大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

「この仕事、しなさい」って、お告げが来た話。

   

「日本のヴォイトレを変える」という大きな志を立て、
プライベートレッスンをスタートした時のこと。

どんなレッスンを、どんな人に向けて組み立てたらいいのか、
それはそれは、いっぱい考えました。

自分でなければ意味のないことは何だろう?

私が誰よりも得意で、
圧倒的なノウハウを持っているのは、
ヴォーカルのプロとして、スタジオで歌うこと。
そして、聴く人が熱くなるパフォーマンスをすること。

だったら、プロに特化したレッスンしかない。
そんな風に思い至ったのです。

そう決意した翌日のこと。
有名シンガーSちゃんのマネージャーさんから、いきなり、
「MISUMIさん、ヴォイトレってやってますか?」
という問合せが来ました。

シンクロニシティか。
引き寄せか。
これが運命というものか。

やがて、Sちゃんがお友だちのシンガーを連れてきて、
その子のマネージャーさんが、別の事務所のシンガーを連れて来て、
という具合に、アーティストたちの輪がどんどん広がりました。

なにかひとつがピタリとハマると、
もう何かを自分で起こす必要がなくなるんですね。
いろんなことが勝手に起きる。

思えば、スタジオのお仕事もそうでした。
500曲以上やってきましたが、ほぼ100%クチコミで、
自然に、お仕事がきてくれた感じです。

がんばっても、がんばっても、
苦しんで、もがいても、
ぜ〜んぜん、うまくいかないこともいっぱいあるのに。
いや、そういうことの方が圧倒的に多いのに。

「この仕事、しなさい」ってことなんだよな。

初めてメソッドを書いた時もそうです。
当時、どこにもなかった、
知りたいことが全部書いてある本を自分で書こうと決意し、
京都の学校へレッスンに通う新幹線の中で、
思いつくままノートを書き始めました。

(このノートが100ページになったら、出版社に営業してみよう。)

そしたら、そのノートが100ページ越えたある日、
いきなり、今は亡きギターリストの末原康志さんから電話があって、
「リットーがヴォイトレの本書く人探しているんだけど、どう?」
って言われたんですよね。

あの時は、ほんと、サブイボ、出ました。

どうやら神様に選ばれたらしい。

MTLは、そんな風に、不思議な感じではじまったのでした。

●初心者からプロフェッショナルまで、月刊誌のように手軽に楽しく歌がうまくなるサブスク“声出していこうっ!Monthly Video Program”、はじめました!

 - MTL, My History

  関連記事

「声が届かないって、こんなに自己肯定感を下げるものなんだ」。

何年か前のこと、 風邪をこじらせて、声がカッスカスになってしまいました。 よほど …

開けゴマ!

「開けゴマ〜!」 言わずと知れた、 『アリババと40人の盗賊』のクライマックスシ …

ことばの解釈に「正解はない」

高校時代の大半は、ロックとバンドとギター(そして男の子)に夢中で、 「学校の勉強 …

時代が変わって、「歌が好き」という人たちの思いは、 どれだけ変わったのだろう。

「困ったことがあったら本屋へ行け。 自分が困っていることは、他の人も同じように困 …

うさぎか?カメか?観客か?

「よくそこまでやれるね」と言われることが、多々あります。 機材を買い集めて、見よ …

「がんばるのが好き」なんてヤツが世の中にいるのか?

私に関するひどい誤解のひとつに、 「MISUMIはがんばるのが好きだから」という …

「売れないアーティスト」の回顧録

自分の心がおもむくままに、 なにかをクリエイトすることは、 私の癖のようなもので …

山口県での講演は、ガラにもなくキンチョーからはじまりました。。

先週末、13日は山口県にて 第24回限界突破セミナーに登壇させていただきました。 …

「学び」はカラダに刻め。

生まれてはじめて、”8ビート”ということばを意識したのは …

語るように歌え。歌うように語れ。

思わず夢中で耳を傾けてしまう人の話というのは、実に音楽的だ。 ビジネス書の出版準 …