

教材制作や、システム関係の準備もほぼ終了し、これから本格的に、みなさんに、オンライン、そしてMTL12についてお伝えしていくべきフェーズに入ったと感じています。

「なんだ、宣伝か」と、お思いの向きもあるかと思います。

しかし、MTL12のメソッドやオンラインの教材は、
私にとっては「商品」というより「作品」。

 

さまざまな想いや経験から生まれた作品です。
生みの苦しみ、完成までの道のりは、
並大抵のものではありませんでした。
 

制作を終えて、作品を世に送り出すとき、
アーティストたちが作品に対する熱い想いや、
制作秘話を語るように、

私もやっぱり、この作品への熱い想い、
制作秘話を・・・めっちゃ語りたい・・・。

 

作品をつくっているときは、
クリエイトするのに要するエネルギーがあまりに膨大すぎて、
作品について語る気持ちにはなりません。

 

本当に完成するのか。
これで間違っていないのか。
手を抜いていないのか。

どこかにちょっとでも妥協があれば、
作品が完成して、何年経ってからも、
必ずその妥協点を後悔し続けることになる。

もちろん、妥協がゼロという作品は何年ものをつくっていても、まず、滅多にありません。

しかし、どんなときも、それを限りなくゼロに近づける努力をする。

クリエイターの性(さが)です。

 

そんな完璧主義な私が、
文字通り、ゼロから創り上げた作品。

そんな作品についてのひとり語り、
結構長くなりそうな予感はありますが、
しばしおつきあいいただけたら嬉しいです。

 

2015年にスタートしたMTL12は、
15年にわたる、私のヴォイトレ研究の答えとなるものでした。

 

ヴォイトレなんて受けなくても、誰よりも上手く歌える人がいる。

何年も何年も先生についているのに、なかなか上達しない人がいる。

 

生まれながらの感性や筋感覚、運動能力の差を、
どうしたら、最短時間、最小努力で埋めることができるのか。

どうしたら、一生ヴォイストレーナーのいらない、
自分で自分に教えられる能力を身につけられるのか。
左脳から入る学習と論理に裏打ちされたトレーニング。

そして、トレーナーの主観ではなく、
誰もが善し悪しを判断できる明確な基準。
誰が学んでも、誰が教えても、必ず正解を導き出せるメソッドを。

求めて。求めて。求めて。。。。

国内外の本や文献を読みあさると同時に、
圧倒的な武器である、
自分自身の声やパフォーマンスを徹底研究し、
何千字にもおよぶ文章やイラストを書き綴りました。

 

そうして、研究を進めるほどに、

どれだけ私が歌や発声を理解しても、
再現性がないメソッドでは何の意味もない。

メソッドが専門的になればなるほど、
肝心の受け手は、
延々と学び続けなければいけない不安にかられる。
 
私がつくるべきなのは、
何十冊読んでも完結しない研究書ではななく、
ミニマムな中に必要情報のすべてを網羅した、
ガイドブックなのだと気づきました。
 
そうして、それまで、
家でアーティストにレッスンするときはこのテキスト、
大学ではこちらのテキスト、
インストラクター養成にはこのテキスト、
セミナーでは毎回書き下ろしたテキスト・・・などのように、
山のようにあった情報を一本化することを決意。
 
自分というコンテンツと、
手持ちの情報すべてを徹底的に整理して、
アーティストでも、ビジネスマンでも、こどもでも、
誰を教えるときも有効な、『MTLメソッド』をまとめたのです。
 
丸2年かかりました(笑)

 

MTL voice & vocal Lessonのアイディアは、
『MTLメソッド』の一本化が進むうち、
ふと生まれたものです。

自分がまとめあげたメソッドが、
本当に過不足なく、わかりやすく情報を伝え、
そして、狙っている結果を出すことができるのか。

勇気を出して立ち上げた企画でした。

 

To be continued…

 

◆ 6日間12ユニットでヴォイス&ヴォーカルトレーニングのすべてを伝える、【第4期 MTLヴォイス & ヴォーカル レッスン12】お申し込み受付中。

◆【MTL Online Lesson12 10月生受付中!】
PV完成しました。詳しくはこちら

◆コアでマニアックなネタを中心に不定期にお届けしているヴォイトレ・マガジン『声出していこうっ!me.』購読はこちらから。

 - My History, ヴォイストレーナーという仕事

  関連記事

弟子と生徒とクライアント

「あぁ、○○ね。あいつはオレの舎弟だから。」 「ありゃオレの弟子だよ。」 ミュー …

「声が届かないって、こんなに自己肯定感を下げるものなんだ」。

何年か前のこと、 風邪をこじらせて、声がカッスカスになってしまいました。 よほど …

「わかることばで教えてください!」

音楽業界に長くいるほど、 どこまでが専門用語で、どこからが一般のことばか、 これ …

『きみ、ホントに、よくプロになれたよねぇ。』③

どんなお仕事であっても、はじめての時は知らないことだらけであたり前です。 &nb …

「情報」を正しく伝えるだけじゃ、 人は感動しないんだ。

「声って重要じゃないですか! プレゼンでも、講演でも、やっぱ、声だもんなぁ。」 …

「私のカラダはギターには向いていないんだ・・・」

高校時代、ギターリストを目差していた頃のお話。 クラプトンに憧れて、黒いストラト …

穴を埋めるのか。山を高くしていくのか。

スタジオのお仕事が軌道に乗り始めた頃のこと。 私の歌を気に入ったから、プレゼン用 …

悪意の不在

ニューヨーク時代、 毎日のように遊んでいたアメリカ人の友人D君が 長期の予定でブ …

ひっぱたかれても納得できないことはやらない!

  まだ幼稚園に通っていた頃。 つまりとんでもなく昔のお話ですが。 & …

てやんでえ、ばかやろう!

「そんな年からピアノはじめて、モノになるわけないでしょ?」 「あなたは耳が悪いか …