大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

「ライブやりたい!」を叶える『火事場の馬鹿力』

      2015/12/20

さて、予告通り、「最短でライブを実現するには?」というテーマについて書きます。

ものすごく、簡単なことなのですが・・・
まず、ライブハウスを押さえちゃいましょう!

 

「えぇ〜〜〜っ?!でもぉ〜、メンバーがぁ・・・曲がぁ・・・・練習がぁ・・・」

という絶叫が聞こえて来そうです。

いえいえ。そんなこと、全部後からでいいんです。

 

ライブを最短距離で実現させるには、とりあえずライブの日程を決めちゃう!
これしかないんです。

人間には、あの、『火事場の馬鹿力』というのがあります。
やらなきゃならないとき、人は必ず何とかするもの。

そうやって、自分にギリギリの負荷をかけ続けることで、
大きく飛躍するためのパワーをつけることができるのです。

ライブハウスのブッキングは簡単です。
友達や自分と同世代の子が出ているライブハウスをいくつかチェックして、
連絡するだけ。
音源やプロフィールなどの資料を提出すれば、たいがい、すんなりライブが決まります。

余裕を見て3ヶ月先ぐらいのスケジュールを決めれば安心でしょう。
これでブッキングは完了です。

天災でも起きない限り、あなたはその日、
ライブハウスのステージに立つことになります。

 

ライブを先に決めれば、メンバーを集めやすくなります。

「バンドをやりたい」という気持ちはわかりますが、
バンドメンバーというのはいきなりは決まりません。

仮に、「これからこのメンバーでがんばろう!」などと、バンドを作っても、
よほど運と縁がない限り、
十中八九、誰かしらが、裏切ったり、挫折したり、クビになったりするものです。

また、「バンドやらない?」と誘われれば、誰もが重くとらえます。

彼らと一緒に、ずっと楽しくやれるのか?
音楽的な相性はどうか?演奏力は?ルックスは・・・?

だから、なかなかメンバーが決まらないということになるのです。

一方、ライブに誘うのは簡単です。
めぼしいプレイヤーに、ライブの日のスケジュールが空いているかどうか聞くだけ。

声をかけられて嫌な気がするプレイヤーはいません。
リハ代やノルマなどで、無理な条件を出さなければ、喜んで参加してくれるはずです。

一緒にやってみて、フィーリングが合えば、次も頼めばいい。
そのうちに、「バンドをやろう!」となることもしばしばあります。

17617151_s

オリジナル曲を作っている人は、ライブを決めたことで、
いつもより、作詞作曲のスピードが速くなることに気がつくでしょう。

あの、坂本龍一や桑田佳祐でさえ、
「曲ができるのは締め切りの前日」と言うそうです。

ライブの曲順を考えながら、足りない曲を作るというスタイルなら、
バラードか、UPものか、ダンス系か。。。など、
曲自体のイメージも湧きやすいはずです。

曲が足りなければ、カバーをやってもいいのです。
(ライブハウスによっては禁止なところもあるらしいのでブッキング前に注意が必要)
誰も彼もが、曲を書かなくちゃいけないということはありません。
曲は書くけど、歌えない人。
歌えるけど、曲は書けない人がいて、いいわけです。

ライブで歌を聞いてくれた誰かが、自分のために曲を書きたいと言うかもしれない。

お客さんも、わかりやすいカバーを交えると、知らない曲ばかり聴かされるよりも、
楽しめる場合も多々あります。

アレンジの完成度も高いので、バンドも演奏しやすいでしょう。
バンドのスキルやアンサンブル力を上げる、
またはメンバーのセンスをチェックするのにも、カバー曲は一役買ってくれます。

ここまでできたら、後は練習あるのみです。

ライブが決まっていれば、多少無理してもリハーサルを入れようということになります。
人は誰も、恥をかきたくないもの。
個人練習にも身が入るため、リハーサルのクオリティはぐっとUPします。

そうやって、えいっと崖から飛び降りてみると、
今までと世界が変わります。人の流れが変わります。

例え失敗しても、酷評されても、
大きなステップを踏み出しることになるはずです。

夢を叶えるなら、まずはゴールから設定する。

これって、Iron。鉄則なのです。

 - 夢を叶える

  関連記事

がんばり方は教えられません。

何年か前のこと。 レッスンにやってきた学生があきらかに練習した形跡がないので、 …

常に最善を期待する

アマチュアだから。 学生だから。 新人だから。 そんな手加減がないのが、 私の、 …

「そんなことやってても売れないよ」

「そんなことやってても売れないよ」 「もっと売れてるもん聞かなくちゃダメだね〜。 …

無責任なコメントに心乱されない

まだ学生の頃だったか。 たまたま通りがかった野外ステージで、公開オーディションの …

「たった5分」に情熱を傾けるのは不毛ですか?

高校時代のお話です。 文化祭前に来る日も来る日も練習に明け暮れる私に、 同級生の …

めげない心を持つ人を、 「才能がある」というのだ。

「やりたい!」と思いがほとばしることは、必ずできる。 自分にはそれを可能にするだ …

自分を好きになるということ。

こどもの頃から、 自分じゃない人間になりたいと思っていた年月があまりにも長くて、 …

「やりたい」と「やる気がある」は月とスッポンほど違うんだ。

先日、著名なアーティストの方と、 その方のお子さんが、 「音楽に興味があると言っ …

若さのエネルギーなんて、誰だって持ってるし、誰だって失う。

あれは中学1年の頃。 美術の時間になると、 テストの成績の1位〜3位を、 常に争 …

成長痛を抱えて走れ。

今年前半は、 とにかくいろんなことが重なって、 頭の中がパツパツな状態が続いてい …