大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

「すごいヤツ」は行動する。

   

「シンガーソングライターとして世の中に出ていきたいなら、
今どき、自分の録音環境くらいなくちゃだめでしょ。」

そんな話をしたら、次のレッスンの時には、
一通りの機材を買いそろえたと報告してきて、
言ったこちらを驚かせた子がいました。

お金に余裕があるおとなの話ではありません。

仕送りで生活しながら、
バイトで稼いだくしゃくしゃの10000円札で、
レッスン代を払ってくれていた大学生の話です。

お金があるからやるんじゃない。
お金がないからできないんじゃない。

熱意があるかないか。

結局、すごくなるヤツは熱意で動けるヤツなのだなぁと、
思った瞬間でした。

 

特別な子にだけ、アドバイスをしているわけではありません。

その子のためになるであろうことを
思いつくままアドバイスするというのは、
誰のレッスンでも普通にやっていることです。

しかし、すごいヤツはもう反応が違う。
そして行動が違います。

 

「英語を上達したいなら、
きちんと体系的に学べるスクールで、
一度基礎をしっかりやった方がいい。」

そう言ったら、次に会ったときには、
英会話スクールに通っていたという子もいました。

 

恵まれた子だからできるのではありません。

やりたいことを叶える方法を考える力があるか。
すぐに行動できるか。

この2点だけです。

 

すごくなるヤツは行動が早い。
これが私の実感です。

そして、思いついたこと、
やると決めたことは必ず実行に移します。

人のアドバイスで、
心に引っかかったことを放置することはありません。

 

できない人ほど、
そういう人たちの行動に批判の目を向けがちです。

「あんなことに金を使って、どうするんだろう?」

「あんなのやっても、意味なくね〜?」

「あいつ、熱すぎて、ついて行けないよ」

 

そんな風にウザがられたら自分はすごいのかも、
と思うべきなんですね。

つまり、端で見ていてウザいほど、
熱意がある。行動力がある。

 

「毎日毎日、新曲を書いては、家に遊びに来て、
聞いてくれと曲をかけだして、
みんなでウザいなぁって言ってたんだ。」

そんな風に疎まれていながら、
その数年後大スターになったという青年もいました。

 

 

「とにかく、曲を書け!」といわれて、
いきなり仕事部屋を借りた、という大学生がいます。

「どんどん挑戦しなくちゃ、時間がもったいないよ」と言われ、
手当たり次第オーディションやコンテストに申し込んで、
次々結果を出した学生もいました。

 

なんでもかんでも、ただやみくもに、
人の言うことに乗っかればいいということとは全然違います。

まずはゴールを見据える。

ゴールに向けてできることはなんでもやってやるという気概を持つ。

人の話に素直に耳を傾ける。

心に響いたことを、躊躇せず、ただ行動に移す。

あきらめず、続ける。

 

こんなシンプルなことを、
ちゃんとできるヤツが、
結局、すごいヤツなんですね。

 

◆コアでマニアックなネタを中心に不定期にお届けしているヴォイトレ・マガジン『声出していこうっ!me.』。限定公開のレッスン映像もごらんいただけます。購読はこちらから。
◆自宅で繰り返し、何度でも。ヴォイス&ヴォーカルのすべてが学べる【MTL Online Lesson12】。
次期受付開始は今しばらくお待ちください。
◆10月29日(日) 鹿児島にて【MTLワークショップ in 鹿児島】を開催します。

 - 夢を叶える

  関連記事

ライブやるのに、シロウトもクロウトも関係ないっ!

Y社長が弊社にやってきたのは、昨年の秋のこと。 共通の知り合いからのご紹介という …

歌はマインドセットが9割〜MTL Vocal BootCamp〜

昨日、MTL Vocal BootCamp Day1が終了しました。 基礎からレ …

上達するためのプロセス

高い声を出したい。 もっと正確にピッチやリズムを刻みたい。 速いフレーズを的確に …

「準備OK」な自分を育てる

欲しいものがなんだかわからなければ、 どこに向かって手を伸ばせばいいのか、わかり …

スタジオ配信ライブ初体験。/「生まれて初めて」を恐れない!

誰にだって、何にだって、 「生まれて初めて」はあります。 まして、テクノロジー …

「わからない」って最強/生まれて初めてスタジオに入った日

どんなに百戦錬磨なミュージシャンにだって、「生まれて初めてスタジオに入った日」が …

「たった5分」に情熱を傾けるのは不毛ですか?

高校時代のお話です。 文化祭前に来る日も来る日も練習に明け暮れる私に、 同級生の …

18才のように夢見て、38才のように考察し、28才のように行動する。

18才のとき、夢は無限大でした。 自分自身にも、自分の可能性にも、未来にも、なん …

「そんなんで、どうやって食べていくんだ?」

昨日、街で前を歩くオシャレでダンディな年配の男性と、 若い女性の会話が、聞くとは …

「売れ線狙い」は劣化コピーを生む。

「これ、今、売れてるから、この路線で行こう!」 そんな風に言うおじさまたちが、一 …