「結局、誰よりも渇望した人間が・・・」
2020/03/16
「なんで歌の学校なんか行くの?
歌なんか、習うもんじゃないでしょ?」
大学4年の春。
どんなにサークル活動をがんばってもなにも起こらないと悩みに悩んだ末、
とある雑誌に広告を出していた新しい歌の学校に、
決死の覚悟で飛び込みました。
誰にも相談せず、全部自分で決めました。
楽器科にはすでにプレイヤーとして活躍する若者もたくさんいたし、
ヴォーカルの同級生たちは、
みんなびっくりするくらいうまくて、
いろんなことを知っていて、
レッスンに出かけるたびにうちひしがれて・・・
あれは確か、大学卒業を目の前に、
その歌の学校の進級試験を落とされ、
「もうあかん。プロなんてなれないんだ。」
と、納得しようとしても、音楽の道以外考えられず、
救いようのない気持ちで
毎日、ただただがむしゃらに歌っていた頃のことです。
大学の友人の行きつけのバーで、
店主に言われたのです。
「なんで歌の学校なんか行くの?
歌なんか、習うもんじゃないでしょ?」
その当時は、本当に会う人会う人、
いや、もうすれ違いざま、くらいの勢いで、
音楽を、歌を、仕事にしたいと考えていることの甘さを、
さまざまなことばで批判されました。
歌なんか習うもんじゃない。
そもそも、習わなくちゃならないんなら、
お前には才能がないんだ。
被害妄想でしょうか。
そんなことばが言外に隠されているのが感じ取れて、
あぁ、執念深い、
もう何十年も前のことなのに、
あの夜の、苦い気持ちを忘れることができません。
コンマリさんの『人生がときめくお片付けの魔法』の編集者として、
世界的に知られる高橋朋宏(タカトモ)さんがご自身のメルマガにて、
こんなことばを紹介していました。
「結局、誰よりも渇望した人間が、
ベストセラーを書く著者となり、
ベストセラーをつくる編集者となる」
『ビリギャル』の著者である、
ベストセラー作家・坪田信貴さんが、
「どうするとベストセラーは生まれるのか?」と問われたとき、
答えたことばといいます。
どんな世界もきっと同じ。
「昨今は音楽の仕事がない」
「ミュージシャンで食べていくのは難しい時代」、
そんな風に言う人は本当にたくさんいます。
しかし、一方で、
寝る暇がないくらい制作の仕事に追われているミュージシャンも、
(コロナ騒ぎ以降は違うとしても)
全国をサポート仕事で飛び回っているミュージシャンも、
レコーディングにひっきりなしに呼ばれるヴォーカリストも、
確実に存在しています。
若者の人口がこれだけ減っている今、
プロとして生活が成立している若者ミュージシャンの比率は、
かつてのベビーブーマーたちの時代と変わらないのではないか。
世の中がミュージシャンフレンドリーだった時代なんて、
いまだかつてありません。
これからもないでしょう。
才能があるからプロになれるんじゃない。
プロになるまで粘るから、実力がつくんだ。
「結局、誰よりも渇望した人間が・・・」
この後ろを埋める言葉を決めるのは自分自身。
今日もStay Hungryで行きましょう!
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