いつも初演のつもりで準備して、 初舞台のように、パフォーマンスすること
「いや〜、感動しました!!次も楽しみにしています!」
オーディエンスやお客さんに、こう言ってもらうことは、
パフォーマー冥利に尽きる、幸せなことです。
しかし、ライブでも、セミナーでも、おそらくは一般のお客商売でも、
感動を売る仕事をしている人なら、
こうしたことばをもらった時ほど、身を引き締めなければいけないとき。
大切なのは、「次」なのです。
期待に胸膨らませてやってきてくれるお客さんたちに、
では、どうしたら、また、感動を新たにして帰ってもらえるのでしょう?
前回のパフォーマンスが素晴らしければ、
オーディエンスの期待の基準は「前回のパフォーマンス」になります。
「次」が「前回のパフォーマンス」くらい素晴らしくても、
オーディエンスの感想は、「まぁ期待通り。。。」になってしまう。
「期待値×実際に支払うチケットの値段×会場に足を運ぶなどの労力」
ここから導き出される答えを超えなければ、
「その次」はないかもしれないのです。
できたばかりのレストランに出かける。
内装もメニューもキレイで新鮮。
味もいいし、サービスもいい。
格別に美味しい料理もいくつかあって、
しかも、お酒が美味しく、居心地もいい。
おまけにびっくりするほどリーズナブルなら、
もちろん、感動して、また来ようと思います。
しかし、問題の2回目。
内装もメニューも、2回目なので、新鮮には感じません。
反対に、最初の時には気にならなかったところがいろいろ見えてきます。
味も、サービスも、値段も最初の感動はありません。
「あぁ、こんなもんだったかな」と思ってしまう。
その時点で、「新しい、感動のレストラン」は
自分の中で、「最近できた悪くない店」に格下げされてしまいます。
では、どうしたらいいか。
「いつものあれ」で、同じパフォーマンスを繰り返していたのでは、
お客さんの心もやがて離れてしまう。
とはいえ、奇をてらって、あの手この手で責め立てれば、
やはり受け手はうんざりしてしまう。
・・・いったい、どんな「次」を見せたらいいのか。
長年、考え続け、挑戦し続けてきて、辿りついた結論は、
けして、演目を変えるとか、目新しいことをするとか、
そういうことではありませんでした。
「いつも初演のつもりで準備して、
初舞台のように、パフォーマンスすること。」
これに尽きます。
人の心を動かすのは、やっぱり人の心だから。
自分が新鮮と感じて歌わなければ、絶対に人には新鮮に伝わらない。
自分が感動したり、ドキドキしたりしなければ、
聞く人も、絶対に感動したり、ドキドキしたりしない。
慣れや手癖でやる演奏には、
ある程度の安心感こそあれ、新たな感動は生まれない。
もっと、もっとと貪欲に準備をした、駆け出しの頃の、
あのストイックさが、人の胸を熱くしたのではないか。
まだまだ、まだまだと、初演まで自分を追い込み続けた、
自信と不安のないまぜになった気持ちが、
いい意味での緊張感を伝えたのではないか。
いつもいつも初演や初舞台の新鮮さと一所懸命さと情熱を持って、
準備し、パフォーマンスできたなら、
「次」は「前回」の延長線上ではなく、毎回毎回が新しいステージになる。
この、新鮮さと情熱を持ち続けられるかどうかが、
パフォーマーとしての真価を問われるところなのかもしれません。
【Day-to-day】
本日、『MTLヴォイス&ヴォーカルレッスン12』の先行予約をスタートしました。さすがに第1期ほど瞬殺とはいきませんが、順調にお席が埋まってきています。
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本当に伝えたいことばかり。。。あぁ、みなさんに会えるのが楽しみです。
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