ルーティンワークで「微差」をつかまえる。
鰻屋を営んでいた母方の祖父は、
生前、お昼ごはんに、
毎日お店の鰻重を食べていたそうです。
毎日同じものを食べるから、
その日の鰻の味がわかる。
ごはんの出来や、たれの具合がわかる。
そうやって、お店の味を守っていたのでしょう。
毎日同じものを食べる。
毎日同じエクササイズをする。
毎日同じ時間に寝起きする。
毎日やるから、
やがてカラダが無意識に動くようになります。
無意識に処理できる情報量が多くなるほど、
人は「微差」に敏感になれるのです。
トレーニングや練習も同じ。
毎日、同じウォーミングアップをする。
毎日、本格的な練習の前に、同じ曲を弾く。歌う。
特別なことである必要はありません。
自分にとってバロメーターとなることなら、
どんなにシンプルなことでもよいのです。
無意識にカラダが動くからこそ、
その日の自分の調子がわかる。
調子いい、悪いを敏感に感じられたら、
その理由もおのずと見えてきます。
調子がいいのは、
よく眠ったから、
前の日にたくさん練習したから、
なにもしないで、よく休んだから・・・
調子が悪いのは、
遅くまで飲み会があったから、
昨日、食べ過ぎたから、
練習し過ぎたから・・・
などという推測ができるようになる。
そして、その調子の微差を解消するために、
カラダにどんな微調整を加えたらいいかが、
毎日のルーティンの中で発見できるようになります。
イチロー選手が旅先にも同じ枕を持参し、
朝は必ず奥さん手作りのカレーライスを食べていた、
という話は有名ですが、
いつも安定感のあるパフォーマンスができる人には、
必ずルーティンワークがあるもの。
あなたのルーティンはなんですか?
◆【ヴォイトレマガジン『声出していこうっ!me.』】
ほぼ週1回、ブログ記事から、1歩進んだディープな話題をお届けしているメルマガです。無料登録はこちらから。バックナンバーも読めます。
関連記事
-
-
「歌なんて習うもんじゃない」? うまくなる人は、何が違うのか
「歌なんか習うもんじゃないだろ?」 歌の学校に通いはじめたころ、昭和のおじさまた …
-
-
自分の声。
「自分の声に興味のある人なんているんですか?」 これまで、何度か、 そんな質問を …
-
-
ストライク率を限りなく100%に近づける
こどもの頃からずっと謎に思っていることのひとつに、 「ボーリングって、なぜゲーム …
-
-
ピッチをよくする練習。
「ピッチ悪いね」 歌を志す人が投げ掛けられる苦言で、 これほど辛く、 途方に暮れ …
-
-
ヴォーカリストがリハーサルの前に最低限準備すべき3つのこと
昭和音大では『アンサンブル』という授業を受け持っています。 アンサンブルというと …
-
-
「伝える力」と「届ける力」
2007年に起業セミナーというものにはじめて参加してから、 出版関係のセミナー、 …
-
-
「この歌、いいなぁ」には必ず理由がある!
「売れる曲には、必ず理由がある」 あるヒットメーカーが教えてくれたことばです。 …
-
-
「お前、練習してんのか?」
先日、とある忘年会で、大先輩のミュージシャンに、 「MISUMI、ビジネスはいい …
-
-
ロックはエネルギー!
先日のロック・セミナーで、 「ロックはエネルギーだ」というお話を、 繰り返し、し …
-
-
声の優先順位が低いなら、気にしないのが一番。
「自分の声の印象って、どうなのだろうと気になる」 という人はたくさんいるのに、 …
- PREV
- 習慣化するための3つのコツとくふう
- NEXT
- この曲、なんかのパクリ?

