大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

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女子だって、ロックしたいっ!

   

最近でこそ、
女性ギターリストとか、どんどん出てきて、
女子向けのサイズのギターとかも、
普通に出回っているようですが、

私が学生の頃って、
イカツイギターばっかりで、
ネックを握るのも、一苦労でした。

いや。
もしかしたら、探し方が悪かったのかも知れないけど、
少なくとも、
よく出入りしていた秋葉原のラオックスとか、
ヤマハとかには、
そんな「女子向けギター」なんかなかったし、
店員さんの口からそんなことばを聞いたこともありませんでした。

で、手の方を合わせろ、
みたいなことになっちゃうわけです。

あたしだって、
ジミーペイジみたいに、
腰までギター下げて、
指をぺたっと指板にくっつけて、
気だるそうにギターを弾きたい。

でも、手が小さいどころか、
腕の長さもちょっと残念なんで、

腰の高さまでギターを下げると、
腕がぴーんと伸びちゃって、
どうやったって、ネックを握れません。

というか、
そもそも「ネックを握る」というのが無理で、
一番長い中指でさえ、せいぜい5弦くらいまでしか届きません。

だから指を寝かすと、
他の弦も思いっきり触っちゃうから、
ベコベコって音になる。
仕方ないから、指をしっかり立てて弾くわけです。

ギターを教えてくれた男子たちは、

「だから、6弦は親指で弾くんだ」とか、
「そこ、小指寝かして」とか、
「指立てるのダサい」とか言うわけですが、

カラダもでかい、
手もでかい、
「そんなの練習次第だよ」と言われても、
ぜんぜん説得力ないわけです。

女子向けじゃないのは、
ギターばっかりじゃありません。

残念ながら、
往年のロックの名曲といえば、
男声ヴォーカルの曲が圧倒的に多い。

だからキーが、合わない。

先日の洋楽ロックセミナーでも、
「バンドでやっている曲のキーが低くて、歌えない」
「音域的に気持ちよく声が張れない」
という声が多々ありましたが、

「ロックはギターが主役だから」的な風潮から、
ほいほいキーを変えてくれるなんてことは、夢のまた夢。

私自身、時には、
BBAやエアロやストーンズみたいな曲だって、
歌いたいわけですが、
まぁ、キーでモメますんで、
結局、やめよ、ってことになります。

しかも、男子の声と違い、
女子の声は細めだから、
爆音に対抗できる声を出そうとすると、
結構ノドに負担がかかっちゃう場合もちらほら。

普通の男子には高すぎて歌えないからって理由で、
女子をヴォーカルにしているバンドもたくさんいるんだから、
もうちょっと気にしてくれてもねー。

ジャニスがロッククイーンと言われたのは、
そんな男子がぶっ飛ぶような
激しい声を持っていたからなんだろうなー。

ロックを愛する乙女たちよ!
負けずにめげずにがんばろ〜!

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