期待にこたえるだけじゃダメなんだ。
「期待にこたえるだけじゃダメなんだ。
いい意味で期待を裏切り続けなくちゃダメなんだ。」
ヴォーカリストとしてお仕事をさせてもらうようになってから、
現在に至るまで、常に、常に目標にし続けていることです。
人は自分が差し出すものに対する見返りを期待するもの。
お金や、時間、労力の他に、「想い」も加わって、
それらすべてを合わせたくらいのリターンを、
どこかで期待するから、差し出すわけです。
好きなアーティストがいる。
入手の難しいチケットをあの手この手で手に入れる。
時に、正規の値段より高くなっていても、いとわず買う。
コンサートの日を指折り数えて待つ。
何を着ていこうか、何時に家を出ようか、
あれこれスケジュール調整をしたりもする。
ある人は飛行機で、ある人は新幹線で、ある人は車で・・・
さまざまな移動手段で、目的の地に向かう。
宿泊が必要な時だってある。
そんなたくさんのお金とたくさんの時間と、
たくさんの労力、そしてたくさんの、たくさんの思いは、
ステージにスターが現れた瞬間に報われます。
きたぁああああああ。
きゃぁあああああ。
そんな感動が全身を貫いたら、もうそれでいいわけです。
ところが、時に、期待に反して、
あれ?とがっかりしてしまうときもあります。
かつて大好きだった、某外タレのコンサートを見たときは、
まさにそんな感じでした。
あんなに好きだったのに。
あんなに夢中になって、今日という日を待っていたのに。。。
昔、大好きだった曲はほとんど演奏してくれない。
アレンジがほとんど全部変えられていて、
サウンドが妙におとなっぽくって、ワクワクしない。
歌のキーもほとんどが下げられていて、
テンションが上がらない。。。
おまけにルックスがめっちゃ老け込んでいて、
残念すぎる。。。
金返せ、という気分でした。
いやいや。もちろん、事前調査を怠った私のせいです。
年を取ることに否定的なわけではありません。
そんな墓穴を掘るようなことを言うつもりはありません。
ただね。
人間って、そういうものだよな。ということです。
期待したものに対する対価。
それが得られないと、とりあえずがっかりする。
ものすごく残念になる。
この時点で、対価が得られなかったどころか、
気持ちの面でますます失うものが大きくなってしまいます。
送り手には、いつだって、責任がある。
正しい期待感を煽る。
その期待に応える。
相手が差し出してくれたものをきっちり返す。
もちろん、それだけではダメです。
きっちり返ってきたと感じるときはプラスマイナスゼロ。
いい意味で期待を裏切る。
あんなに期待が大きかったのに、
その予想を遙かに超えた、得をした、
と想ってくれるから、
また同じようにさまざまなものを差しだして、
会いに来ようとしてくれるのです。
ベストを尽くすだけではだめ。
自己ベストを更新し続ける。
少なくとも、そんな気持ちで挑み続けることが大切なのですね。
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