文化は「オタク」と「変態」、そして「ドM」がつくる
2016/07/25
忙しがる人は好きじゃないのですが、
最近、自分もそんな、自分が好きじゃない類の人になっているわねと、
うっすら自覚があります。
今日は明日からはじまる第2期MTL12のみなさんに失礼があってはならないと、資料づくりの合間に、サロンを2軒ほどはしごして、
ビューティーアップしてきたのですが、
お忙しそうですね、と言われると、ついつい、
「そーなんですよ。これやってて、あれやってて・・・」などと話してしまう。
そして話しながら、「我ながら、いろいろやっているなぁ」と、
まぁ、どっか、自己愛に満ちた気持ちになっているのでしょうか。
そんな会話の中で・・・
「いつ寝ているんですか?」
「ストレスたまりませんか?」
と、聞かれて、はたと気がつきました。
確かにあんまりゆっくり眠っている気はしません。
肉体的な疲れもたまっています。
締め切り的なものに、常に追いかけられている気もします。
しかしです。
ストレスを感じている気はまったくしません。
毎日14時間パソコンの前に座っていても、です。
なぜだろう・・・と、よくよく考えれば、私が今、
日々寝る間も惜しんでやっている仕事の7割が、
誰にも頼まれていない仕事。
正直、私がその仕事をしていることすら、
まだ、1〜2人程度しか知りません。
や〜めた。で、全然かまわない。
だ〜れも困らない。
っていうか、誰も知らないんだから、困りようがない。
私がその仕事を終わらせるのを待っている人すらいません。
だって、誰も知らないんですから。
生み出しているお金はゼロです。
いや。
資料やら、備品やら、その他、
いろいろ仕込みにお金を使っているから、マイナスです。
一体全体何のためにやっているんですか?
と聞かれれば、
「そこに山があるから」
でしょうか?
「わかんね〜」って、誰か言いました?(^^)
誰にも頼まれていない、
さしあたって、お金になるわけでもない、
それでもなんでもやらずにいられない、
やり出すと夢中になる・・・
一般的には「趣味」と呼ばれることでしょう。
心のどこかで、
「神さまに与えられたミッション」という感覚はありますが、
それもふくめ、
まぁ、夢を追いかけているわけです。
だから、たぶん、ストレスを感じないんですね。
自分1人でスタートを切った長距離マラソンみたいなもの。
走り続けようが、
や〜めた!とやめようが、
誰にも叱られない。誰も困らない。ってか、誰も気にしない。
誰も知らない、秘密の趣味です。
「好きなことを仕事にする」ことは、誰にとっても、
多かれ少なかれ、この「趣味の長距離マラソン」なのではないないか?
誰にも期待されない。
協力もされない。
むしろ、「そんなこといつまでやっているの?」的な横やりや、
「いい加減ちゃんと仕事しろ」的、妨害さえ入る。
人は、趣味に没頭している人を見ると、
ちょっと居心地が悪くなるようです。
きっと、何かに夢中になるには、お金とか、名誉とか、名声とか、
わかりやすい、しかも、手っ取り早い理由が必要で。
独自の価値観、世界観だけで、ぐいぐいと突き進み、
他を寄せつけない人を見ると、
「好きなことばっかりしてて、いいよね。」
とうらやましく思うのか。
「世の中、そんなんでいいわけないだろ?」と苛立つのか。
そんな世間の空気に流されず、
誰もルールを決めてくれない、
自分だけのレースを走り抜いた人だけが見られる世界がある。
少なくとも、そう信じられた人だけが、
気の遠くなるような不毛の長い道のりを、
傍から気味悪がられながら、
にやにや、ニマニマしながら走り抜けられる。
文化は「オタク」と「変態」がつくる、と言われるのは、
きっとそういうことなのかもしれません。
あ、あと、「ドM」もね。
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