大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

自分自身の心の在処(ありか)を探す

   

我が家の初代わんこ、デイジーさんの体重はおよそ24キロ。
レトリバーにしては、かなり小ぶりで華奢でした。

しかし、外を歩いていると、
「わぁ〜。大きいイヌ!」と、驚かれることしばしば。

チワワやミニチュアダックスの飼い主さんたちに、
デイジーさんの体重を告げると、
「えぇ〜っ!重いですねぇ〜〜」と感心されたものです。

 

自分自身の「基準」。
感動や行動のよりどころは、いつだって、そこです。

 

体重のように、簡単に数値化できることに基準を求めるなら、
価値判断や行動指針の決定は、実にシンプルにできるもの。

数字をよりどころに生きるなら、
無駄なく、迷いなく結論にたどり着けることも、
多々あるでしょう。

 

しかし、物事の本質は、
数値化、マニュアル化できないところにあります。

ヴァン・ゴッホやジャクソン・ポロックの絵に、
数字や能書きは無用。

設計図も、プランもなく、
心のままに絵の具を塗り重ねるように描かれる絵画でも、
アーティストには、確実に、
「完成した」と直感する瞬間がある。

その瞬間を求めて、
右に行ったり、左に行ったり、
上を見たり、下を見たり・・・

そうやって、自分自身の心の在処(ありか)を探すのです。

そこは、どんなメジャーでも測ることのできない、
自分という命に与えられた、唯一のポイント。

誰かのメジャーや価値判断が介入することから、
守らなくてはいけない、いわば聖地です。

その心の在処(ありか)を探す旅こそが、
生きるということなのではないか。

時に苦しくて、
誰かに頼ってしまいたくなる。
周囲の思惑に振り回されて、
自信をなくしてしまうこともある。

それでも、負けずに、前を向いて、
自分自身を信じて、
歩き続けたものだけが、いつかきっと出会える場所がある。

いくつになっても、
こんな夢みたいなことを言いつづけられる人生を、
たぶん幸せな人生というのでしょう。

 

◆ ビジネスマンのためのヴォイトレ・ワークショップBizLab(ビズラボ) 開講!詳細はこちら

◆2019年7月7日(日)MTLワークショップ in 鹿児島 vol.3
『ボヘミアン・ラプソディー』開催!

 - Life, 夢を叶える

  関連記事

「数字」に価値を見出す

先日たまたまYoutuberのヒカキンさんが、 「Youtuberって、要は、他 …

音楽をどうやって聴くか?

言いたかないけど、レコードの時代に音楽に目覚めた私。 その後、さまざまな音楽メデ …

人生を変えてくれた、最善と最悪に感謝する

最近、自分の人生の棚卸し作業というのをしています。 長年生きているというのもあり …

「打たれ強い人」になる唯一の方法

世の中には先天的に打たれ強い人というのがいるものです。   ガラスのハ …

人生で大事なことは、みんなバンドから教わった

バンドって、うまく行ってるときは、 「これほど素敵なものはない!」と思えるくらい …

オーディションに失敗したくらいで、いちいち落ち込んでる暇なんかないのだ。

長年業界におりますが、 いわゆる「オーディション」を受けたのは2回だけ。 2度と …

時代が変わって、「歌が好き」という人たちの思いは、 どれだけ変わったのだろう。

「困ったことがあったら本屋へ行け。 自分が困っていることは、他の人も同じように困 …

未来人たちよ。「リアル」に触れよ。

自分が高校生、大学生だった時代を振り返ると、 あぁ、ずいぶん未来までやってきちゃ …

「お前は一体、どんな行動をして、今の状況を気に入らないと言っているんだ?」

週末なので、インサイドストーリー的お話を。 生まれて初めての音楽の仕事は、音楽学 …

オトナとコドモの線引き

コドモの頃、オトナは特別な存在だと思っていました。   コドモとオトナ …